ではその“華”の正体とはなんだろう?
説明するまでもなく、1つにそれはプラスのオーラ。あらゆる意味で、マイナスのエネルギーをわずかでも持った人には宿せないことを、みな知っている。ポジティブで、誰に対しても好意的、そこにいる全ての人にまっすぐ魂を向ける、清潔な心の持ち主だけが持てるオーラだと言ってもいい。
2つ目に、品格。若い人には宿せない理由の一つはここにある。どこか厳かな、上質な気品を持った人でないと、空気までは変えられない。空気を一瞬で澄み渡らせることなどできないからだ。“花が咲き誇る”と言う言葉があるけれど、まさに“華のある人”には“誇り高さ”も必要なのだ。歳を重ねるほどに華を重ねる人がいるのもそのせい。
そしてもう一つ、ファッションセンス。気づいていない人も多いのかもしれないが、センスには大変なパワーがある。想像してみて欲しい。街で多くの視線を集めるマダム世代は、単に美しい人じゃなく、さりげなオシャレな人。人を振り向かせる引力を持っているのは明らかにファッションセンスなのだ。
ハッキリ言ってアラフィーから先、美しいだけでも若く見えるだけでも、人を魅了できない。そこにセンスのようなものがなければ、魅力は生めないのだ。そのセンスとは、人間的センスであり、知性であり、ファッションセンス。つまりセンスが、人としての才能、人間力のようなものを物語るからなのである。
従って、センスがある人は、紛れもなく“力のある服”を選ぶ。つまり華がある服=華やかな服ではない。もちろん派手な服という意味でもない。むしろパワフルな服ということ、なのだと思う。
パワーのある服、わかるだろうか? とてもシンプルだったり、モノトーンだったり、装飾的でないからこそパワーを持つこともあるわけだし、逆にハッとするほど強烈な印象を放つ色使いや柄、息を呑むほど美しいデザインやシルエットもパワーの源となり、そこに明快な定義付けはない。ともかく見る人が目を見張り、釘付けになるような力を持った服を、たまたまではなく確信を持って選べるセンス、それ自体に“華”が宿るのだと思う。
パワーのある服は、まさしく、つぼみが開花するような生命力も見事に伝える。人を生き生き見せる圧倒的な力を持つからこそ、人に“華”をもたらすことができるのだ。そういう服を選べる人、そこに極上の“華”が生まれる。
女は女同士、そうしたセンスを素直にリスペクトする。一瞬で心をとらえる人への尊敬こそが、空気を変えるほどの“華ある印象”に繋がるのだと考えてもいい。センスはそこまでの力を持つからこそ、女はオシャレを決して決して侮ってはいけないのである。