親はまだ元気だけど…今からできることってある? あなたの不安に専門家がお答え!【50代のお悩み】

年老いた親、ひとりになった親etc...人の数だけ事情があり、親のケアの仕方も人それぞれ。アンケートで多かった、読者が気になっていることに専門家の太田差惠子さんがズバッと解答。今、やっておくべきこと、知っておくべきことはこれ!
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Chutima Chaochaiya/Shutterstock.com

Q6 介護の費用は誰が払うものなのでしょうか? 親の年金額や貯金額も知らないので不安です。

A 親の資金から払うのが原則です。せめて親の年金くらいは知っておきましょう。

介護の目的は子供のためではなく、親の自立した生活を応援することです。ですからそこにかかる費用に親本人のお金をあてるのはあたりまえのこと。そのためには、親がどのくらい貯金をもっていて、年金額がいくらかを知っておく必要があります。仕事をしながら母親とふたり暮らしをしていた40代のある女性の話ですが、母親は日ごろから「私に何かあったら近くにあるあの施設に入るから、あなたは仕事をがんばってね」といっていました。ところがいざというときに入居について調べてみたところ、母親の年金ではその施設には入れないことが判明。親のお金に無頓着だったことを女性はとても悔やんでいました。金額によって選べる施設やサービスが変わるなど、残念ながら介護にはお金しだいという側面もあります。せめて親の年金の額くらいは知っておきましょう。

Q7 親の介護にはいくらかかるのでしょうか?

A いくらかかるのかではなく“いくらかけるか”です。

多くの人が介護にどのくらいの金額がかかるか不安を感じています。でも、どういうサービスを利用してどういう介護をするかは、数ある選択肢の中からそれぞれが選ぶことになります。入院したときに個室にするか6人部屋にするか、遠距離で通うときにどういう交通手段をとるかによっても、その金額は違ってきます。ですから「いくらかかるか」ではなく「いくらかけるか」、もしくは「いくらかけられるか」。親の収入源が年金であれば、その中から介護にいくらかけられるかを検討し、その範囲内での介護を試みましょう。

Q8 介護保険で受けられるサービスにはどんなものがありますか?

A 在宅で受けるサービス、施設で受けるサービス、さらにその中間的なサービスも。

大きく分けると左の表のように分けられます。介護が必要になったとき、まず地域包括支援センターで専門家を紹介してもらい、ケアプランを立ててもらいますが、親が元気なうちにあらかじめこうした知識を得て、シミュレーションしておけば、いざというときに慌てなくてすみます。
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Q9 遠距離で介護が必要になった場合、子供の役割はなんですか?

A “司令塔”です。丸投げとマネジメントは異なります。

「通って入浴や食事トイレをサポートすること」と考えている人もいるかもしれませんが、遠距離の場合、親の家に長期滞在しないかぎりはむずかしく、介護の主体となるのは介護サービスとなります。でもサービスに丸投げするということではありません。司令塔となってケアマネジャーや医師と相談し、サービスや治療方法を決定するのが子の役割です。

Q10 施設介護を選びたいけれど、どんな施設があって、料金の相場はどれくらい?

A 福祉目的の高齢者施設には4つの種類があります。

ひと口に高齢者施設といっても、その内容はさまざま。営利を目的にしたところと福祉(非営利)を目的としたところがあり、福祉を目的にした高齢者施設は、左の4つに大別できます。施設によっては入居者の前年度の所得に応じて料金が軽減される制度もあり、国民年金で暮らす親でも払える額のところもあります。「収入が少ないから施設は無理」と思い込まず、地域包括支援センターなどで相談してみてください。
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