富岡佳子さん50歳に! ナチュラルに進化を続ける彼女が今、抱く思いとは?

'19年春、富岡佳子さんがいよいよ50歳に! 人気モデルとして、母として、ひとりの女性として、ナチュラルに進化を続ける富岡さんが節目の年齢となった今、抱く思いを伺いました。

「もっと豊かに、よりニュートラルに」

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とみおか よしこ●1969年3月28日、大阪府生まれ。19歳でモデルになり、2016年10月号からエクラのカバーモデルに。現在、夫と娘の3人暮らし。

この春、50歳になりました。

19歳で始めたモデルの仕事も32年目に。

まさかここまでモデルを続けているとはそのときの私は想像すらできませんでした。

楽しかったけれど悩みも多かった20代、育児と仕事の両立のために毎日戦っていた30代、自分らしさがわかりはじめた40代。その年代その年代の私が積み重なって今の私があるので、50歳になったからといって突然何かが変わるということはありません。

でも、確かに変化してきたのは、かかわってくださるかたがたや社会を幸せにできる人でありたいという思いが強くなってきたこと。

人生の中でも豊かに実っていける50代。そんな素敵な年代へ、よりニュートラルな心で一歩を踏み出していけそうです。

富岡佳子

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“これからはギブ&ギブ&ギブ!求められることに真摯に応えたい。みんなが喜んでくれることが今、一番うれしい”

これまでは、自分がこうでありたい、自分がこうしたい、という思いが日々の軸だったかもしれません。子育ても一段落し、少し前から気持ちに変化が。近江商人の「三方よし」、のような思いが芽生え、ギブ&テイクではなく、今は無性にギブ&ギブな気持ちです。

“白鳥のように水の下ではバタバタ必死で進む毎日だけれど。これから新しい時代をつくっていきたい”

なんにも努力しないで素敵な人って、実はいないんじゃないかな。優雅に見える白鳥も、実は水面下では一生懸命足を動かして水を掻いているっていいますよね。実は私もまだまだ必死でバタバタ足を動かす日々。でも、そんな努力自体を楽しんで、新しい50代像を表現できればいいなと思っています。

「佳子、恐るべし」―interview by 山田美保子

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'80年代後半から創刊され続けた数多(あまた)の女性誌とともに歩んできたかたなら、もれなく「富岡佳子」という美しき人を知っていることだろう。

年代ごとに、トップモデルとして誌面を飾って三十余年。しかも後半の10年はカバーモデルをやり続けて今にいたる、唯一無二の存在だ。が、私をはじめ、彼女のプロフィールやプライベートを知っている人は驚くほど少なくて。今回は、そのヒミツに迫らせていただきます。

―モデルさんのお仕事って華やかに見えても裏ではとてもシビアな世界とお見受けします。

富岡 そう感じるまでに、私はけっこう年数を費やしたかもしれません。卒業を控えて就職を考えていたとき、友人を通じて、地元に来ていた撮影隊を紹介されて、ふわ~っと参加してしまった。しかも最初にやらせていただいたのが広告タイアップページ。当然、未経験だったし、右も左もわからない私のことをよく使ってくれたなぁと。なんで私だったのか。考えれば考えるほどそこはナゾの部分です。

―街角スナップでも読者モデルでもなく、いきなりタイアップ? そんな素人いませんよ。

富岡 ですよね。最初は1日2日だった撮影期間が、3日になり10日になり、とどんどん増えていったんです。時代としては“バブル崩壊”といわれながらも完全にははじけきっていなかったころ。仕事場ではなにかと派手なことが多かったですね。でも自分ではまだプロのモデルだなんて思っていなかったし、ここまで長く続けるなんて欠片も思っていませんでした。隣の家のおじいさんに自慢して、終わるのだと。そんな私がまさかの30年も! “オマケ”が長すぎますよね(笑)。

―やめようとは一度も思わずに?

富岡 やめようではなく、続けられないと思ったことは何度もありました。20代半ばのころは、結婚したらやめていくような世界だったし、しばらく落ち着いてから復帰できるような雑誌もまだほとんどありませんでした。そもそも自分から求めて入った世界ではなかったからか、自分から大きなことを仕掛けてやろうなどと思ったことはないんです。細かいことでは、ああしたい、こうしたいと思うこともありましたけど、きた仕事をこなすほうが私はうまくいく。モデルは自らは“輪郭”をつくらない、プロにゆだねる仕事だと思うので。
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しかし、モデル・富岡佳子と仕事をした人たちは皆、彼女のことを「プロフェッショナル」と評価している。なかでも富岡さんが目標に掲げる「『éclat』が“立つ”くらいまで続ける」に迫ってみた。

―これ、どういう意味なんですか?

富岡 もっとéclatが盛り上がって、ページ数が増え、テーブルに縦に立てても倒れないぐらい分厚い雑誌になるまでがんばるという意味です(笑)。カバーモデルという存在は、ページを開かないと見られない人とは違う。書店のラックや平積みにされて、文字どおり、その雑誌の“顔”として並んでいる人。たとえ誌面で20ページの特集に出ていたとしても、カバーを飾らせていただくこととはまったく別ものなんです。それは不動のものだから。女の人がその雑誌を「買いたい」と思うのは個人の感性によるもの。やっぱり好感度ってものすごく大事なんですよ。「好きだからまねしたい」っていう心理は私も理解できます。ドラマのヒロインの“ファッション版”と思えばわかりやすいですよね。
そこでは“ハッピー感”がとても大切な要素になると思うし、読者のかたにスッと手にとっていただけるように、こちらはクリアな状態でいようと思う。嘘のない生活をしたいと思うんです。そういう工夫は日々……、やっています……。それがちょっと、しんどい(笑)。

―そう、そういうことを聞きたかった!

富岡 例えば今日の撮影も、急に背中を見せることになったんです。そんなとき自分でも慌てたくはないし、読者の皆さんはもちろん、撮影スタッフをがっかりさせたくないから、日々の自己管理はやっているつもりです。カバーモデルって、見た目だけではなく、内面までが関係してくる存在だと思っているんです。表紙って、絶対にワンショットだし、ワンポーズだし、本当に“その瞬間”しかないから、そこがにごらないようにしています。地獄ですよ、やるほうは。モデルという仕事の中で、それが一番しんどいことかもしれない。でも、簡単なことでもあるんです。「体型、変わらないね」といわれ続ける背景には責任感があるから。それだからやれるんですよ。

―でも、そういう努力やプロセスを富岡さんは決してお見せにならない。そこにはプロというだけでなく強ささえ感じてしまいます。

富岡 インスタとかでスッピンを公開したり、腹筋を見せたり……、確かに、そういうのはやってませんね。近年は、モデルという存在があいまいなものになっていて、タレントさんとモデルの境目がなかったり、昔のように、女優になる通過点にモデルがあるようなこともない。プライベートを見せることがステップアップするための戦略のひとつになっていることは理解できますけれど、私はタレントとモデルは違うと線引きしている古いタイプ。表紙をやらせていただくかぎり、8割は好きでいてもらわないと困るから、その水準を保てないなら、プライベートを見せるというのは、私にとっては必要ないことでした。

―それでも知りたい「富岡佳子の一日」(笑)。

富岡 早起きです。ロケがなくても、6時には起床。わが家は東向きで朝日が真っ先に入ってくるので、自然光を浴びたり換気をすることからスタートします。今は娘の大学受験が終わって、高校の卒業式もすんで、ひと区切りついたところ。子供の生活に合わせていたことも多かったと思います。 

娘は小学校から高校まで皆勤賞で、卒業式のときは私も髪をカットして、アルマーニのインナーにジュン アシダのスーツを着てミキモトのパールをつけて……。やっぱりこういうときのコンサバって最強ですし、自分でも落ち着きますね。最後に写真館で家族3人で記念撮影をしました。 

夫は昔は冷凍餃子さえ黒焦げにしてしまう、料理はまったくできない人でしたけれど、今では料理の腕前がアップしているだけでなく、娘とともに、私の仕事に協力的です。今年で結婚20年。長い年月をかけて私の仕事を徐々に理解し、認めてくれるようになりました。例えば私が夫よりも服をたくさん買うときにも、そういうことが私の仕事につながっているんだということを今はわかってくれています。
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―多くのファンのかたが聞きたいであろう、スタイル維持の方法を教えていただけますか?

富岡 大量の汗をかくというよりも、軽く汗をかくことの回数を重ねています。以前はウォーキングなどしていたんですが、今はジムに入って週に5日ぐらい……。でも、マシンで走っていても「400キロカロリー?」「ケーキ1個分?」「ごはん1杯分?」と悲しくなるので(笑)、それを5日続けたら、1日分のカロリーを消費したなという計算です。「こっちは死活問題だから」といつもいうんですけど、モデルはそういう仕事。自慢にもなんにもならない話ですよ。私は見た目からクールなイメージって思われていますよね? でも関西人だからでしょうか。流行(はや)りだといわれることにはまず疑問をもってしまうようなところがあるのかなと思います。世間のかたが描いてくださっているようなイメージとは異なる部分も多い。“業界のギャップ”ベスト3に入るっていわれるぐらいです。 

ニュースも、もっと詳しく知りたいと思ったり、その背景や奥にあるものを聞いたり見たりしたいとも思っているところです。今はネットで検索すれば、ある程度、先のことが見えてしまう。今の子供たちは夢の限界がわかってしまっているようなところもあると思います。自分は好きなことを仕事にできたからこそ、心に余裕をもてているぶん、社会で何か役に立てたらいいなと。まだどこから手をつけていいのかもわかっていないのですが……。 

仕事を始めて三十余年。女性が働く状況や取り巻く環境もあまり変わっていませんし、その中に“エイジハラスメント”のようなことがあるのも知っています。女性特有の「若く見られたい」という思いをモデルという存在が助長しているようだったらイヤだなと。「奇跡の50歳」とかいう人がいますけれど、私は一度も「若いでしょ?」とか「何歳に見えたい」とかいったことはないんです。「若く見える」といわれても、10歳も若く見えているわけではない。2~3歳のことなんです。そこに縛られる必要はないし、特に若い女性たちが悩んでいたり気になっているいろいろなものを削ぎ落としてあげたいという思いがあります。ひと言でいうなら、富岡佳子に華やかさはないです。地味ですよ。今はとにかく『éclat』が立つくらいまで盛り上げたいと思っているし、部数もwebも動いてきているのがわかるので、やり続けます。
実は1時間20分のインタビュー中、彼女は3度、涙を流した。それぐらいの経験をして、今の彼女がいるということ。そこにとてつもない強さを感じた。やはり、佳子、恐るべしなのだ。
やまだ みほこ●放送作家。『踊る!さんま御殿!!』をはじめ人気番組に携わる。多くの女性誌、週刊誌などに連載コラムをもち、独自の視点が人気。

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