<あと10年でできるお金の対策>まずは10年後にお金がいくら必要かを考えてみよう!

年金だけでは老後暮らせない。その事実、“2000万円問題”が話題になる前から、実はみんなうすうす気づいていたのでは? お金の専門家いわく、老後資金を考えるにあたって大切なのは“自分に必要なのはいくらか”ということ。その根拠と、定年後の必要総額の算出方法をファイナンシャルプランナー、社会保険労務士の井戸美枝さんに教えてもらいました。
教えてくれたのは…
ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士 井戸美枝さん

ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士 井戸美枝さん

わかりやすい解説でメディアで活躍。著書に『100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!』(集英社)、『5年後ではもう遅い! 45歳からのお金を作るコツ』(ビジネス社)など。

まずは10年後にお金がいくら必要かを考えてみよう!

平均額に惑わされず、“自分の場合”で考えて

10年後にお金がいくら必要か考える
この6月、世間を大いににぎわせた「老後資金2000万円」問題。金融庁の試算によると、夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯の場合、年金などの収入から生活費を差し引くと毎月5万円の赤字が生じ、今後30年生きるとなると、赤字額は、5万円×12カ月×30年=1800万円。つまり、自分たちで2000万円程度用意しないといけないことが判明。多くの人を不安に陥らせることに。特にリタイヤまであと10年前後というエクラ世代にとっては、問題は深刻。ある程度メドが立っていればともかく、かなり不足しているとしても、あと10年ほどでなんとかしなくてはいけないわけで……。いったい今、私たちは何をすべき? どんな対策をとればいい?
老後資金2000万円
「定年がそろそろ視野に入ってきた今、こんな話を耳にすれば、確かに不安になりますよね。でも、むやみに不安がることはありません。大事なのは、“自分にとって足りない額”を用意することですから」と、老後資金や年金に詳しい井戸美枝さん。

確かに、政府が発表した数字は、モデルケースにおける平均値。会社員か自営業かで受け取れる年金予定額も異なれば、居住地域や家族構成によって生活費も変わってくるし、退職金の有無や持ち家か否か、親から引き継げる遺産があるかどうかなども大きく影響するはず。

「だからこそ、まずは自分たちの定年後の年間支出予想額と収入額を把握すること。支出から収入を引き、夫の定年時の余命年数(厚労省の簡易生命表の概況で調べられる。平成30年調査だと、60歳男性の平均余命は約24年)をかけ、それに、医療や介護への備えと、旅行や住宅リフォーム、子供の結婚費用といったイベント費を加えれば、老後資金の目安が出ます」
つみたてNISAなどの制度を利用してお金を殖やす
実際に試算してみよう。まずは、年間支出予想額の計算から。現在、毎月かかっている食費や住居費、光熱費、生命保険料、教育費、交際費、雑費などの概算を出し、それに12をかけて1年分の支出を算出。定年後は、会社関係の交際費や厚生年金保険料、教育費などが不要になるはずなので、算出した数字の7割で見ておけば大丈夫。

「医療や介護への備えは予測しづらいですが、公的なものをベースに考えるなら、ひとり当たり800万円みておけばよいと思います。それをベースに、有料老人ホームなどに入りたいなら入居一時金としてプラス○千万円など、カスタマイズを」イベント費も同様に、自分たちのライフスタイルや希望に沿って、想定金額を出してみること。

「定年後の収入ですが、真っ先に思い浮かぶのは年金でしょう。いくらもらえるかは、50歳以上の人なら、毎年誕生月に届く『ねんきん定期便』に記載されている見込額でわかります(50歳未満でも、ねんきんネットで見込額の試算が可能)。もっとも、社会保険料などを引かれる場合がありますから、額面の9割で見積もっておくのが安心。ほかに収入が見込めるならそれもプラスしてください」

定年後の必要総額の簡易試算公式(夫婦の場合)

定年後の必要総額の簡易試算公式(夫婦の場合)
夫が先に亡くなった場合を考え、上記に加え、定年後生活費の7割を、5年(男女の平均余命の差)±夫婦の年齢差の年数分だけ用意しておくと安心。
こうして算出した数字を上記の公式に当てはめれば、定年後の必要総額が求められる。この金額が、退職金の見込額と預貯金など金融資産の合計額より上回っているなら、オーバー分を、今から作ればOK。

「定年まであと10年あるのですから、年金を上乗せするとか、つみたてNISAなどの制度を利用してお金を殖やすなど、いくらでも手は打てますよ。とはいえ、老後まで20年、30年ある世代とは、対策が少々異なります。また、年金をはじめ社会保障が手厚く、退職金も見込める公務員や会社員なのか、それとも、年金受給額が少なく、退職金も出ない自営業なのかなど、働き方によっても変わってきます」

属性別の最善策を含め、具体的な対策は、今後随時紹介していきます!

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