見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビ⑥「まぶしくて―私たちの輝く時間―」

本誌でおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ第6回は、エクラ世代なら誰しもが考えさせられる、“時”がテーマの感動作。涙なしには観られません。まずはティッシュのご用意を。
まぶしくて

タイムスリップものだけど…25歳からいきなりおばあちゃんに?

今回は“時”がキーとなるお話です。“時”は誰に対しても平等と言われますよね。確かに、時間の流れはいつだって正確で、1秒1秒同じように流れていくもので、それは、誰にとっても同じ速度だし、どんな人でも同じように時を重ねていくわけでして。
 
でも、私の場合に限って言えば、“時って残酷なこともあるな”と感じてしまうこともままあります。これといって悪いことをしているわけではないのに、年下に対してはなぜか心がスゴスゴと後退りしてしまうことも多々。そして、そうなる自分にいい知れぬ後ろめたさを覚えたりもするのです。もちろん明確な根拠なんてありません。ただただ、ただただ、その若さが“まぶしくて”…とでもいうのでしょうか。
年齢とともに美しく、とか、年を重ねることが輝きに変わる、とかよく言うけれど、実際は、肌にはシワもたるみもくっきりと現れてくるし、お腹はタプついてくるし、身体はあちこち痛くなってくるし、集中力は続かなくなるし、徹夜なんてとんでもなくなってくるし…。

そうなると、もはや“時”との熾烈な闘い。すんごい速度で連れていこうとする“時”と、ぐっと堪らえようとする“私”と。でも、その勝負はもはやついている? だいたい時と勝負するなんて大それた挑戦なのかもしれませんよね。年齢にとらわれないほうがカッコいいとは思うけど、あー、見た目と体力だけでも時を巻き戻せたらなぁ、なんてつい思ってしまう度量狭き私がいるわけでして。
まぶしくて
で、このドラマ。なんと時間を巻き戻せる時計を拾った女性の物語です。“時を巻き戻せる時計”……なんて甘美な響きなのでしょう。もし、そんな時計を拾ったら、あなたはどの瞬間に戻りたい? もっと、勉強しておけばよかったと思う学生時代? 人生の選択を迫られたあの年代? 

ちなみに私だったなら、女子高時代の文化祭で、いつも遠目で見ながらほのかに想いを寄せていた初恋の男子校生に「一緒に踊りませんか」と手を差し伸べられたあの瞬間。あまりの恥ずかしさから「結構です」とすげなく拒絶(だったら、そんなところに物欲しそうに佇んでるなよって話です)。あ〜、あの時、あの手を受け入れていたら…、と思うと夜も眠れません(嘘です)。

このドラマは、なんとその時を戻せる時計のせいで25歳から一瞬にして70歳以上のおばあちゃんになってしまう、そんなお話なのです。え〜!それってあり? タイムスリップものってさあ、若い時に戻れてこそのワクワクなんじゃないの!?
ハン・ジミン
ヒロインは25歳になるキム・へジャ(ハン・ジミン)。幼い頃に砂浜で時間を巻き戻すことのできる不思議な時計を拾ったヘジャですが、それを使って時間を戻すと、その分、人より早く成長してしまうという事実に気づきます。

これは、大変とばかり、その後は時間の巻き戻しを封印。25歳となったヘジャはアナウンサーを志望するものの、その動機は中学時代に兄ヨンスの同級生に声がいいと言われたというだけのかなり薄弱なもの。当然のごとく試験には受からず、かといってガムシャラに頑張ることもできない…。行く先を見いだせず、欝々とする中でヘジャは新聞記者志望のジュナ(ナム・ジュヒョク)と出会います。

アル中の父から逃れるように転々と住まいを移しながら年老いた祖母と2人で暮らしてきたジュナ。暗く重い現実を抱えながらも、必死で新聞記者を目指すジュナに、ヘジャは心惹かれていきます。一方、ジュナも感情の赴くままに行動する裏表ない明るいヘジャに心開くように。

まぶしくて
そんなある日、ヘジャの父親が交通事故で突然に亡くなるという事態が。父を何とか救おうと、ヘジャは封印していた時計を使いますが、何度時間を戻しても、交通事故を防ぐことができず。さらに、何度も何度も時を戻すヘジャ。そして、ようやく父を救うことができたとほっとしたのも束の間、翌朝、目覚めると自分が70歳をはるかに過ぎたおばあさん(キム・ヘジャ)になっていることを知り…。

なんということでしょう! 70歳って。ってことは、お互いほのかな気持ちを抱き始めたジュナとはどうなっちゃう? 見た目が年をとっていても、ジュナはあのヘジャだということに気づいてくれる? 心があれば、見た目も年齢も関係ないっていうけれど、それって可能? そして、そして、ヘジャはもう一度25歳に戻れるの? ……ほら、もう見ずにはいられない!
まぶしくて

国民的大女優を筆頭に、演技派の役者たちが勢ぞろい

ヒロインを演じるのは、「屋根部屋のプリンス」(韓流ドラマ好きはほぼ観ている)などでも知られる人気女優ハン・ジミンと、国民の母と呼ばれるキム・ヘジャ(役名と一緒で、ちょっとややこしいですが)の二人一役。キム・ヘジャは、先だっての米アカデミー賞で時の人ともなった「パラサイト」ポン・ジュノ監督の力作「母なる証明」(ポン監督らしい衝撃の展開)の母親役が有名ですが、この「まぶしくて」のヘジャ役で韓国のゴールデングローブ賞ともいわれる「百想芸術大賞」のTV部門大賞を受賞。その話し方に、歩き方に、ちょっとした仕草に、ハン・ジミンを感じさせる25歳の片鱗をさりげなく覗かせるところは、さすがな手練れ。
まぶしくて
そんな国民的大女優を相手に、心に深い傷を持つ孤独でナイーブなジュナを演じるのはナム・ジュヒョク。インスタのフォロワー数が1000万超えという超人気イケメン俳優で、モデル出身というハイスペックなビジュアルだけでも心ときめかせてくれる要素満杯ですが、このドラマでは、ジュナの切なく危うげな存在感を絶妙に体現していて、表現者としての魅力も存分に発揮。俳優デビュー間もない頃から彼に注目している私としては、我が子の成長を目見守る母のように感慨も一入です(ジュヒョクペン<※ジョヒョクのファンのこと>のとある編集者は演技派として成長した彼に1話1話涙なくしては観られなかったそう)
さて、ドラマの話に戻りますと、70歳になったヘジャは、25歳に戻る術もないまま、ジュナが老人介護のデイサービスで働いているのを知ります。しかも、そこはまがいもののドリンクを売りつけたりと悪徳施設の匂いプンプン。なぜ、ジュナは新聞記者にならず、そんなところにいるのか。彼は、自分の夢をあきらめたのか。ヘジャは、ジュナをなんとか以前の彼に巻き戻そうと自ら探索を始めるのですが…。
まぶしくて ナム・ジュヒョク
まぶしくて
失ってしまったヘジャの若さとあきらめてしまったジュナの夢と。そして、宙ぶらりんとなったままのふたりの恋と。そんな“不公平“な時の流れに、どんな終着点が用意されているのか。変形型タイムスリップなストーリーに、ハラハラ、ズキズキ、ドキドキと引き込まれていくと、ドラマ佳境の10話、いきなりの衝撃の展開が。え、ええ〜! 
ネタばれになるので詳しいことは話せませんが、そこから最終回に向かって怒涛のように展開されていく“時間“の真実を紐解いていく物語が本当に圧巻。琴線をぎゅっとつかまれるような感動にティッシュなくして観進めることはできません。

そう、滂沱の涙必至。私たちにとって”時間“というものが何ものなのか、どんな意味を持つものなのか、年齢についとらわれがちな度量狭き私も、改めて深く深く考えさせられる全12話。”今日を生きてください ── まばゆいほどに“。全ての人に観てほしい、声を大にして伝えたいそんな傑作です。
まぶしくて

その言葉、気になる! ドラマのハングル・ワンポイントレッスン

【시간을 되돌릴 수 있다면 뭐가 하고 싶은데요?】(シガヌル テドリルス イッタミョン ムォガ ハゴ シップンデヨ?) 「時間が戻せるとしたら、何をしたいですか?」

今回ご紹介するハングルはちょっと長めのセンテンス。で、これは、ハン・ジミンが演じる見た目も心も25歳のままのヘジャのセリフです。顔見知りになったへジャとジュナは近所の居酒屋さんで、度々顔を合わせるようになります。アル中でDV、お金をせびりにだけ戻ってくるどうしようもない父親と自分を捨てて逃げ出した母親と、世間から隠れるように祖母とひっそりと暮らすジュナの重苦しい現実を知ったへジャは、自分が封印していた時計のことを思い出します。そして、酔った勢いで口から飛び出したのがこの言葉。

「時が戻せるとしたら、何をしたいですか?」 

そこに込められているのは“昔に戻ってやり直すことができれば、この現実からも解放されるはずよ、時計を持っている私が叶えてあげる”という想い。場面的にはヘジャとジュナが心通わせるドラマ序盤のちょっといいシーンなので、ぜひ、チェックしてくださいね。
まぶしくて
で、ハングルですが、注目してほしいのが最初の시간(シガン)という単語。日本語訳は「時間」。うん?じかん?しがん? なんか似てるんですけど、と思いますよね。 

そう、ご存知のように韓国語も日本語も、もともとは中国から伝わった漢字から派生した言語。そのため、ハングルでも漢字に置き換えられる漢字語が多くあり、その割合は5割以上にもなるのだそうです。韓国語で使われる漢字語は、この시간(シガン)のように日本の漢字の音読みと近い発音をするものが多く、ドラマを見ていると「あれ、これ日本語と同じだ!」と妙な親近感を覚えて嬉しくなることも多々。

他にも「乾杯(かんぱい)」=「건배(コンベェ)」、「約束(やくそく)」=「약속(ヤクソッ)」、「秘密(ひみつ)」=「비밀(ピミル)」、「瞬間(しゅんかん)」=「순간(スンガン)」などなどいろいろあり、私の知り合いのジャーナリストには「ソウルのタクシーでボソボソっと『領収書』って言ったら、通じちゃったのよ」(ちなみにハングルで領収書は영수증ヨンスジュン)というツワモノまでいる次第です。まあ、実際はあまり通じないとは思いますが、チャンスがあったら、ぜひ、試してみてくださいませ。

そして、もうひとつ、韓国のモデルさんから撮影の合間に教えてもらった漢字語もご紹介しましょう。それは「미묘한 삼각 관계(ミミョハン サムカク カンゲ)」。

日本語では「微妙な三角関係(びみょうなさんかくかんけい)」。ほぼ、発音も同じなので、韓国でぜひ、ネタとして使ってみてください。ひょっとして、これをきっかけに韓国のイケメンと親交を深めることができるかもしれませんよ(多分、できません)。
まぶしくて
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「まぶしくて―私たちの輝く時間―」

レンタル中 Vol.1~10 <日本編集版>
DVD-BOX発売中 <韓国放送版>
価格:¥12,000(本体)+税
発売・販売元:ポニーキャニオン
山崎敦子

山崎敦子

旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。

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