2012年、36歳で乳がんになったときの回想録を書いています。
告知後、職場や家族にどう伝える?【乳がん回想録2】
“治療と仕事の両立”という概念があまりなかった時代に、1人で伝え方に困っていた・・・
前回までの回想録はこちらをお読みください。
2012年、36歳で乳がんになったときの回想録を書いています。
2012年、36歳で乳がんになったときの回想録を書いています。
乳がんの告知を受けたあと——
誰に、どのように伝えればいいのか、まったく分からなかった。
伝えるべき相手は、家族、職場の上司、そして一緒に働く同僚たち。友人への報告は後回しにできても、この3つは早めに伝えなければならない相手だった。
けれど、ここでひとつ困ったことがあった。治療のスケジュールや副作用の程度が、まだはっきりしていなかったのだ。
手術の日程は決まっていたけれど、その後に続く「抗がん剤治療」の副作用は未知。どの程度働けるのか——自分でも分からない。
そんな不確かな状態のまま、
「がんです」「治療が始まります」と報告するしかなかった。
言われた方も、きっと戸惑うと思う。
誰に、どのように伝えればいいのか、まったく分からなかった。
伝えるべき相手は、家族、職場の上司、そして一緒に働く同僚たち。友人への報告は後回しにできても、この3つは早めに伝えなければならない相手だった。
けれど、ここでひとつ困ったことがあった。治療のスケジュールや副作用の程度が、まだはっきりしていなかったのだ。
手術の日程は決まっていたけれど、その後に続く「抗がん剤治療」の副作用は未知。どの程度働けるのか——自分でも分からない。
そんな不確かな状態のまま、
「がんです」「治療が始まります」と報告するしかなかった。
言われた方も、きっと戸惑うと思う。
当時の私は、独身で一人っ子。
最初に伝えるべき相手は、やはり両親だった。
そのとき、父は仕事で遠く離れた場所にいた。たしか名古屋だったと思う。だから、まずは母へだけ報告しようと思っていた。
13年という月日が経った今では、細かな会話の内容は思い出せないが、私は「お父さんには、帰ってきてからでいいから」と言ったけれど、母はすぐに父に電話をかけ、結局、その日のうちに帰ってきた。
大げさにしないで、と反発心もあったが、やっぱり「味方」が近くにいてくれるというのは、こんなにも心強いものなのだとも実感した。
どんな言葉をかけてもらったかは、もう覚えていない。「一緒にいる」という、その事実が支えになっていた。
最初に伝えるべき相手は、やはり両親だった。
そのとき、父は仕事で遠く離れた場所にいた。たしか名古屋だったと思う。だから、まずは母へだけ報告しようと思っていた。
13年という月日が経った今では、細かな会話の内容は思い出せないが、私は「お父さんには、帰ってきてからでいいから」と言ったけれど、母はすぐに父に電話をかけ、結局、その日のうちに帰ってきた。
大げさにしないで、と反発心もあったが、やっぱり「味方」が近くにいてくれるというのは、こんなにも心強いものなのだとも実感した。
どんな言葉をかけてもらったかは、もう覚えていない。「一緒にいる」という、その事実が支えになっていた。
職場へ伝える難しさ
家族に続いて、次に伝えたのは職場だった。いきなり上長ではなく、まずは女性の同僚に相談することにした。
私が勤めていたのは大学で、キャリアカウンセラーとして働き始めてまだ2年ほど。私のような専門職以外の職員も同じ資格を持つ方が多く、慌てず傾聴してくれるだろうな、という安心感があった。
驚いていたと思うけれど、やはりとても落ち着いて受け止めてくれた。「そっか」と、感情的になることなく、理知的に、でもあたたかく話を聞いてくれた。
私が勤めていたのは大学で、キャリアカウンセラーとして働き始めてまだ2年ほど。私のような専門職以外の職員も同じ資格を持つ方が多く、慌てず傾聴してくれるだろうな、という安心感があった。
驚いていたと思うけれど、やはりとても落ち着いて受け止めてくれた。「そっか」と、感情的になることなく、理知的に、でもあたたかく話を聞いてくれた。
しかしここからは苦戦した。上長への報告、相談だ。
この先、実はとても苦労した。——
詳細を書くことはできないけれど、本当に、本当に大変だった。
治療への不安だけでも心がいっぱいなのに、「組織との交渉」という重荷までのしかかってきた。
病気と向き合うことと、働くこと。
その両立に「理解を求めること」は、想像以上に難しいという現実に、私は直面することになった。
——でも。
この経験があったからこそ、私はキャリアカウンセラーとして、
そしてキャンサーサバイバーとして、「治療と仕事の両立支援」に関わっていこうと決めたのだった。
この先、実はとても苦労した。——
詳細を書くことはできないけれど、本当に、本当に大変だった。
治療への不安だけでも心がいっぱいなのに、「組織との交渉」という重荷までのしかかってきた。
病気と向き合うことと、働くこと。
その両立に「理解を求めること」は、想像以上に難しいという現実に、私は直面することになった。
——でも。
この経験があったからこそ、私はキャリアカウンセラーとして、
そしてキャンサーサバイバーとして、「治療と仕事の両立支援」に関わっていこうと決めたのだった。
キャリゆか
埼玉県在住。2回のがん経験を経て「ムリはしないけど、やるときゃやる!」をモットーに、日々を楽しみながら自由に挑戦中。趣味は街歩きと読書。日々のささやかな幸せや気付きをお届けします。
Instagram:kawagoe_kakan
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