奈良に春を告げる「お水取り」——東大寺二月堂の厳かな夜

みなさん奈良のお水取りって聞いたことがありますか❓ 実はとても奥が深いのです。。
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「お水取りが終わったら、春がくる」
幼い頃から母にそう言われて育った私は、二月堂へ足を運びたくなります。けれどこの時期に行ったことがありませんでした。
私は奈良のお寺はたくさん好きなところはありますが長谷寺、二月堂は大好きです。
この夜人混みが好きじゃないパートナーが、奈良に引越してきたし、せっかくだから二月堂に行ってみよかと言ってくれました。この夜はとても寒かったのですが、まずこんな夜に二月堂に行けるのか?という驚きと、行けるという喜びで、勇んで準備をして出かけました。家から徒歩では行けますが、なかなかな距離。子どものようにワクワクしながら、そんな早く歩かなくて大丈夫と声をかけられながら向かいました。

東大寺二月堂の「お水取り」は、正式には「修二会(しゅにえ)」といって、奈良時代から続く仏教行事や。毎年3月1日から14日まで行われて、僧侶たちが人々の罪を懺悔し、世の中の安泰を祈ります。特に有名なのが、毎晩行われる「お松明(たいまつ)」。みなさんこのシーンだけはニュースなどで見られたことがあると思います。私もその1人。だけどその後もずーっと行事は続いているのです。
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お松明の炎が夜空を照らす

毎晩7時から、松明が二月堂の舞台を駆けます。この松明は11本あって、それぞれ「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれる11人の僧侶が持つらしいです。修二会の間、厳しい修行を続け、昼夜を問わず祈りを捧げる存在。松明の火の粉を浴びると無病息災のご利益があると言われていて、観光客や地元の人たちが毎年集まります。

普段、二月堂の本堂には入らないのですが、この夜は、局口と札がかかったところからそっと足を踏み入れました。蝋燭の灯りに照らされた厳かな空間が広がって、読経の声が響き渡り、時間帯によっては、僧侶が自分の体を打ちつけて日本の平和を祈る場面もあるようです。正座して暗闇をじっと見つめ声明〔読経〕を耳にし、背筋が伸びる思いでした。
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この中でずーっと祈られている
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本堂から見た景色
「お水取り」の本当の意味

3月12日の深夜には、修二会のクライマックスともいえる「お水取り」が行われます。これは、二月堂の下にある「若狭井(わかさい)」という井戸から、清らかな香水(こうずい)を汲み上げる儀式です。実は、若狭の遠敷(おにゅう)という地域にある神宮寺とつながりがあって、そこで汲み上げられた水が二月堂へ届くという伝説もあるらしいです。

この神聖な水は、本尊の十一面観音に捧げられます。つまり、お松明は「火の浄化」、お水取りは「水の浄化」という役割があるそうです。改めて考えると、1300年も続くこの行事には、深い意味が込められてると感じました。
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「春を告げる炎」

私にとって、お水取りは「春が来る合図」です。母がそう言ってたら間違いなく暖かくなって春が来たって思ってました。母と過ごした日々を思い出しながら、二月堂の夜空を見上げました。またここへ足を運ぼうと思いました。
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たかこ

たかこ

関西在住。40歳から看護師。目指すところは チャーミングな女性。ほっこりしたことや時には50代女性が考えたり感じてるリアルを発信できたらな、と思っています。happyにナチュラルに50代を一緒に楽しみましょう!

Instagram:ehet.m

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