家庭内の防災対策、どう心がけたらいい?ふだんからできること4

家庭内の防災対策、いわれてみればあたりまえ。でも面倒くさかったり、便利さ優先でできていないことが多いのでは? 日常の延長で心がけることのできる家庭内の防災対策を防災指導の専門家・三平洵さんに教わった。

1.地震でも散らからない部屋をつくる

地震でも散らからない部屋をつくる
寝室の例。
①転倒してドアをふさぐものがないように
②ガラスの飛散を防ぐため厚手のカーテンを
③棚などはベッドに倒れてこない向きに
④履きものも準備
器は、上から小・大・中と 重ねると揺れを軽減できる
全部屋完全防備は気が重いもの…。「避難経路の確保とともに、まずは寝室とキッチンを安全に。安全な部屋になれば、後片づけの負担が減るとともに、そこで避難生活ができますから」と三平さん。寝室はベッドの周囲に大きな棚、ガラスがないように。キッチンは凶器になるものが多いので、収納のドアロックや家具の固定を。器は、上から小・大・中と重ねると揺れを軽減できる。

2.生活の中にアナログ要素を残しておく

生活の中にアナログ要素を残しておく
身のまわりの情報はすべてスマホやタブレット端末の中で、メモはスマホカメラ、支払いも電子マネーやカード。そんなスマートな生活は、いざ災害が発生すると脆弱。筆記具や現金とは完全に縁を切らずに。歯ブラシも、電動だけに絞らないほうが安心。

3.アウトドア慣れしておく

アウトドア慣れしておく
便利&快適な都会暮らしに慣れていると、避難生活はかなりキツいもの。ふだんからキャンプ体験(※グランピングではない)をしておけば、ライフラインがかぎられる中での知恵も自然と身につく。防災グッズを持ち込んでの予行演習の機会としても有効。また、過酷な状況を想定した高スペックのアウトドアウェアやグッズは被災時にも力を発揮する。

4.防災学習施設へ出かけてみる

防災学習施設へ出かけてみる
阪神・淡路大震災以降、防災学習施設が増えている。「例えば『そなエリア東京』(東京都江東区有明3の8の35 東京臨海広域防災公園内)では、地震発生後の72時間を生きぬく知恵を学ぶ『東京直下72h TOUR』を実施しています」。リアルな被災イメージを想定できるので、防災対策本を読むのと合わせてぜひ訪問を。
『そなエリア東京』
(月曜休。祝日は開館、翌日休)は1階の体験施設と2階の学習施設からなる。ツアーは15〜30分おきの開催で無料
教えてくれたのは……
一般社団法人 地域防災支援協会 代表理事 三平 洵さん

一般社団法人 地域防災支援協会 代表理事 三平 洵さん

イオタ代表取締役。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士修了。東京都総務局総合防災部主催の講習会で講師を務めるほか、企業・地域行政向けの防災指導、ソリューション事業を行う。『シニアのための防災手帖』を監修。
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