韓ドラのプロが本気でセレクト!2025年上半期 韓国ドラマ大賞ベスト11作を発表!

今年も続々と新作が配信され、勢いが止まらない韓国ドラマ。2025年上半期に日本で配信された韓国ドラマで最も面白かった作品は? メディアで活躍中の韓国ドラマウォッチャーのプロ7人のおすすめ度を点数化して順位を決定。多くの話題作の中から、絶対におすすめの今観るべき韓国ドラマを厳選紹介!
■韓ドラのスペシャリストはこちら(氏名五十音順)

渥美志保さん

ライター、コラムニスト。韓国映画、韓国ドラマが大好きで、釜山映画祭には二十年以上通いつめ中。著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』(大月書店)。
 

今 祥枝さん

ライター。韓国エンタメを含め映画・海外ドラマの最先端を取材&執筆すること二十数年。第81回よりゴールデングローブ賞の国際投票者を務める。著書に『海外ドラマ10年史』(日経BP)。

小田 香さん
ライター。『韓流ぴあ』に創刊時からブレーンとして携わる。韓国エンタメにハマること二十数年。俳優などのインタビューも数知れず。端的で切れ味鋭いドラマ解説も人気。

桂 まりさん
ライター。韓国をはじめ、世界各地のトラベルや食の記事を『éclat』や『SPUR』などで執筆。韓流予報士として『Marisol』にて、作品紹介やインタビュー記事も好評連載中。


佐藤 結さん
ライター。『キネマ旬報』『韓流ぴあ』などでドラマや映画を中心に、韓国エンタメ全般についての記事を執筆。共著に『韓国映画で学ぶ韓国の社会と歴史』(キネマ旬報社)。

中川 薫さん
ライター。Kカルチャー、旅、漫画、音楽、スポーツ観戦をこよなく愛す。韓国ドラマやK-POPに精通し、éclat』をはじめ、さまざまな媒体に執筆。MORE WEB(more.hpplus.jp)で韓国ドラマコラムを担当。

山崎敦子さん
ライター。韓流と美容を手がける二刀流。ドラマにK-POPに寝食削って韓流漬けの毎日。Web éclat(eclat.hpplus.jp)やSPUR.JP(spur.hpplus.jp)などで韓流コラムを連載中。

第1位「いつかは賢いレジデント生活」/「おつかれさま」

「いつかは賢いレジデント生活」

「いつかは賢いレジデント生活」の主演4人
左からハン・イェジ、シン・シア、コ・ユンジョン、カン・ユソク Netflixシリーズ「いつかは賢いレジデント生活」独占配信中

初心を思い出させてくれる、意外にも50代に響く作品 ── 今 祥枝さん

産婦人科のレジデント1年目の4人が奮闘するドラマ「賢い医師生活」のスピンオフ。最初は、やる気のないオ・イヨンのキャラクターにやや反発を覚えたものの、次第にひよっ子たちの姿にはるか昔の仕事における初心を思い出し、面倒を見る先輩やベテラン医師たちの姿に、年長者として若者にどう接するのかを改めて考えさせられたり。「賢い医師生活」とのリンクも新しい命をめぐるエピソードも4人の関係性の変化も楽しく、意外にも自分の年齢的(50代)に響くものがありました。あと久々にK-POP熱再燃中なので、元アイドルのレジデント、オム・ジェイル(演じるのはカン・ユソク)&TOMORROW X TOGETHERの楽しい仕掛けにも歓喜!

群像劇として秀逸!いつの間にか物語に没入してしまう ── 小田 香さん

ちょっとキャストが地味かなと思ったのは序盤だけ。あとはそれぞれのキャラクターがどんどん生き生きとしてきて、彼らが成長していく姿を見守るような気持ちになって、いつの間にかすっかり物語に没入。クールだけれど好きな人にはまっしぐらのイヨンがかわいく、ドウォン(演じたチョン・ジュンウォン素敵!)との恋模様は最高に微笑ましかった。本家シリーズの俳優たちが小出しに顔を見せるのも楽しい。なにより群像劇として秀逸。

個性豊かな4人の新米レジデントの姿に癒され勇気づけられる ── 山崎敦子さん

総合大学病院の産婦人科に勤務する4人の新米レジデントのあたふたな日常を描く、名作「賢い医師生活」のスピンオフ。優秀なのに医者になりたくないオ・イヨン、おしゃれと恋愛と占い大好きな今どきZ世代のナムギョン、知識はAIばりだけど共感性欠如のサビ、みんなに優しいけど能力はまだまだのジェイルという個性豊かな4人が、命の誕生と終焉が同時に営まれる産婦人科ならではの数々のエピソードに振り回されながら、少しずつ使命感が芽生え、成長していく姿に癒され、勇気づけられます。新米レジデントだから、ついついいろんなことをしでかして、患者や先輩、教授たちに叱られまくるのですが、“それあるよね〜”的に自分の新人時代を思い出しながら、吹き出したり、一緒になって憤慨したり、胸締め付けられたり。ちなみにジェイルはハイボーイズというグループで活躍していた元アイドルという設定。9話のカラオケシーンでは、そのハイボーイズが画面に登場。なんとグループにはTOMORROW X TOGETHERのヨンジュンとスビンが! 配信終了後Mカ(韓国Mnetのミュージック番組)にもなんとこのハイボーイズが出演、ジェイル役のカン・ユソクがめちゃくちゃ緊張しながら踊っている姿が微笑ましく。ご興味あれば、ぜひチェックを。

新人医師たちの成長ぶりに最後はホロリ ── 佐藤 結さん

「応答せよシリーズ」から大ファンのクリエイターたちの新作はやはり間違いなかった。新人医師たちの自己中心的な態度に最初は「大丈夫かな?」と思いましたが、それぞれにちゃんと成長して最後はホロリ。俳優の新たな魅力を引き出す達人たちの作品だけに、どのキャラクターも輝いていましたが、特に今作デビューのサビ役のハン・イェジがよかった。「賢い医師生活」メンバーのカメオ出演も楽しかったです。

制作人による全力のお遊び心に度肝を抜かれました ── 中川 薫さん

いわずもがなの人気シリーズ「賢い医師生活」1&2のスピンオフ作品。前大統領の政策に反旗を翻した医師たちの戦いの影響で1年遅れの2025年配信となった本作ですが、待った甲斐のある良作でした。今回の主人公は産婦人科のレジデント(専攻医1年目)4人。くじけては落ち込んで、いじめられては泣いて、叱られては崩れ落ちて、それでもまた立ち上がる……を繰り返しながら、医師、そして人間としても成長していくレジデント生活を共感たっぷりに描いておりまして、「さすが賢医シリーズ!」と何度も唸るほどの満足度でした。スピンオフならではの設定(職場が系列病院だったり、見覚えのある面々も続々登場♡)はもちろんのこと、本筋ではない部分の描写の細かさに大爆笑! というのも唯一の男性レジデントのオム・ジェイル(演じたのはカン・ユソク)は、一発屋の7人組アイドルグループHI-BOYZ出身という設定があるのですが、わざわざグループのMVTOMMOROW X TOGETHERのメンバー、スビンとヨンジュンが出演)まで作るだけでなく、人気音楽番組『M COUNTDOWN』にリアル出演までする徹底ぶり()。さらに本作の公式サイトを本物の病院のサイトのように作ったりするなど(隅々まで要チェックすべし)、制作陣による全力のお遊び心に度肝を抜かれました……。賢明なる韓ドララバーの満足度向上のため、賢医シリーズご視聴のうえ本作に挑むと “賢い韓ドラ生活” が保障されると思います。

■Netflixシリーズ「いつかは賢いレジデント生活」独占配信中

「おつかれさま」

「おつかれさま」の主演IUとパク・ボゴム
主演のIU(右)とパク・ボゴム(左) Netflixシリーズ「おつかれさま」独占配信中

人間を“愛する心”の尊さを強く心に刻まれる ── 山崎敦子さん

1950年代に生まれた主人公エスンとグァンシクの一生を綴る感動作。とにかく1話から最終話まで、何度泣かされたことか。といっても悲しいからではないんです。みんながそれぞれに笑って泣いて頑張って、そんな精一杯に生きている姿に琴線が思いっきり揺さぶられる感じなのです。貧困、差別、理不尽な風習、突然訪れる不慮の事故……。自分の思うような人生にならなくても、辛くて辛くて起き上がれないことが何度起きようとも、伴侶を、家族を、人を、愛する心があれば、何度でも立ち上がれるし、人生は豊かに満ちてくるし、それがたとえどんなにちっぽけな普通の人生だろうと、このうえなく尊いものなんだなと改めて強く心に刻まれたというか。エスンとその娘を1人2役で演じたIUの演技力の高さにも今回改めて感服。泣かせの演技はもちろんだけど、ユーモラスな表現センスも絶妙で、何よりあんな大スターでありながら視聴者が自分を投影しやすい等身大の存在感をナチュラルでありつつ魅力的に描き切った技量が素晴らしかった。エスンを一途に思う不器用だけどとことん誠実なグァンシクを演じたボゴムにも久々に泣かされました。やっとハマり役に巡り会えてよかったよ〜とオンマ気分です。

「おつかれさま」の主演IUとパク・ボゴム
Netflixシリーズ「おつかれさま」独占配信中

異なる母娘2役を演じきったIUの演技に釘付けに ── 小田 香さん

60年という長い年月の一家族の物語から終始目が離せない。さまざまな出来事が起こるなか、最も胸を打たれたのは娘に対する母親の深い愛情。夢を封印して家族のために働く若い母エスンと、母とは違う人生を歩もうともがくクムミョンという、異なる母娘2役を演じ切ったIUの演技に釘付けに。夫役のパク・ボゴム、彼らの中年期を演じたムン・ソリ、パク・ヘジュンが演じた夫婦愛も心に残る。人が寄り添って生きることの大切さを実感。

トップスターたちの全身全霊の演技にも震える ── 佐藤 結さん

大好きなドラマ「椿の花咲く頃」の脚本家イム・サンチュン待望の新作。前作で、ヒューマンドラマとミステリーを組み合わせたのに続き、今回も、なかなかドラマになりにくい普通の人たちの人生の中にある「絵画のような」瞬間を描くため、同じ役の成長後を別の俳優が引き継いだり、時代や場所を行き来しながら話を進めたりしているのがすごい。IU、パク・ボゴムというトップスターたちの全身全霊の演技にも震えました。

■Netflixシリーズ「おつかれさま」独占配信中

第3位「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」

「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」の主演イム・ジヨン
女性主人公のイム・ジヨン © SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.

俳優の演技力もストーリーの素晴らしさも、これ一択! ── 渥美志保さん

今年の上半期は、もはやこれしかないと言っていい。イム・ジヨンのきりりとした存在感、ライジングスター、チュ・ヨンウの今の時代にあったカッコよさ、一難去ってまた一難のストーリー展開、主人公の敵だった人間もほぼ全員を味方にして一緒に生きてゆく物語が信じる正義……などなど、どれもこれも文句なし!

完成度の高い時代劇の良作。衣装も映像も美しい ── 桂まりさん

最後まで物語が面白く、そして「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」のイム・ジヨンの存在感が主演女優賞もの。イム・ジヨン演じる主人公オク・テヨンが身分を偽り女性ながらも外知部(弁護士)として機転をきかせ問題を解決、困難に立ち向かう姿が爽快。そして、そんな彼女を一途に想い助ける役を、「トラウマコード」でも人気を博し、両親がモデルというアップカミング俳優チュ・ヨンウが生き生きと演じ、百想芸術大賞では新人賞を獲得。先の読めない展開で、久しぶりに毎週楽しみだった完成度の高い良作時代劇。衣装も映像も美しいです!チュ・ヨンウはOSTにも参加して話題に。大ヒットしたのにも納得です。

「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」の主演チュ・ヨンウ
男性主人公のチュ・ヨンウ © SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.

まだこんなに面白いドラマが作れるなんて! ── 小田 香さん

時代劇でまだ、こんなに面白いドラマが作れるのかと感心し通しだった。次を見ずにはいられないテンポのいい演出と練られたストーリーに加え、奴婢出身のヒロインがなんでもできるという設定が不自然だと感じさせないイム・ジヨンの圧倒的な存在感に惹きつけられる。チュ・ヨンウはタイプの違う2人の男性を演じ分け、これでブレイクしたのは当然と思わせる魅力を発揮。月を背に踊る姿が美しい。悪役を好演したチェ・ジョンウに合掌。

現代に通じる社会的イシューの盛り込み方も秀逸。なんてすごいドラマなんだ! ── 今 祥枝さん

人権ゼロの奴婢(ぬひ)の身分から、運命が導くように両班(貴族)の娘オク・テヨンとして生きることになったクドクの数奇な人生。入れ替わりものにロマンスを加えた定番かと思いきや、現代にも通じる女性の権利についてや、権力の腐敗からLGBTQの問題などを反映した社会的イシューの盛り込み方が秀逸。外知部(弁護士)として活躍するテヨンが法とは誰のため、何のためにあるのか、そして法の番人がどうあるべきなのかを説く姿に、なんてすごいドラマなんだ!と恐れ入りました。それでいて重くなりすぎず娯楽度満点なのは言わずもがな。主演の「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」のイム・ジヨンの凛々しさにもほれぼれ。

■U-NEXTにて独占配信中

第4位「ハイパーナイフ 闇の天才外科医」

「ハイパーナイフ 闇の天才外科医」主演のソル・ギョング(左)とパク・ウンビン(右)
主演のソル・ギョング(左)とパク・ウンビン(右) ©2025 Disney and its related entities

名優ソル・ギョング×パク・ウンビンのケミストリーにしびれました ── 今 祥枝さん

指導医チェ・ドッキと衝突したことで医師免許を剥奪されて、密かに違法手術を請け負っている天才脳神経外科医チョン・セオク。恩師との再会で転がる物語は、予想のはるか彼方を行くサイコスリラーでぶっ飛び! 何よりも「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のパク・ウンビンによる、手術以外には一切興味がない狂人セオクが最高。名優ソル・ギョングを向こうに回して、一歩も引けを取らないばかりか、きっと彼はこの共演を楽しんだのではないかと思える異色のケミストリーにしびれました。決して道徳を説かず、ある意味で人の命をなんとも思っていない医師たちの狂った世界観にどハマり。脚本家キム・ソンヒ(「いつかは賢いレジデント生活」)&関係者の全力でやりきった感に拍手!

「ハイパーナイフ 闇の天才外科医」主演のパク・ウンビン
主演のパク・ウンビン ©2025 Disney and its related entities

アンビバレントな感情を俳優が見事に演じきっている! ── 渥美志保さん

孤独な天才が、ようやく出会えた唯一の理解者に対して抱く愛憎、憎くてしょうがないのに失うことも怖くて、陥れながらいざとなるとつい助けてしまう、そのアンビバレントは、これまでの韓国ドラマではあまり見られなかった感情で、それを二人の超絶うまい俳優が見事に演じ切っている。めちゃくちゃ猟奇的でバイオレントな描写も多いけれど、演出(特に、おフランスな音楽)がどこかロマンチックで、二人の関係は愛なんだなと思わせるところも好き。

■ディズニープラスのスターで全話独占配信中

第5位「スタディーグループ」

「スタディーグループ」のファン・ミンヒョン
主演のファン・ミンヒョン ©TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.

爆笑しつつ涙も誘う。CG技術のスゴさも見ごたえあり ── 桂まりさん

「還魂」の王子役がハマり役だったファン・ミンヒョンが、ガリ勉なのに成績はどうしても最下位近辺の冴えない高校生を怪演。暴力団の首長を父にもつ、学年1位のライバル役を演じたのは、「弱いヒーロー Class 1」「恋するムービー」「埋もれた心」と話題作が続くライジングスター、チャ・ウミン。キャストも原作のウェブ漫画に近いと話題に。爆笑しつつ涙も誘う、サイダーのような痛快コミカルアクションです! CGも凄くて見応えあり!! 学園ものだからと侮ってはいけない名作。ZEROBASEONEのソク・マシューとパク・ゴヌク、バン・イェダムらが参加したOSTもいいです。

「スタディーグループ」のファン・ミンヒョン
©TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.

設定がめちゃくちゃ楽しい、学園ノワールコメディ ── 山崎敦子さん

元ワナワンのファン・ミンヒョン(「還魂」など)の除隊後初の主演ドラマ。学園ノワールコメディとでも申しましょうか。とにかく設定がめちゃ楽しい。物語は中学時代から始まるのですが、ファン・ミンヒョン演じる主人公のガミンはお勉強大好き生徒。授業ではいつも熱心にノートをとりまくり、参考書も全て制覇するほど懸命に勉強するのだけれど、試験をするといつもビリから2番目なのですね。ちょっと頭脳回路が変わっているというか、ちょっとおバカというか。なのに、めげずにいつも真面目に勉学に取り組むキャラがなんとも可愛らしいのでありますが、その彼がとある工業高校に行けば推薦でいい大学に入れるという噂を小耳に挟み受験、見事合格するも、その高校はなんと不良の巣窟。ところがガミンはケンカの序列争いを繰り返す不良生徒たちには目もくれない。実はガミン、勉強のために鍛え上げていた体力とスキルが半端なく、めちゃんこ強いという隠された一面を持っているのですね。そんななか、グループで一緒に勉強すれば成績が上がるとアドバイスされたガミンはスタディーグループを結成しようと募集するのですが、不良たちに邪魔されまくり、ついに封印していた力を解除し、華麗なアクションで次々と不良たちを倒していくわけです。そんな痛快ノワールコメディですが、随所にイジメや差別、教師の不正など様々な社会問題も織り込んでいて、学園ノワールといえば「弱いヒーロー Class 1」が大人気ですが、私とすればむしろこちらに軍配を上げたい。スカッと楽しく、ジーンと感動も運んでくれる実は隠れた傑作です。

■ABEMAで独占配信中

第6位「未知のソウル」/「君は天国よりも美しい」

「未知のソウル」

「未知のソウル」の主演パク・ボヨン
主演のパク・ボヨン Netflixシリーズ「未知のソウル」独占配信中

主演のパク・ボヨンの演技力の高さと、表情の吸引力が抜群! ── 山崎敦子さん

まだ、最終話まで配信されていませんが(コメント時)、実はNo.1じゃない?と思うほど好きなタイプの作品です。見た目はそっくりだけど中身が正反対のアラサー一卵性双生児のミジ(未知)とミレ(未来)が主人公。昔からお勉強ができて憧れの公社に就職するなど母の自慢でもあるミレだけど、病弱で人と上手くなじめない陰な性格にコンプレックスを抱いていて、一方、お勉強はできないけれど明るく元気で走ることが得意なミジは陽キャラ。ところがミジはケガで短距離選手の道が断たれたことから行く先を見失っているという状況。ミレがとあることから職場のイジメに遭い、その窮状を知ったミジが二人の入れ替わりを提案し物語が展開するのだけれど、それぞれ自分への劣等感を胸に秘める2人が正反対の立場と性格に成り代わることで、それまで思い込んでいた自分とは違う視点から改めて自分に向き合うことになるところがポイント。この難役を演じるのがパク・ボヨンなのですが、2役をナチュラルに確実に演じ分ける演技力の高さと、心を細やかに映し出す表情演技は今回も吸引力抜群。この2役に絡んでくるのが「ユミの細胞たち2」のパク・ジニョン。爽やか青年なのになぜかじっとり湿り気たっぷりのジニョンと、めちゃキュートなのにどこかサラリとドライなボヨンのケミストリーも絶品です。

■Netflixシリーズ「未知のソウル」独占配信中

「君は天国でも美しい」

「君は天国でも美しい」のキム・ヘジャとソン・ソック
主演のキム・ヘジャ(左)とソン・ソック(右) Netflixシリーズ「君は天国でも美しい」独占配信中

もう一度会いたかった存在との再会シーンに涙腺崩壊 ── 中川 薫さん

人生を終え、夫が「一番きれいだ」と言った80歳の姿で天国に到着したヘスク(演じるのはキム・ヘジャ)が、天国で30代の若々しい姿に戻った夫ナクジュン(演じるのはソン・ソック)と再会、そこから繰り広げられるファンタジーロマンス。死後に始まる“第二の人生”を通じて、人生の意味を見つめ直す感動の人生ドラマ。ファンタジー味の強い世界観、「死」を扱うテーマということで及び腰になりがちですが、初回から「地球に生まれてよかった…!」と号泣することでしょう。旅立った大切なペット、両親、子どもなど、もう一度会いたかった存在との心揺さぶる再会シーンに涙腺崩壊。別れは単にツラさをもたらすものではなく、人(だけではなく、猫などすべての生きとし生けるもの)がその役割を全うした時には“祝福”が訪れ、それこそが別れなのだと思わせてくれます。愛する存在との別れを経験したすべての人々の心に優しい火を灯す素敵な作品です。

■Netflixシリーズ「君は天国でも美しい」独占配信中

第8位「ニュートピア」/「トラウマコード」/「埋もれた心」/「ナインパズル」

「ニュートピア」

「ニュートピア」の主演のジス
主演のジス 画像提供:Prime Video

新ジャンル「ゾンビ×ラブコメ」ドラマの誕生!幸福感あふれるラストもいい ── 渥美志保さん

ゾンビ×ラブコメというめちゃ新しいジャンルいただきました!という作品。勃発したゾンビ事態の中、思いを残しながら別れ話をしていたカップルが、相手の無事を確かめるべく廃墟と化した都市をゆく道中を描き、エクラ世代には新井素子の『ひとめあなたに』を彷彿する人もいるかもですが、何が好きって時に爆笑しちゃうようなアホなコメディであること。男性主人公パク・ジョンミン(高層ビルの屋上の「首都防衛部隊」で兵役中という設定)のパートは、ドラマ「新兵 ~僕は超(スーパー)VIP・ソルジャー~」みたいな笑いが満載だし、女性主人公ジスは見事なまでの “巻き込まれ型コメディエンヌぶり(だけど主体的に戦いもする理系女子)” を発揮して、ゾンビ物とは思えない幸福感あふれるラストに。“ダサ男と大学で評判の美女” の組み合わせに説得力をもたせる、2人の魅力溢れる演技も最高。その他の人物もキャラが最高で、うっかり泣かされたりもする。

■Prime Videoで独占配信中

「トラウマコード」

「トラウマコード」の主演チュ・ジフン
主演のチュ・ジフン Netflixシリーズ「トラウマコード」独占配信中

チュ・ジフンが持ち前の演技力を発揮。緊張感とコミカルさのバランスも絶妙 ── 佐藤 結さん

“生意気な後輩”のイメージが強かったチュ・ジフンが、“生意気さ”はそのままに、いつの間にか後輩たちを率いる堂々たるリーダーとなっていたことに感慨深し。医師としての天才的な能力はもちろん、アクションまでできてしまう、スーパーヒーローのような人物を、持ち前の飄々とした表情で演じています。彼の態度に驚きながらも魅了され、よきチームを作り上げていく若手医師役のチュ・ヨンウと看護師役のハヨンも生き生きとしていました。緊張感とコミカルさのバランスも絶妙で8話があっという間でした。

■Netflixシリーズ「トラウマコード」独占配信中

「埋もれた心」

「埋もれた心」の主演パク・ヒョンシク
主演のパク・ヒョンシク ©2025 SBS & Studio S. All rights reserved.

イメージを覆すパク・ヒョンシクの振り切れっぷりに注目! ── 中川 薫さん

2兆ウォン規模の政治裏金をハッキングした主人公ソ・ドンジュ(演じるのはパク・ヒョンシク)が、自らを殺そうとした絶対悪とその世界を崩壊させるため、すべてを懸けて戦う人生を賭けた犯罪ミステリー。パク・ヒョンシクが復讐の鬼となり、W主演の御大ホ・ジュノとバチバチにやり合う怪演ぶりは圧巻の一言。何がすごいって、洗練された"貴公子"のイメージをかなぐり捨てたヒョンシクの振り切れっぷりですよ! 冷酷さと腹黒さを抱えつつ、フルボッコにされてもなお強烈な色気を放つドンジュの一挙一動にゾゾッ! 一秒たりとも目が離せません。じつは推しポイントがもうひとつありまして。本作は復讐劇でもあるのですが、仕返しの方法があまりに斬新すぎて()。「あれはそういうことだったの⁉」と、予想だにしなかった伏線回収にコーヒーを噴くほどびっくりすると思いますので最後までご視聴ください。

■ディズニープラスのスターで全話独占配信中

「ナインパズル」

「ナインパズル」の主演のソン・ソック(右)とキム・ダミ(左)
主演のソン・ソック(右)とキム・ダミ(左) © 2025 Disney and its related entities

名監督のキャスティングと演出に脱帽 ── 桂まりさん

これまたすごいドラマ見てしまったという感じで、ドラマ「ナルコの神」、映画『悪いやつら』『群盗』などで知られるユン・ジョンビン監督作品なだけに、主演のソン・ソック、キム・ダミだけではなく、続々と登場する脇役が豪華すぎて「うわっ!」と声が出たほど。この作品が配信される前の監督と主演の2人のインタビューで「とにかくユニークなサスペンス」と話していたのに納得! ソン・ソックも感心していた、キム・ダミのマニッシュなファッションアイコンぶりはチャーミングだし、赤いランボルギーニで駆るプロファイラー役が何よりかっこいい! 推理小説が好きで刑事になったソン・ソックも良き。「2人のファンだったからキャスティングした」という監督の演出にも唸らせられました。

■ディズニープラスのスターにて全話独占配信中
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