今後ますます家が余る!? 今知っておきたいこと【どうする?親の“負”動産】

資産価値のある不動産ではなく、お荷物にしかならない負の不動産=“負動産”。相続・不動産コンサルタントの藤戸さん曰く、この言葉が広まってきたのはここ数年とのこと。数十年前までは、実家が土地持ち・家持ちなら安心とされていたのに、いったい何が起こってしまったのか? まずは負動産が増えている背景をチェックして。
教えてくれたのは…
相続・不動産コンサルタント 藤戸康雄さん

相続・不動産コンサルタント 藤戸康雄さん

ふじと やすお●’61年、大阪府生まれ。25年以上にわたって不動産金融・法務に従事し、妻の実家の相続問題を機に独立。『「負動産」時代の危ない実家相続 知らないと大損する38のポイント』(時事通信社)の著書があるなど、実家相続のスペシャリスト。

住宅数増加と世帯数減少で、今後ますます家が余る!?

読者の親は70代以上が大半。ということは、約9割が持ち家があることに。

「現在の70代〜80代は、マイホームを手に入れるため必死に働いてきた世代。家は価値ある資産という意識が強いだろうと思います。けれど実際は、維持費などで出費ばかりがかさんだり、使い道がなく空き家状態に陥ったりと、子世代のお荷物になってしまう“負動産”が増えているのです」と、相続物件をはじめ不動産事情に詳しい藤戸康雄さん。

「しかも、子世代である40代〜50代の持ち家率も非常に高いので、親の死後、子供が自分の家を引き払って実家に移るというケースは少ないのではないでしょうか。となると、親が所有していた家は不要になってしまいます。その家を売ったり、貸したりできればいいのですが、それはむずかしい。なぜなら、空き家率の上昇からもわかるように、全国的に家が余っているからです」
住宅数増加と世帯数減少で家が余る
野村総合研究所の調査によると、全国の空き家率は’18年実績が13.6%、’33年は27.3%と予想されている。つまり、4軒に1軒は空き家という厳し~い現実が待っているというわけだ。

その背景にあるのは、総住宅数の増加と世帯数の減少。総務省のデータでは、総住宅数は1988年から2018年まで一貫して増えており、’13年から’18年だけでも179万戸も増えているとか。一方総世帯数は、’23年の5419万世帯をピークに減少に転じ、’40年には5076万世帯にまで減るとの予想に(国立社会保障・人口問題研究所’18年調べ)。

「世帯数が増えるのは、進学や就職を機に実家を出るなど、若者が独立して居を構えるから。けれど、少子化で将来世帯数が減るのは明白。結果、必要とされる家の数は確実に減ります。日本はすでに住宅過剰社会に突入しているのです」

供給過多になれば、“生き残れる”のは価値の高い家のみ。親の家にその価値があるかどうかが気になるところ。次回以降の記事で詳しく見ていく。

【世帯主の年齢別持ち家率】

世帯主の年齢別持ち家率
(総務省統計局 2018年発表「家計調査結果」をもとに作成)
持ち家率は、家族構成がほぼ固まる&拠点が定まりはじめる30代からぐっと増加。40代~50代の読者世代で7割以上、親世代にあたる70代以上は9割以上が自分の家をもっていることに。親の家が負動産化しやすいのも納得!?
  • 数値で見る「不動産の現状」とは【どうする?親の“負”動産】

    「ひとり親が住むには広すぎる家を処分したいけれど売れない」「相続した実家が買い手も借り手もつかず、空き家状態に」「親が所有するリゾートマンション、長らく使っていないのに固定資産税や管理費を年間何十万円も払い続けている」。エクラ世代を悩ませる親の家、それはもう“資産価値ある不動産”ではなく、お荷物にしかならない負の資産=“負動産”! まずは日本の不動産の現状を数値データでご紹介。

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