パリで学んだ「パンツスタイル」のこだわり【雨宮塔子のファッションスタイル】

30代、40代を過ごしたパリの街で再び新しい暮らしを始めた、雨宮塔子さん。気負ったり迷ったりしていた時代は過ぎ、静かな笑顔が似合う大人の女性になっている。そんな彼女にファッションへのこだわりや、これからの生き方について聞いた。
●雨宮塔子(あめみや とうこ)
フリーキャスター/エッセイスト。’70年、東京都生まれ。成城大学文芸学部英文学科卒業。’93年、TBSに入社。バラエティ番組のアシスタントを務めるほか、情報番組やスポーツ番組、ラジオ番組などでも活躍。’99年、6年間のアナウンサー生活を経てTBSを退社。単身、フランス・パリに渡り、フランス語、西洋美術史を学ぶ。’16年7月から’19年5月まで『NEWS23』(TBS)のキャスターを務め、同年9月、拠点をパリに戻す。『雨宮塔子のパリ通信』(ノート from TBS)を連載中。

シンプルなアイテムほど、シルエットが大事。あとは、バランスにこだわります

シンプルなアイテムほどシルエットが大事
パリで学んだのは、パンツスタイルへのこだわり。「試着したら必ず、後ろ姿をチェックします。ありのままの自分を、いかにかっこよく見せるか。その工夫と情熱は、フランスで覚えました」。ネイビーのローファーが、白を中心としたスタイリングのさりげないさし色に。

カットソー¥15,000・パンツ¥33,000・ベルト¥13,000/ユナイテッドアローズ青山 ウィメンズストア(ロエフ) ピアス(片耳)¥34,000・バングル¥58,000/ブランイリス伊勢丹新宿店(ブランイリス) 靴¥100,000/ジェイエムウエストン 青山店(ジェイエムウエストン)

「私が着ていて落ち着くのは、 モノトーン、そしてシンプルな装い」

雨宮塔子さんは今、パリで暮らしている。’16年から日本の報道番組でメインキャスターを務めていたが、’19年初夏に卒業。その後しばらく日本で過ごし、パリでの暮らしに戻ったのだ。

「報道の仕事は本当にやりがいがありましたし、毎日が充実していました。以前、パリでテロが身近に起きて、私なりの意見を中継でお伝えすることもありましたけど、週5日、毎日の放送で伝える立場になるのはやはり覚悟が必要でしたし、より冷静に客観的にと、視点も変わりました。また、何度かスタジオを飛び出して現場取材することもあったのですが、それが本当に楽しかった。もともと、話を聞くのが好きなんです。言葉だけじゃなく、表情から多くのものが伝わってきますし、どんどん心を開いてくださるかたもいる。もっと現場に出たかったなと改めて思います」

女らしさは、誰かのためじゃなく、自分のために

アナウンサーとして活躍ののち、28歳で単身パリ暮らしをスタート。そのままパリで結婚して出産して子育てして、40代半ばに離婚。ふたりの子供と新しい生活に飛び込んだ。今、ワードローブに並ぶのは、そんな彼女だからこそ、似合う服。さまざまな局面の中で自分らしくいられる服、どんなときも味方になってくれる服が、今の彼女の定番だ。
 
シンプルなシルエット、シャープなデザイン、良質の素材。服を選ぶセンスとものを見る目は、30代から40代を過ごしたパリの街、そこに住む人々から学んだことも多かった。

「昔から、オーソドックスなアイテムが好きなんです。ジャケットも、そのまま着ると堅い印象ですけれど、デニムを合わせたり、どこかくずして着るのがマイルール、といいますか」

色は、黒。あるいはモノトーン。「そういえば、パリの友人と女子会を開くと、なぜかみんな黒い服ばかり。でも黒髪の私は、服も黒だと重くなりがちなので、袖をまくって肌を少し見せたり、髪を上げたり、アクセサリーで抜け感を出して、軽さを出すようにしています。ワントーンでまとめるときは、グレージュやベージュが多いのですが、たまには鮮やかなブルーとか」

そして足もとは、「スニーカーかヒールの高いパンプス、どちらかですね、両極端です。元気に歩きたいときはスニーカーでガンガン歩きますし、夜の食事とか、ちょっとがんばりたいときはピンヒールです」

媚びず甘えず、自分らしく。なにより忘れたくないのが、女らしさだという。「男性を意識して、ということではないんです。そういうのはあまり好きじゃなくて(笑)。自分が女であることを楽しみたいときに、自分の女度を上げてみる。自分のための、女らしさなんです」

自分らしく、ミニマムに、パリでの新しい暮らしが始まる

そして、これから。パリに新居を探し、あれこれインテリアを考えながら、新しい暮らしが始まろうとしている。

「ものは極力減らして、でもクールになりすぎない、居心地のいい空間にしたいですね。子供たちがこれからバカロレア(大学入試資格証明)試験の大事な時期なので、パリにしっかり根を下ろさないと。そしてこの先の仕事のことは、さあ、どうなりますか(笑)」

パリを拠点にこれからもきっと、彼女はさまざまな発信を続けてくれるはず。「何をするにせよ、自分の意見をきちんといえる人間でありたいですね。ハリウッドでセクハラが問題になったとき、カトリーヌ・ドヌーヴが“男性にも女性を口説く権利はあるわ”って、あえて世間の風潮に逆らう意見を公表したんです。発言の内容ではなく、その態度がかっこいいな、と思いました。みんながみんな、右へならえではなく、そんな状況でも自分の意見がブレない人でありたいです」
  • アラウンド50の憧れ!「雨宮塔子のファッションスタイル」まとめ

    アラウンド50の憧れ!「雨宮塔子のファッションスタイル」まとめ

    多忙な日々を送りながら、そのたたずまいはいつもきりっとシャープ、それでいてエレガント。気負ったり迷ったり、そんな時代はいつのまにか過ぎて、静かな笑顔が似合う大人の女性になっている。何を選んで、何を着て、ここにたどりついたのだろう? 再びパリで暮らしはじめた彼女に、たずねてみた。

Follow Us

エクラプレミアム売れ筋ランキング

  • E by eclat
    フレンチスリーブTシャツ
    ¥ 8,800
  • mtmodelist×eclat
    【別注】リネン混カーディガン
    ¥ 19,800
  • ne Quittez pas
    エンブロイダリーワンピース
    ¥ 33,000
  • E by eclat
    【前後2WAY】レース切り替えフレンチスリーブT
    ¥ 12,100
  • ADAWAS×eclat
    切り替えギャザープルオーバー
    ¥ 10,560 (60%OFF)
  • E by eclat
    【とろみ】コクーンブラウス
    ¥ 10,890
  • E by eclat
    【とろみ】Vネックブラウス
    ¥ 12,100
  • E by eclat
    【前後2WAY】シルク混ニットカーディガン
    ¥ 18,150
  • SLOANE×eclat
    【別注】接触冷感ワンピース
    ¥ 16,500
  • ARGIET
    シアーニットプルオーバー
    ¥ 26,400
  • SLOANE×eclat
    【宮崎桃代さん別注】ショルダータックワンピース
    ¥ 22,000
  • E by eclat
    【とろみ】華奢見えノースリーブ
    ¥ 12,100
  • E by eclat
    高機能ドライタッチタックパンツ
    ¥ 17,600
  • ADAWAS×eclat
    【別注】切り替えギャザープルオーバー
    ¥ 20,900
  • Diminutivo×eclat
    【宮崎桃代さん別注】オアハカントート
    ¥ 12,100
  • DRESS HERSELF
    シルク混ブラウス
    ¥ 25,300
  • Speedo
    セットアップスイムウエア
    ¥ 25,300
  • CINOH×eclat
    【宮崎桃代さん別注】コンパクトTシャツ
    ¥ 15,400
  • E by eclat
    クルーネック半袖カーディガン
    ¥ 17,600
  • E by eclat
    ギャザー袖ラメカーディガン
    ¥ 17,600

What's New

  • 【人気ファッションエディター三尋木奈保さんに質問!】50代が夏のワンツーコーデをあか抜けさせるには?

    本誌副編S川が、アラフィーのおしゃれを熟知しているエクラ関係者にぐいぐい(?)迫って、素敵な着こなしを勝手に分析します!

    ファッションTOPICS

    2025年7月1日

  • 時に強すぎてしまう黒をドレープでまろやかに

    ダークな一面をもつ黒を夏にまとうなら、素材やディテールで柔らかさをもたせて軽やかに。夏らしい凹凸(おうとつ)のあるシボが涼しげなクレープ素材、ウエスト部をツイストしたドレープのディテール……エフォートレスかつ凛としたたたずまいの中に、大人の余裕が香りたつ。

    ファッションTOPICS

    2025年6月30日

  • 【ニットの洗い方】洗濯方法から干し方まで詳しく解説!

    お気に入りのニットを長く楽しむためには、やさしく丁寧なお手入れが大切。特にニット素材は、洗濯機よりも手洗いが断然おすすめ!今回は、今大人気のニットカーディガンを実際に手洗いしながら、洗い方から干し方、シワのケアまで詳しくご紹介します。

    ファッションTOPICS

    2025年6月30日

  • 日本古来の炭染め。黒のグラデーションに豊かな感性を託して

    漆黒、炭黒……日本の黒には多彩なトーンがある。古くから伝わる木炭による染めを手作業で施し、一点一点異なるグラデーションに仕上げた一着。そういった継承されてきた手仕事へのリスペクトや微差を見極める目をもっていたいし、そこにこだわる豊かさを大切にしたい。

    ファッションTOPICS

    2025年6月29日

  • 甘めの色を洗練に導く黒の引き上げ力

    春から継続して人気の高いペールトーン。甘めのカラーパレットを夏に楽しむなら、黒と合わせると、ぐっと引き締まりモダンに。黒一色での端正な表現とはひと味違う広がりのある表情が生まれる。黒という色の補い高める力を活用したい。

    ファッションTOPICS

    2025年6月28日

Feature
Ranking
Follow Us