健康維持・体力アップに効果的!今から始められる「アラフィーにおすすめのスポーツ」まとめ

長い自粛期間で運動不足の人が急増中!健康のためにも、体を動かしたいと思う人も多いのではないでしょうか。今回は、運動の専門家がアラフィーにおすすめのスポーツを解説。無理しない範囲で楽しくスポーツを楽しみましょう。

【1】アラフィーのスポーツ選び5つのポイント

教えてくれた人
須永美歌子先生(日本体育大学教授)

須永美歌子先生(日本体育大学教授)

女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの研究・開発に取り組む。日本オリンピック委員会強化スタッフとしても活動。著書に『女性アスリートの教科書』がある。

1分間の心拍数120を目安に体力に合ったスポーツを選んで

オリンピック効果もあり、「新しいスポーツをやってみたい」というアラフィー女性が増えている。ただし、仕事や子育てが忙しく「本格的な運動は久しぶり」という人の場合、始めるにあたって注意が必要だ。

「同年代の友人が楽しんでいるスポーツなら私もやってみたい、と思うかもしれません。でも50歳前後になると体力や身体能力の個人差が大きくなるので、健康効果を高め楽しみながらスポーツを続けるには、自分の体をよく知って選ぶ必要があります」

ひとつの目安になるのが心拍数。

「リラックスした状態で測った心拍数と運動後の最大心拍数を比べて、増加率50〜60%くらいが理想です。読者世代の場合、1分間の心拍数が120前後に上がる強度を目安にしましょう。心拍数が高くなると血管内で“ずり応力”が生まれて血流が改善、また脂肪を燃焼する効果も期待できます」

体を動かすことが心や脳に与えるプラスの働きも見逃せない!

「運動すると脳内にβエンドルフィンが分泌されて爽快感が生まれ、前向きな気持ちになれます。また、ゲーム性を楽しみながらできるスポーツは脳のトレーニングになり、認知症の予防にもつながります」

アラフィーの「スポーツ選び」、5つのポイント!

50代からのスポーツ

1. “がんばる”よりも“楽しい”と感じるもの

スポ根物語に親しんで育ったアラフィー世代は、スポーツというと気合を過剰に入れがち。「体を動かすと心が前向きになって毎日が楽しい!」くらいの軽やかな気持ちで取り組もう。

2. 心拍数が120程度の運動強度のもの

息がゼーゼーするような高強度の運動はアラフィーには不向き。運動後の心拍数が1分間に120程度の激しすぎないスポーツでも、健康&ダイエット効果を十分期待できる。


3. 無理なく続けられるもの

健康効果を保つためには週3日のペースで体を動かすのが理想……、とはいえ、忙しいエクラ世代。週1日でもむだではなく、効果は維持できるので、“無理なく長く続ける”を目標に。

4. 人との競争を意識せずできるもの

一番でなきゃダメ!? いやいや、誰かと競い合うより自分の心&体と向き合い、自身に課したテーマをクリアするのが、エクラ世代の正しいスポーツのあり方と心得て。

5. 頭も使うゲーム性の高いもの

パワーや持久力など身体能力の高さを中心に競うスポーツより、できるだけゲーム性や戦略性があるものを選ぼう。脳トレや集中力アップの効果が期待できる。

【2】おすすめのスポーツ①ボルダリング

自分のペースで進められ、脳トレで認知症予防にも!

スポーツクライミングが金メダル有力種目になり、注目が集まるボルダリング。ホールドという突起物を使って壁を登りゴールを目ざす競技で、腕力がないとダメ?かと思いきや、「大事なのはバランス感覚や体を柔軟に使えることで、筋肉量が多い男性より力に頼らない女性のほうが上達が早いことがあります」という『そらよん』の遠藤謙一郎さん。

「基礎を学び安全なルートを確保して登れば大きなけがの心配はありません。また、効率的なルートを考える作業が脳トレになり、認知症予防にも役立ちます」


ボルダリングでよく使う肩甲骨まわりの筋肉や脊柱起立筋(インナーマッスル)には、脂肪を燃焼させる褐色脂肪細胞が多く存在。クライミングを楽しみながら全身を引き締める効果も期待できる。

50代からのスポーツ

初心者は傾斜が一番ゆるやかな80度のウォールからスタート。慣れてきたら、課題(スタートからゴールまでの間で使えるホールドを限定して難易度を高める)に挑戦し、技術を磨く。

50代からのスポーツ

「どのホールドに手足をかけると効率よく登れるか、壁と対話しながらプランを考えるのもボルダリングの醍醐味です」と遠藤さん。

50代からのスポーツ

課題が書かれたシート。クリアしたら色を塗ってマーク、さらに高難度の課題にアタックし、技術の向上とともに級を獲得できる(1~10級)。

運動前後の心拍数:72→108
*高さ4m、角度80度の斜面をゆっくりと2回登ったとき

※「運動前後の心拍数」は体験時のスタッフを測った数値。個人差があるので、あくまで参考に。

『ボルダリングジム そらよん』

壁の高さは上限4m。誰でも気軽に挑戦できるように難易度低めのホールドを多く設置、初心者向けの講習も充実したボルダリングジム。レンタルシューズあり(服と靴下は持参)。
30分体験パック¥1,000、会員登録料¥1,600、利用料¥2,000(平日終日) ※税込 
東京都港区白金台5の14の1白金台アパートメントB1

☎03・6447・7413
http://sorayon.net/

須永先生のひと言

さまざまな部位の可動域が徐々に広がり、体の柔軟性も向上します。

【3】おすすめのスポーツ②トランポリン

少ない運動量で消費カロリー大! 骨盤底筋にも効果あり!

弾力を利用して跳ぶので一見簡単そうだが、実際にやってみるとジャンプしながら美しい姿勢を維持したり、まっすぐ着地するのがむずかしいトランポリン。

「自分の体重を利用して跳んだりはねたりするので、体力がない人やビギナーでも初回から楽しめるスポーツ。当教室にも幼児から70代まで幅広い世代のかたが通っています。一方で、見た目以上に運動量や消費カロリーが高く、意識しながらジャンプすることで体幹や骨盤底筋を鍛えられ、続けて練習すれば美しい姿勢とキュッと締まったボディをつくることができます」と『TSR』の武藤真也さん。

 
高く跳ぶのは怖そうだが、実生活では味わえない浮遊感や、空中で体をコントロールする感覚の楽しさにハマる人も多いとか。ストレス発散にも役立ちそう!

50代からのスポーツ

初心者はトランポリンの弾力を利用して弾むレッスンからスタート。しだいに座った姿勢から立つ、うつ伏せで体を弾ませるなど難易度の高い技にトライする。

50代からのスポーツ

以前はトランポリンプレーヤーとして活躍していた武藤さん。天井近くまで跳ぶダイナミックなジャンプと軸がまったくぶれない美しい姿勢、これぞ、トランポリンの醍醐味!

50代からのスポーツ

思わぬけがを防ぐためにも準備運動は欠かせない。ボールを使って肩甲骨の可動域を広げるなど、実践の前に全身のストレッチを行う。

運動前後の心拍数:76→112
垂直ジャンプを連続で、20回×2セットしたとき

※「運動前後の心拍数」は体験時のスタッフを測った数値。個人差があるので、あくまで参考に。

『TSR Sports CLUB』

国際大会で審判員を務める資格をもつ武藤真也さんが運営&コーチを務める教室。幼児から大人向け、選手育成まで幅広いレベルのクラスを展開、体験会も随時実施している。

年間管理費¥2,160、レッスン料1回につき¥2,160(中学生以上のフリークラス) ※税込

東京都北区浮間3の34の26 

☎03・5948・7988 

https://tsri.co.jp/

須永先生のひと言

楽しみながら持久力と筋力を高める、一石二鳥の効果が得られます。

【4】おすすめのスポーツ③空手

蹴りでストレス発散。護身術と美しい姿勢まで手に入る! 
近年、格闘技に挑戦する女性が増えているが、群を抜いて人気なのが空手だ。「空手には型と組手がありますが、当スクールの目的は型を学ぶことで痛みやけがの心配はまずありません。生徒の7割は女性で読者世代のかたも多くいます」と、『代官山カラテスクール』の斎藤英之さん。

 
体の軸をまっすぐに保ちキビキビと型を行うには、パワーより柔軟性や体のキレが必要で、自然と体幹や下半身の筋肉が鍛えられるという。


「蹴りや突きなど日常にはない動きで全身の筋肉を使うと、持久力が高まり、脂肪を燃焼する効果も。また、気合を入れて蹴りや突きを行うと、『ストレス解消になる』という生徒さんも多いですね」

50代からのスポーツ

稽古は空手着で。「皆さん、道着を着ると気持ちがキュッと引き締まるといいます」(斎藤さん)

50代からのスポーツ

明るく清潔な稽古場。

50代からのスポーツ

キックミットを使った蹴りの練習はストレス解消にも!

運動前後の心拍数:76→120
突きや蹴りなど型の連続を2セット行ったとき

※「運動前後の心拍数」は体験時のスタッフを測った数値。個人差があるので、あくまで参考に。

『代官山カラテスクール』

表参道駅近くの好立地にあり、施設内も清潔に保たれ女性が通いやすい環境。競技会での優勝経験がある斎藤代表のていねいな指導のもと、段取得も目ざせる。

体験レッスン1回¥2,000、入会金¥12,000、月謝¥13,500 ※税込 

東京都渋谷区神宮前3の4の7エルム青山B1 

☎03・3489・7553 

www.d-karate.com

須永先生のひと言

意識して呼吸を行うので、自律神経のバランスを整える効果も。

【5】おすすめのスポーツ④卓球

アラフィーの救世主“ラージボール”でラリー&楽しさが持続!

リオ五輪をきっかけにますます人気が上昇。本格的なレッスンを受けられる教室からお酒を飲みながら楽しく遊べるバーまで、続々と“プレー空間”が誕生している卓球。

東京ドームシティにある卓球場&卓球教室『タクスル』でも、レッスンを受けるエクラ世代が増えているそう。「通常の硬式球より大きいラージボールを使うクラスがあり、初心者や中高年のかたでもラリーが続いて楽しいと人気です」と、講師の鹿目里江子さん。小さな球の動きに瞬時に反応する卓球は敏捷性や動体視力を養い、ラリーが続くと心肺機能が高まる効果もある。性別や年齢を問わずプレーできるので、夫婦や親子で一緒に楽しめるのも魅力だ。

50代からのスポーツ

’18年の世界選手権で使われたものと同仕様の卓球台も設置。

50代からのスポーツ

左が直径44mmのラージボール(通常の硬式球は直径40mm)。

50代からのスポーツ

定員8人の少人数制。女性コ ーチも多く、ていねいな指導が魅力。

運動前後の心拍数:78→128
ラージボールを使ってプレー、ラリーが往復35回続いたとき

※「運動前後の心拍数」は体験時のスタッフを測った数値。個人差があるので、あくまで参考に。

『タクスル ニッタク教室』

卓球教室は平日10〜17時開催。

初心者でも楽しめるラージボール、硬式などレベルに応じた3クラスを用意。※17時以降は一般客が利用できる卓球場に。

入会金¥10,000、レッスン料¥25,000(10回分)※入会特典あり。

東京都文京区後楽1の3の61黄色いビル5F

☎03・3862・0911 

www.tokyo-dome.co.jp/takusuru/

須永先生のひと言

ラージボール愛好者は体力水準が高い人が多いというデータも!

【6】おすすめのスポーツ⑤パデル

50代からのスポーツ

戦略性とチームワークを楽しむラケット競技

強化ガラスと金網が四方を囲むコートでボールを打ち合う競技。ルールはテニスとほぼ同じだが、コートに1バウンドしたあとにガラスや金網に当たってはね返ったボールも打ち返してよい。コートが狭いので体力的負荷が少なく、年代を問わず楽しめる。

『パデル東京』

都内初のパデル施設。レベルに合わせた5つのクラスがあり、初心者でも1期(2カ月 8回)のレッスンで試合ができるレベルに上達。競技会などのイベントも豊富。

体験レッスン料¥500 ※税込 

東京都練馬区関町南1の4の48善福寺公園テニスクラブ内 

☎03・4455・7527 

www.padelasia.jp

\「新スポーツ系」ほかにも……/

フィンスイミング:足ひれをつけて水の中を泳ぎ、スピードを競う競技。

インディアカ:ネットをはさんで羽根のついた特殊なボールを手で打ち合う競技。

【7】おすすめのスポーツ⑥乗馬

50代からのスポーツ

都会のど真ん中で手軽に乗馬を楽しめる

乗馬はやってみたいけど、道具をそろえたり、通うのがむずかしいという人におすすめなのがシミュレーターを使った乗馬。目の前のモニターに映るCG映像と、映像に連動して本物の馬のように動く乗馬マシンで、リアルで臨場感あふれる乗馬体験ができる。

『乗馬倶楽部銀座』

憧れの乗馬レッスンを銀座で受けられるスタジオ型クラブ。英国で開発された高性能の乗馬マシン4台を用意。レッスンも充実、初心~上級者まで幅広く楽しめる。

体験料¥5,000 

東京都中央区銀座2の5の19パズル銀座3F 

☎03・6264・4128 

www.horseclub-ginza.jp

\「シミュレーター系」ほかにも……/

クレー射撃:画面に映るCGの的を模擬銃で撃ち落とし、クレー射撃の感覚を味わう。

シミュレーションゴルフ:ゴルフコースを映す大画面に向かってボールを打つ屋内ゴルフ。

【8】おすすめのスポーツ⑦サップ

50代からのスポーツ

ボードの上に立って川や海を行く、水上スポーツ

ボードの上に立ち、パドルをこいで水面を進むハワイ発祥のウォータースポーツ。海・川・湖などの多彩な水域で楽しめる。不安定なボードの上でバランスをとることで自然と体幹やインナーマッスルが鍛えられ、パドルをこぐことで有酸素運動の効果も絶大。

『横浜SUP倶楽部』

協会公認インストラクターの指導のもと、サップの基本を学べる。大岡川を下って横浜みなとみらいを眺める湾へとこぎ出すレッスンが人気。用具はレンタルOK。

1レッスン¥5,000 ※税込 

神奈川県横浜市中区日ノ出町2の166 Tinys内 

☎090・3502・2701 

http://yokohamasup-club.com/

\「自然系」ほかにも……/

トレイルラン:林道、砂利道、登山道などの未舗装の道を走るアウトドアスポーツ。

・フィールドアーチェリー:山歩きを楽しみながら、弓矢で的を射るフィールドスポーツ。

【9】おすすめのスポーツ⑧スラックライン

50代からのスポーツ

遊ぶ感覚で体を動かしながら体幹が鍛えられる

幅5㎝のラインの上を歩いたり跳びはねたりして技を展開、その難易度や美しさを競うスポーツ。ラインの上で体を安定させて姿勢を保つことが、体幹を鍛えバランス感覚の強化に役立つと医療の分野でも注目されている。集中力アップの効果も!

『ウエストロック 府中店』

使用料を払って自由にスラックラインを楽しむ施設で、スラックラインエリアは都内随一の広さを誇る。厚さ10㎝のマットを使用し、安全性にも配慮している。

初回登録料¥1,200、使用料¥1,200(平日) 

東京都府中市分梅町5の9の1 

☎042・306・6341 

www.westrock-climbing.com/

\「ゆる系」ほかにも……/

・スポーツチャンバラ:当たっても痛くないエアーソフト剣を使って打ち合う競技。

・100㎝走:厳しいルールのもと100㎝(1m)をいかに遅く走るかを競う。

【10】ウエアを平成から令和へアップデート

スポーツをするときは見た目も気にしたい。そこで、今回はアラフィーに人気の3大スポーツ「ゴルフ・水泳・ランニング」のウエアに注目してみました。今どき感あるスポーツウェアの着こなし方をご紹介!

教えてくれた人
工藤満美さん(スタイリスト)

工藤満美さん(スタイリスト)

数多くのメディアで活躍。一般社団法人ランガールの理事を務め、スポーツシーンでのスタイリングも評価が高い。

あなたのウエア、ひょっとして平成のままでは?
ウエアを“令和”にアップデートせよ!

久しぶりにジムへ行ったら、自分のウエアが時代離れしていて超恥ずかしかった!という経験はないだろうか。「素材やデザインが進化して、数年でスポーツウエアのスタイルが変わってしまうこともあります。昔のウエアをクロゼットの奥から引っぱり出すのではなく、令和の潮流に合わせて選び直しましょう。最近は、日常のカジュアル着としても活用できるスタイルが人気に。エクラ世代はロゴやラインが大きく入ったトゥーマッチなデザインを避け、さりげない洗練さを感じさせるものを選びましょう」

【ゴルフ】

「バブル期にゴルフを経験したアラフィーは、ウエアを盛りすぎる傾向が。甘めなデザインのバイザーや、ニーハイソックスはイタすぎます!(笑)。シンプルなセーター×チェック柄のパンツなどトラッドを意識したスタイルですっきりまとめて」

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50代からのスポーツ

<現在>

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【水泳】

「ストレッチ性が高く、体にフィットしながらシルエットを美しく見せる、フィットネスタイプの水着に注目です。従来の競泳着では気になるVゾーンもしっかりカバー。速乾性にも優れ、水から上がってもそのまま快適に過ごせます」

<以前>

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【ランニング】

「あれほど流行(はや)ったランスカ+タイツもすでに過去の遺物(笑)。ナイキのテックフリースが火付け役になったジョガーパンツと、ちょい“肌見せ”のトップスが現在の主流に。ラン後にカフェに寄っても違和感なし、のスタイルを目ざして」

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