伝説のミューズ 小林麻美“私のおしゃれ人生”【今こそ見つけたい、おしゃれの本質】

久々に復帰を遂げた小林麻美さんは、変わらぬ美しさで私たちの前に現れた。憧れの女性(ひと)が語る過去、現在、そしてこれからのおしゃれとは。彼女の歩みから“好き”を深掘りし、洗練させるヒントを見つけたい。

小林麻美さん Profile

’72年、『初恋のメロディー』で歌⼿デビュー。CM、ドラマ、映画と幅広い分野で活躍し、ニッポン放送『オールナイトニッポン』のパーソナリティも務めた。’84年、『⾬⾳はショパンの調べ』が⼤ヒットとなり、その年の第26回⽇本レコード⼤賞優秀アルバム賞も受賞。’91年、結婚を機に芸能界から引退するが、’16年、マガジンハウス『クウネル』で連載「伝説のおしゃれミューズ」をスタートし復帰を果たす。その後’20年に朝⽇新聞出版より『⼩林⿇美―第⼆幕』が発売。’19年、公益財団法⼈ ⽇本服飾⽂化振興財団の評議員に就任し現在にいたる。

おしゃれの基点は、トラッド。本当に好きな、心惹かれるものを直感で。

小林麻美 ファッション 、2年前に買ったサ ンローランをチョイス。「タイトなシルエ ットなので、細いパンツにハイヒールを 合わせたいかな」。定番のアイテムだか らこそ、今の気分を考えながら着こなす

「トラッド育ちなので紺ブレはマストアイテム。つい買ってしまいます」。数あるコレクションの中から、2年前に買ったサンローランをチョイス。「タイトなシルエットなので、細いパンツにハイヒールを合わせたいかな」。定番のアイテムだからこそ、今の気分を考えながら着こなす

伝説のミューズ 小林麻美“私のおしゃれ人生”【今こそ見つけたい、おしゃれの本質】香港で買った初めて のカルティエ(右)は、今も大切に。最近出番が多いのは、ダ イヤつきのパンテールと、パリで買ったタンクシノワ

ジュエリーはほとんど持っていないけれど、大の時計好きだという麻美さん。お気に入りはカルティエとブレゲ。理由は「自分の好きな服にフィットするから」。香港で買った初めてのカルティエ(右)は、今も大切に。最近出番が多いのは、ダイヤつきのパンテールと、パリで買ったタンクシノワ

伝説のミューズ 小林麻美“私のおしゃれ人生”【今こそ見つけたい、おしゃれの本質】 アクセサリーは、もっぱらピアスとブレス レット。なかでもエルメスのブレスレット は長く愛用しつつ、たびたびコーディネー トに登場。「子供のころから、母が『本物 を身につけなさい』と小さなプラチナのネ ックレスを買ってくれました。その影響な のか、やっぱり"白"が好きですね」

アクセサリーは、もっぱらピアスとブレスレット。なかでもエルメスのブレスレットは長く愛用しつつ、たびたびコーディネートに登場。「子供のころから、母が『本物を身につけなさい』と小さなプラチナのネックレスを買ってくれました。その影響なのか、やっぱり“白”が好きですね」

クロゼットを開けるたび、あぜんとします。

並んでいるのはほとんどがジャケット。

しかも同じような色ばかり。紺、黒、グレー。

あれ、赤がある、と思ったらバッグでした。

時々は派手な色や柄物も着てみるのです。

でも似合わない。結局、好きなものは変わらない。

それは10代のころからずっと、あきれるほどに。

制服のまま、ひとりで銀座の映画館に通い詰める、

そんな中学生でした。

おしゃれもヘアスタイルもフランス映画がお手本。

18歳が終わるころ、当時青山にあったブティックで、

私は、突然イヴ・サンローランに目覚めます。

初めて買ったのは、カーキ色のサファリジャケット。

まるで誂えたように、私の体にぴったりでした。

以来、仕事で得たお金はほぼサンローランに費やし、

その数は200着近くに。

しかし、それほどまで惚れ込んだサンローランは、

長く実家のクロゼットで眠ることになります。

ただの一着も手放したくはない。

だからといって、再び着る機会はないだろう。

結婚を機に芸能の世界から退いた私は、

「田邊稔子(としこ)」として、なにより母としての人生を

懸命に生きていました。

洋服は変わらず好きだったけれど、

息子が小さいときは、着るものにかまっている

余裕などありませんでした。


彼が小学生高学年くらいのころだったか、

意を決してサンローランの店へ行ったとき、

あまりに久しぶりでドキドキしてしまいました。

それくらい、おしゃれとは距離をおいていたのです。


でも私は、自分の人生で母親として過ごした時間が

一番楽しかったと、胸を張っていえます。

大変なこともあったけれど、

お母さんでいられたことが本当に幸せでした。

息子が就職して文字どおり巣立った後、

自分に何ができるだろうか、

これからやりたいことは何だろうか――

そう考えたとき「やっぱり洋服が好き」という思いが

熾火のようにあることに気がつきました。


サンローランの服を『日本服飾文化振興財団』に

寄贈してはというお話をいただいたのは、そのころ。

かけがえのないときをともにした洋服たち。

「私のサンローラン」は、ようやく幸せな

お嫁入りを果たすことができました。


それからほどなく、雑誌『クウネル』の表紙で

仕事に復帰することに。25年ぶりの撮影でした。

私にもできることがあるなら、やらせていただこう。

せっかくいただいたお話なのだから、楽しもう。

おしゃれの好奇心が、

また新しいときを刻みはじめました。

そして気がつけば

70代に足を踏み入れていました。

自分でもびっくりです。

体型も変われば、シワにも抗えず。

鏡の前で、あれ、ちょっと違う?と

ショックを受けることも増えてきました。

前ならなんでもよかった白シャツさえも、

シルエットを選び、着こなしはより慎重に。

それでも、ありのままの自分を受け入れるしかない。

自分の中でベストをつくし、多少の努力もして。

この先も幾度となく壁にはぶつかると思うから。


先日、ふらりと立ち寄ったデパートで、

たまたま見かけた「ザ・ロウ」のジャケットに

惹かれて手にしました。

黒のシングルとグレーのダブル。

着てみたらぴったり。似合ったのです。

当分はこの2着があれば大丈夫。

結局私にとってのおしゃれの本質とは、

自分が「好き」と思えるもの。

ハイブランドでも、ファストファッションでも、

私の「好き」はあります。

直感を信じて、今の自分が心地よくいられる服が

いいなと思うのです。


ただ、理想をいえば、

きれいなワンピースとスーツ、

カシミヤのツインセットとスカートを

一着ずつ、それだけで生きていきたい。

これからは、もっともっとシンプルに。

矛盾するクロゼットを眺めながら、

小さく心に誓う日々です。

合わせて読みたい
Follow Us

エクラプレミアム売れ筋ランキング

  • E by eclat
    大人ベイカーパンツ
    ¥ 17,600
  • New Balance
    MS237HG
    ¥ 10,890
  • E by eclat
    優美なセミワイドパンツ
    ¥ 19,800
  • E by eclat
    脚長ワイドタックパンツ
    ¥ 10,560 (40%OFF)
  • NAGHEDI
    St Barths Medium Tote
    ¥ 53,900
  • itten-itten×eclat
    ラウンドミニウォレット
    ¥ 15,400
  • E by eclat
    【4WAY】取りはずせる襟つきワンピース
    ¥ 13,860 (40%OFF)
  • EMMETI
    FAI NAPPA CERATA
    ¥ 154,000
  • SURT×eclat
    【別注】ハイライズスリットフレアデニムパンツ
    ¥ 31,900
  • E by eclat
    【コラボ】カシミヤ混極上ワイドカットソー
    ¥ 10,560 (40%OFF)
  • E by eclat
    Room no.8 for E by eclat ヘアリーレースVネックニット
    ¥ 26,400
  • E by eclat
    【斉藤くみさんコラボ】裏起毛サイドベルトつきタックパンツ
    ¥ 19,800
  • RED CARD TOKYO
    Pop ベイカーデニム
    ¥ 15,840 (40%OFF)
  • JVAM
    GENOA/ショートブーツ
    ¥ 21,120 (40%OFF)
  • E by eclat
    着丈違いVネックカーディガン
    ¥ 6,160 (65%OFF)
  • E by eclat
    極上のシルク混ボートネックニット
    ¥ 7,480 (60%OFF)
  • E by eclat
    リブニットドッキングワンピース
    ¥ 9,680 (60%OFF)
  • E by eclat
    レース台形スカート
    ¥ 4,180 (80%OFF)
  • E by eclat
    大人チュールカーディガン
    ¥ 18,700
  • GIGI×eclat
    ジュエリーボックス
    ¥ 16,280

What's New

Feature
Ranking
Follow Us