教会などでパイプオルガンの演奏は聴いたことがあったものの、オルガンコンサートは初めてです。
この日の曲目は以下のとおり。
来たり給え、創造主なる聖霊よ/ニコラ・ド・グリニー
「めでたし、海の星よ」による幻想即興曲/シャルル・トゥルヌミール
オルガン交響曲第三番 作品28/ルイ・ヴィエルヌ
パイプオルガンの音色は、とにかくものすごい迫力でした。
ボリュームもさることながら、幅広い音色。
これは、コンソール(演奏台)の両サイドにあるたくさんのストップ(ボタンのようなもの)によるもので、これを手前に引くことで様々な音が出ます。例えば、トランペット、クラリネット、フルート、オーボエなどなど多種多様の音色のストップがあり、複数のストップを引いて鍵盤を押すことでその複数の音色が同時に出るそう。
この新宿文化センターのパイプオルガンは鍵盤が4段あります。
そして足鍵盤があり、スウェル・ペダル(強弱)があり、ストップ操作があり、奏者は本当に大変!手足が4本ずつ無いと演奏できなさそう(笑)。
そこで横に「アシスタント」が付きます。
よくピアノの演奏などだと譜面をめくる人が付いていることがありますが、パイプオルガンではそのアシスタント(アシスタントもオルガン奏者)が譜めくりだけでなく、ストップの操作をしたりペダルを踏んだりします。
なるほど。だから手足が4本無くても演奏できるのですね。
演奏中、奏者は椅子に座った腰を左右に滑らせ、両足をフルに使ってあちこちのペダルを踏みます。同時に両手で何段もの鍵盤を叩きますが、この鍵盤も結構重い。オルガンと言ってもピアノの鍵盤ぐらいの重さ。この日のオルガニストの浅尾直子さんはすらっと背の高い細身の方で華奢な感じですが、両腕は結構アスリート風でした。
この両手足を駆使したハードな演奏のおかげで、あのような大迫力のサウンドが聴けるんですね。
パイプオルガンという楽器は大変大きく、教会やホールなどに設置されていますが、楽器ごとに鍵盤数やストップ、パイプの数などが異なるので、音色もそれぞれ異なります。
今パイプオルガンは静かなブームのようで、ランチコンサートなど気軽に聴けるイベントもあちこちで開催されています。ぜひ一度パイプオルガンの世界に触れてみてはいかがでしょうか。