【コロナ禍で急増!イラッとしたときの大人のマナー】「イラッ」とした後、大人がとるべきふるまいとは?

コロナの影響なのか、最近イラッとするアラフィー女性が急増中! でも、好きでイライラしている人なんて、きっといないはず。爆発しがちな感情と上手に付き合うため、怒りの本質についてアンガーマネジメントの安藤俊介さんに教えてもらいました。
日本アンガーマネジメント協会代表理事 安藤俊介さん

日本アンガーマネジメント協会代表理事 安藤俊介さん

怒りの感情と上手に向き合うためのトレーニング「アンガーマネジメント」をアメリカから導入した日本における第一人者。教育現場から企業まで、幅広く普及に努めている。

上手なコントロールで、むだな怒りは消えていく

人間誰しも、イラッとすることはあるもの。それをいかに表に出さずにコントロールするか、もしくは、イラッとする回数自体をいかに減らすかが大切。少し前から、「怒りだしそうになったら、まず6秒待て」といわれているけれど……その6秒の間に冷静になるどころか、あれこれ感情が渦巻いて、むしろ怒りが増幅するばかり。

「ああ、それはやり方を間違えていますね」と、いきなりバッサリ斬ってくれたのは、アンガーマネジメントの達人、いつも穏やかな安藤俊介先生。

「その6秒は、何も考えないのがポイントです。怒りを反芻するのではなく、6秒で、自分を冷静に立ち返らせるのです。基本として、怒りをコントロールするには、衝動→思考→行動の3つのステップがあります。『6秒待て』は第一段階の衝動のコントロール。条件反射的に感情を爆発させないようにします。次が、思考のコントロール。『果たしてこれは、本当に怒るべきか?』と判断することです。そして『このケースは怒るべき』と判断したら、行動のコントロールを行いつつ、怒りを的確に相手に伝えます」

そもそも、“怒り”とはなんなのか? 正直、同じことをされても、場合によって、あるいは相手によって怒りの感情がわかないことも。

「では、ライターを想像して、怒りを炎だと考えてみましょう。炎を燃やすために必要なのは、まず、着火石をこすり合わせて火花を散らすこと。もちろん、それだけでは炎は上がりません。そこには、火花を炎に変えるエネルギー=ガス、が必要になりますね。……さて、この着火石をこすり合わせるスイッチになるのがあなたが考えている“べき”が裏切られる事態。それを炎に変えるガスが、ストレスがたまっている、疲れている、不安、つらいなどのマイナスな感情、状態なのです」

[怒りのメカニズム]

怒りのメカニズム
電車内で携帯の通話をしている人を見て、「電車で携帯電話の通話は避ける“べき”」と考えている自分の“べき”が裏切られて着火石がこすられる。しかも、仕事帰りで疲れているというマイナスの状態がガスになり、怒りの炎が燃える、ということですね?

「そのとおりです。同じことをされても怒ったり怒らなかったりするのは、自分の機嫌がよくて怒りを燃やすガスがなかったり、相手を好ましく思っているため、“べき”のジャッジが甘かったりなどの理由があるのです。というわけで、怒りの炎を燃やさないためには、2通りの方法があることがわかります。まずは、ガスとなるマイナスの状態を改善しておく。さらに、“べき”の思い込みをゆるめて、着火石をこする回数を減らすことです」

マイナスの状態を改善するには、よく眠るとか自分の機嫌をよくしておくだとか、改善方法に想像がつくけれど、“べき”のほう、着火の回数を減らすにはいったいどうしたらいいものやら。

「電車内で携帯に出ることすら許せないと思うなら、『出ても、電車内だから、と断って切るならいいかな』と思ってみるなどですね。こうやって、少しずつ許容範囲を広げていくトレーニングをするのがおすすめです」

そして仕上げは行動のコントロール。

「“怒り”が恐ろしいのは、それを表現する際の取り乱した行動があまりにみっともないこと。アラフィー女性がこれまで積み重ねた社会的信頼も素敵な印象も、一瞬にして崩壊しかねません。そんなことにならないよう、ぜひ、怒りを上手に伝える行動のコントロールを身につけてほしいと思います。次の記事から具体的な方法を紹介しますが、実はとても簡単なことなのです」

[怒りをコントロールする3つのアプローチ]

怒りを感じた瞬間にまったく関係のないことを考えて意識をそらす

《衝動のコントロール》

イライラが「きたな!」と感じた瞬間に、思考を停止、もしくはまったく関係のないことを考えて怒りから意識をそらす。ゆっくり数を数えたり、頭の中に真っ白な紙が広がっていく様子をイメージしてもいい。

《思考のコントロール》

凝り固まった自分の“べき”を少しずつゆるめていく。許容ゾーンを広げていくことで、イライラする回数そのものを減らせる。さらに、気分によって許容範囲が変わらないよう、ゾーンを一定に保つ努力をする。

《行動のコントロール》

怒るべき場所でも感情的にならず、その思いを冷静に伝える。感情をぶつけてもなんの解決にもならない場合がほとんどなので、「こうしてほしい」というリクエストを、具体的に伝えるよう意識するとうまくいく。

 

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