【皮膚のできもの④】手首の関節などにできる腫瘍「ガングリオン」

ホクロやイボなど、アラフィー世代になるとなぜか増える“できもの”について、専門医が詳しく解説。なかでもゼリー状の物質が詰まった腫瘤「ガングリオン」は、放っておくとしだいに大きくなって神経を圧迫し、身体に支障をきたす可能性も!?
教えてくれたのは…
日本医科大学武蔵小杉病院 桑原大彰先生

日本医科大学武蔵小杉病院 桑原大彰先生

日本医科大学形成外科講師。医学博士。形成外科専門医。フィンランドにて皮膚腫瘍や軟部腫瘍の再建を学び、帰国後現職。現在、同病院形成外科にて皮膚腫瘍外来を担当。

手首の関節などにできる米粒大からピンポン玉大の腫瘍

ガングリオン

「中にゼリー状の物質が詰まった腫瘤がガングリオンです。手の甲側の親指のつけ根の手首の関節にできることが多いのですが、全身のどこにでも生じ、関節の周辺や腱鞘のある場所に米粒大からピンポン玉大の腫瘤ができます。触ると硬いのが特徴です。原因はわかっていませんが、関節を包む関節包から、関節の動きをなめらかにする関節液がガングリオンの袋に送られ、濃縮してゼリー状になることでできます。通常は無症状なことが多いですが、放っておくとしだいに大きくなり、神経を圧迫して、しびれや痛み、運動麻痺などを起こすことも。そのような場合や、見た目的に気になる場合は、手術で切除することができます」(桑原先生)
ガングリオン

《特徴》

できる位置

親指のつけ根

「手の甲側の親指のつけ根の手首の関節にできることが最も多く、手のひら側の親指のつけ根の手首の関節や、足首や膝裏、肘、肩甲骨周辺にできることもあります」(桑原先生)。

触った感じ

硬い

「ガングリオンは、形は楕円形や円形で、触ると硬いことが多いですが、柔らかい場合もあります」(桑原先生)

《治療法》

●治療法●

手術

「ガングリオンは注射器で内容物を吸引して排出したり、ガングリオンに力を加えて押しつぶす治療法もありますが、再発するリスクが高いため、根治治療を望むのであれば、手術で切除します。全身麻酔で行うことがあり入院が必要な場合も」(桑原先生)

《Q&A》

Q.「腕の途中にできたものもガングリオンですか?」

A.「ガングリオンは手首など小さな関節にできることが多いので、腕の途中にできたものは脂肪腫など別のものの可能性大」(桑原先生)

Q.「手術で取り除いたあと、再発することはありますか?」

A.「ガングリオンは関節包から長い茎でつながっていることがほとんどで、手術で茎ごと摘出しないと再発しやすくなります」(桑原先生)

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