一生に一度は味わいたい リッツ パリの「新しい伝説」五選

2017年9月6日
1898年の創業以来数々の伝説を積み重ねてきたパリを代表するホテル「リッツ パリ」。eclat10月号では、大改装を経て再び開かれた扉の内側を弧野扶美子さんと一緒に訪ねました。

1/5

2/5

3/5

4/5

5/5

高級宝飾店が軒を連ねるヴァンドーム広場でも、ひときわ輝きを放つ「リッツ」のファサード。一歩足を踏み入れれば、ヒールをすっぽりと包み込むような毛足の長い深紅の絨毯と、優美なロゴマークが刻まれた艶やかな大理石が夢の世界へと誘(いざな)ってくれる。
創業者セザール・リッツの名前がついたプレステージスイート。窓からはヴァンドーム広場のシンボルの塔が望める。
メインダイニングの内装もハチミツ色の光に包まれるような華やかさ。
季節によって変わる、ほのかに香りづけしたミルクとマドレーヌ。2つの風味とお茶とのマリアージュを楽しむ。食器はリモージュの名窯「アヴィランド」がこのサロンのために製作。
ワインのデギュスタシオンのように最初にお茶の香りをかがせてくれるサービス。この日はシェフが大好きだという玄米茶をチョイス。「私たち日本人にとっては薄いと感じるいれ方なのですが、繊細なお菓子とうまくバランスが取れているのが発見でした」

歴史が育んだハーモニーが宿る、新生「リッツ」

ココ・シャネル、ヘミングウェイ、オードリー・ヘプバーン、マリア・カラス……。彼らが我が家のように愛おしんだ「リッツ・パリ」。アメリカの雑誌ランキングで世界一になるほどの名声を誇ったこのホテルが、2012年から完全にクローズして大改装に踏み切り、なんと4年という長い工事の末に新たなスタートを切りました。訪れるとまず絨毯の色あいや色彩のコントラストの艶やかさが新鮮に目に映り、歴史的建築そのもの、そして客室の豪華さにもより磨きがかかった新生「リッツ」を実感します。新しいホテルではよく、いくら豪華な物でもそこにまだなじんでいないと感じることがありますが、調度品などは昔からのものを引き継ぎ、ひとつひとつ綺麗に修繕して蘇らせたのだそうで、空間と調度品のマリアージュとでもいえるでしょうか、ここには時間をかけて育まれたハーモニーがあるのを感じます。また創業者、セザール・リッツが偉大なる料理人、オーギュスト・エスコフィエと築いた美食を享受するホテルという伝統も健在。故・ダイアナ妃の最後の晩餐の場となったメインダイニング「エスパドン」は改装によってさらに光輝に満ち、超一流のサービスとともにリッチなガストロノミーが楽しめます。

フレンチスタイルのアフタヌーンティー誕生

今回特に紹介したいのは「サロン・プルースト」。「リッツ」ゆかりの文豪の名がついた新しいアフタヌーンティー空間です。パリのホテルのアフタヌーンティーのほとんどは英国風の内容ですが、こちらでは“フランス流”を謳っていて、バラエティ豊かな焼き菓子と選び抜かれたお茶で、他では味わえないオリジナルなアフタヌーンティーが楽しめます。嗅覚が記憶を呼び覚ます意味の常套句「プルーストのマドレーヌ」にちなみ、このサロンでは特にマドレーヌがテーマ。プルーストのもともとのお話では、紅茶とマドレーヌが一緒に口に入った時の香りが描かれていますが、ここでは小さなマドレーヌに柑橘やスパイスの香りづけしたミルクが注がれます。単純に紅茶にマドレーヌをひたすのではなく、ミルクを媒介にして風味のマリアージュを楽しむ。子供のころの味覚の思い出が香りの思考を一瞬にして広げてくれるといった感覚です。そしてシガール、ビスキュイ、タルト・オ・シュクルなどはごくおなじみの焼き菓子のようでいて、口の中ではらりとくずれるようなはかないまでのテクスチャーや思いがけない香りにハッとさせられる。甘さを控えた上品さというのはもう珍しくなくて、それを数段上回るスイーツの繊細さを感じる極上のサロンなのです。

一緒に訪ねたのは・・・

この ふみこ●東京生まれ。’93年に渡仏。パリの三ツ星『アルページュ』でスーシェフを務めたのち、出張料理人として世界的に脚光を浴びる。エグゼクティヴシェフなどを経て、現在はパリのレストランや機内食のメニューをプロデュース。

What's New新着記事

Recommendおすすめ記事

FEATURE
ランキング