これもひとえに、これまで地道にコツコツと韓流ドラマを紹介してきたこの連載のおかげ……な、わけはもちろんありませんが、おうち時間が長くなったことが、このブームを呼び込んだ大きな要因であることは間違いないようですね。
家にいる時間が長くなったから何か観よう → そういえば、愛の不時着が面白いって聞いたけど → 配信だからすぐ、手軽に観られるから、とりあえず観ちゃおうか → 何、何?これ、面白いんですけれど! → 笑い、涙、じ〜ん → ねえ、ねえ、愛の不時着観た? 何、観てないの、だったら絶対観て観て! なんてノリ?
実は舞台女優&シャンソン歌手をしている私の友人は、冬ソナ時代以来、全く韓流ドラマを観てなかったそうですが、ここに来て10年以上ぶりに「愛の不時着」を視聴、ヒョンビンロスに陥ったそうです。「あの時代よりも韓流ドラマのレベルが全然上がっている!」というのが常に辛口な彼女の感想。
確かにそうなんです。実は、韓流ドラマは日本以外の海外、とくに中国やタイなどのアジア人気が高く、政府も外貨獲得産業として全面的に推奨&サポートしているようで、お金のかけ方が半端ない。そのせいかロケやセットなどは映画スケールのものも多く、脚本家に演出家などもとにかく優秀な人材が多く集まっているらしい。
ということで、ストーリーもメロドラマに終始することなく、現代の人々が抱える多くの問題を織り交ぜながら、お得意のロマンスやサスペンスをベースに緻密につむいでいく身に染み入る作品も多く、あらゆる方向からの見ごたえ感がずっしり。しかも、ゆらぎないエンタメ性を柱に置いているので、誰が見ても楽しめるという寸法なのです(余談ですが、映画の「パラサイト」も、映像もテーマ性も細部にまで緻密にこだわりながら、芸術作品というよりは圧倒的なエンターテイメント作品として仕上げているところが私は大好きです)。