【お付き合いマナーの基本・食事&会食編】おもてなし、食事の席での正しいふるまい方は?

食事のシーンで大事にしたいのは、同席者と心地よい時間を過ごすこと。周囲に目をくばり、臨機応変なふるまいで、交流を深めて。
教えてくれたかた
千 宗屋さん

千 宗屋さん

茶人・武者小路千家家元後嗣

千利休を祖とする武者小路千家第15代家元後嗣。茶事や講演、執筆活動を通して茶道文化を発信する。古美術や現代アートにも造詣が深い。著書に『いつも感じのいい人のたった6つの習慣』(小学館)など。2児の父。

【食事&会食編】日常マナー

場を和ませる思いやりと機転を。懐紙は用意しておくと便利

場を和ませる思いやりと機転を。 懐紙は用意しておくと便利

お茶や食事の席では、思いやりと機転が重要、と千さん。「杓子定規にマナーを実践するのではなく、相手を和ませる臨機応変なふるまいを心がけましょう。お茶の世界では、『客の心になりて亭主せよ。亭主の心になりて客いたせ』という言葉があります。もてなす主人は客の心になって趣向を凝らし、客は主人の心をくんで適切にふるまい、お互いの気持ちや立場を慮ることで、一期一会の豊かな時間が過ごせるという意味です。お客さんを招く側も、招かれる側も、覚えておいてほしい教えです」。

 また、お茶や食事の席でなにかと重宝する懐紙は、バッグにしのばせておきたいアイテム。懐紙入れに入れて持ち運ぶと、取り出すときの所作もスマートに。
 

食べきれないお菓子は懐紙に包んで持ち帰る

食べきれないお菓子は 懐紙に包んで持ち帰る

訪ねたお宅で出された飲み物やお菓子は、残さない。残してしまうと、「口に合わなかった」ことになり、とても失礼にあたる。「心のこもったおもてなしですから、温かいものは温かいうちに、ありがたくいただくのが原則です。どうしても食べられない場合は、懐紙などに包み、相手が席を立ったタイミングでそっとバッグにしまうのが望ましいです」。
 

大皿料理は取り分けず、自分の分をとって次の人へ

大皿料理は取り分けず、 自分の分をとって次の人へ

おもてなしの席で大皿料理が出されたとき、気をきかせるつもりで取り分けるのは、実はマナー違反。「作法として正しいのは、取り回し。『お先に失礼します』と声をかけて、自分の小皿に料理を取り分け、次の人に大皿を回しましょう」。

また、箸を持たない手を受け皿のように添えて口に運ぶ「手皿」も、無作法なふるまいなので気をつけたい。

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