<10年後に向けて暮らし&働き方などを見直す>将来に備えて行いたい、支出を減らすコツ3

定年まであと10年前後のアラフィー世代。将来に備え、「資産を殖やす」に加えて行いたいのが、生活の見直し。『入ってくるお金で生活する』ことが大前提とはいえ、定年後は現役時代より収入が減るケースが大半なので支出のダウンサイジングは不可欠に。今のうちから少しずつ始められる“支出を減らすコツ”を、社会保険労務士の井戸さんがお教えします。
教えてくれたのは…
ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士 井戸美枝さん

ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士 井戸美枝さん

わかりやすい解説でメディアで活躍。著書に『100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!』(集英社)、『5年後ではもう遅い! 45歳からのお金を作るコツ』(ビジネス社)など。

「入ってくるお金で暮らす」を念頭に、生活の見直しを

将来に備え、「資産を殖やす」に加えて行いたいのが、生活の見直し。

「大前提は、『入ってくるお金で生活する』こと。リタイヤ後は、現役時代より収入が減るケースが大半ですから、支出のダウンサイジングは不可欠。とはいえ、お金の使い方は習慣なので、今のうちから少しずつ始め、慣れておくのがおすすめ。少額であってもムダな出費は削るのと同時に、住居費・車関連・保険といった3大固定費も見直しましょう。特に保険については、日本は社会保障が充実しているので、民間の保険にそれほど頼らなくても大丈夫」

車は利用頻度に応じて手放すことも考え、家もローンや家賃の支払いが負担になりそうなら、住み替えも検討を。ただし、転居を繰り返すと支出がかさむうえに、高齢になってからの住み替えは、精神的・肉体的にハード。考えるなら早めに、終(つい)の棲家(すみか)のつもりで選びたい。

「エクラ世代なら、働いて収入を増やすこともぜひ! 人生100年時代ですから、元気な間は働いて、収入を得るのが一番。お金の面はもちろん、精神的にも肉体的にも、きっとプラスになりますよ」

エクラ世代に多額の死亡保障は不要「生命保険を見直す」

生命保険を見直す
生命保険(死亡保障)は、被保険者が死亡した際、生活に困る人のためのもの。ゆえに、子供がいなかったり、すでに独立している場合などは不要。「医療費にしても、高額療養費制度があるので、自己負担額はそれほど高くないはず。入院費用を心配する人もいるでしょうが、入院日数はどんどん短くなっていて、日帰り治療も増えていますしね。それなりの貯蓄があれば、医療保険はいらないと思います。私自身も加入していません」。
生命保険を見直したら、こんなにも節約に
今や生命保険は、ネット&掛け捨てが主流。「長年掛け続けてきたのだから、やめるともったいない」と、見直しをしないほうこそもったいない。月1万円でも保険料が下がれば、10年で120万円の節約に。

利用頻度と維持費を秤にかけて判断を「車を手放す」

車を手放す
3大固定費のひとつ、車。ローンの支払いや駐車場代もかかっているとしたら、相当な出費のはず。「車がないと生活が成りたたないなら別ですが、維持費に見合うほど利用していないのなら考えもの。都市部では、カーシェアリングが普及しているので、必要なときだけ借りるというのが賢明。燃料費や保険を含め、1時間1000円前後で借りられます。特に、定年間近になってから、ローンを組んで車を購入しようというのは厳禁です」。
車を手放した場合の支出減額見込み
駐車場代、ガソリン代、自動車保険、税金など、個々のケースによるものの、しっかり計算してみたら、月の負担額が10万円前後ということも珍しくはない。保険や車検も考えれば、かなりの負担額に。

「チリも積もれば山となる」の精神で「交際費を削る」

交際費は削る
「私は、趣味や習い事、気晴らしといったお楽しみ代を削るのは、基本的には反対。生活に彩りがなくなってしまいますから。ただし、気がすすまないけど、お付き合いでしかたなく参加しているものは、そろそろやめてよいのでは? エクラ世代は、自分が心地よい交友関係に絞っていい時期ですからね」。外注していた家事サービスをやめる、携帯代を見直す、年会費が高いクレジットカードを解約するなど、“チリツモ”の見直しもぜひ!
交際費を削った場合の節約見込み額
気乗りしない飲み会と惰性で続けている習い事をやめ、月2万円カット。携帯電話を格安スマホに変えて月5000円、年2回頼んでいた1回3万円の家事代行サービスをやめれば、合計で月3万円節約に。
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