「Nizi Project」に続き、今、話題のサバイバルオーディション番組「I-LAND」
Nizi Projectをきっかけに日本でも盛り上がる韓国オーデション番組
日本人だけで結成された9人組グローバルガールズグループ「NiziU」。もうご存知ですよね。
平均年齢わずか16歳ちょっとというこの少女たちの虜になっているアジュマ(おばさん)が実は私のまわりには山程いますが、みなさんのまわりではいかがでしょう?
日テレの朝の情報番組「スッキリ」でも毎回取り上げられたこともあり、エクラ世代での認知度もかなり高い模様。本格的デビューは、まだですが、プレデビューとして配信された「Make you happy」はすでに1億回以上(!)も再生されており、縄跳びダンスと呼ばれるその振りつけを自らコピーしてSNSに動画アップする人も後をたたないようです(日本の芸能人たちも!)。
彼女たちは、日本のソニーミュージックと韓国の大手芸能プロダクションJYPエンターテインメント(2PMやTWICEなども所属)が合同で行った「Nizi Project(虹プロジェクト)」というオーディションで1万人以上の中から勝ち残った9人。20歳にも満たない少女たちが、幾度となく過酷な課題を与えられ、厳格なる審査(ダンス、ボーカル、スター性、人柄)という現実をつきつけられるなか、今もてる全スキルを総動員して、毎回大きな壁を乗り越えつつデビューを勝ち取っていく……。
そんな健気に頑張る姿をリアルタイムで共有すれば、私たちアジュマ世代だって虜にならない理由がございません(JYPの代表でアーティストのJ.Y.Park氏の心に響くコメントも毎回話題になりましたね)。女性アイドルにはさほど興味を抱かない私ですが、それでもやっぱりまんまとハマってしまったのは、自らと向き合いながら真摯にスキルを磨こうと努力するピュアな心と姿がキラキラと切なく、とうの昔にいろんなことをあきらめてしまっている心にも深い感動と癒やしをもたらしてくれるからにほかありません。だから、ついつい応援したくなる……。
で、今回のテーマは韓国の「サバイバルオーディション」。
実は、韓国では、ドラマにおいても、“オーディション” “練習生” “大手芸能事務所”はネタになりやすく、スターを夢見て奮闘する少年少女の姿や、アイドル育成の過程を描いた青春ものがたびたび作られるほど。そこで、今回は日本での人気に乗じて【番外編】として、お届けしようと思った次第!
現在放送中の「I-LAND」では、BTSも応援に駆けつけた
次世代を担うK-POPアーティスト誕生の過程を観察して感動を共有
BTS、EXO、SEVENTEEN、BLACKPINK、TWICE などなど自国のみならず、世界を舞台に活躍するアイドルグループを数多く輩出している韓国。そんな世界的アイドルを目指してプロダクションの練習生として日夜レッスンに励む少年少女たちが韓国には大勢スタンバっています。彼らの目標はもちろん世界ですが、その前に勝ち取らなければならないのが、デビューという最初の最難関。で、そこに至るまでには、今回のNizi Projectのような数々のドラマが当然繰り広げられるわけでして、韓国では、そんな練習生のデビューをかけたサバイバルオーディションをリアルタイムに追いかける番組が数多く放送されているのです。
脱落していく練習生と勝ち残っていく練習生と。サバイバルという名にふさわしいまさに生き残りをかけた壮絶なる闘い。誰が残るか、はたまた落ちてしまうのか、毎回毎回見るごとに手に汗握るハラハラドキドキの展開で楽しませてくれるのはもちろんですが、観終わった後は、なぜか一生懸命運動をした後のような、大きな仕事をやり終えたような爽快な充足感に満たされるのが韓国のオーディション番組のよきところ(まあ、オシが落ちたときの落ち込みはかなりなものもありますが……)。
ライバルは蹴落とす対象では決してなく、切磋琢磨し合う、同じ夢を目指すかけがえのない仲間であり(じ〜ん)、審査員やトレーナーたちは、徹底的に厳しいけれども、優しく見守るサポーター的なスタンス(上辺だけの偉そうな上から目線が一切感じられない!)がベースになっているところが見ていて好感度大の大きなポイント。
「I-LAND」ではユニットを組んで曲を披露し、コンセプトへの理解度やチームワークも試される
で、私も昨年、あのワナワン(すでに解散)やIZ*ONE(元AKB48の宮脇咲良もメンバー)を世に送り出したサバイバルオーディション番組「プロデュースX101」で開眼(そこで101人の練習生の中から選ばれた11人は「X1」という名のグループでデビューしたものの、番組の投票操作などが発覚し、あえなく解散)。新しいサバイバルオーディション番組が始まれば、速攻でチェックするというにわかマニアになっている次第なのです。
「I-LAND」はBTSの所属事務所が製作に加わっているだけあって志願者は精鋭揃い
世界アイドルを養成するためだけの空間も見ごたえあり!の「I-LAND」
そんな私が、今、心待ちにしているのは、「ABEMA(アベマ)」で毎週金曜夜11時から放送されている「I-LAND」(9月17日現在)。こちらは、かの世界的ボーイズグループBTSの所属事務所ビッグヒットエンターテインメントと、音楽専門チャンネルMnetを保有する韓国の大手エンターテイメント企業CJ ENMがタッグを組んで製作するサバイバルオーディション番組。
ドラマの主役となるのは、次世代のBTSを目指してレッスンを積んだ、世界各国から集まった志願者23人。その彼らのドラマが繰り広げられる舞台となるのは、この番組のために、なんと3年の歳月と200億ウォンをかけて作られたというその名も「I-LAND」という巨大な建物。かつて漫画「巨人の星」で大リーグボール養成ギプスというとてつもなく過酷なトレーニングツールが注目されましたが、こちらはまさにその建物版とでもいいましょうか。練習室から、課題を披露するステージ、生活するベッドルームに談話室まですべて世界アイドルを養成するためだけの空間として特別に設計されているというからスゴイ。これだけ聞いてもかなり壮大で、面食らうほどのスケールです。
I-LANDと呼ばれる建物の中には、練習室はもちろん、舞台や居住空間などすべてが揃っている
ビッグヒットエンターテインメントのパン・シヒョク代表が、総括プロデューサーとして出演
死闘を繰り広げる23人は、すでにこのオーディションに出るために選ばれた精鋭揃いとあって、スキルの高さもビジュアルも半端なく、まずはそれだけでも十分惹き込まれてしまうのですが、実は、この23人のなかに、日本人3人が含まれていて、これがなかなかの上玉。で、その3人の行方を追うのも、ハラハラドキドキの大きな見どころのひとつなのです。
練習期間が一番長く、歌も踊りも23人の中でも一目置かれるほどのスキルを持っている最年長のケイ(長身でビジュアルもナイスゥ)。2005年生まれで練習期間は浅いながら、きれっきれのダンスのうまさは練習生中ナンバー1(と私は思っているのですが)のニキ(今っぽいオシャレ感のあるビジュアル)。そのニキと同い年で、ブロックダンスを得意とし、誰からも愛されるマンネ(末っ子)的なタキ(練習期間も短いこともあってスキルはやや低め)。この3人をめぐるドラマも、目が離せなくなる展開が目白押し!
もちろん、3人のほかにも元フィギアスケーターのソンフン(貴公子のような清潔感あふれる存在感。スケーターとしても韓国代表候補に選ばれる実力)、すでに芸能人の風格さえ感じられるヒスン、情熱家で真面目なイケメンなのになぜかお笑いシーンの多いジェイなどなど、魅力あふれる面々がいっぱい。そんな彼らが繰り広げるのは、まさに筋書きのないドラマ。スキル的にも人間的にもぐんぐん成長していく姿に、疲れ切ったアジュマ(おばさん)が感動しないわけがございません。
元フィギュアスケーターのソンフン
練習生歴が最も長いヒスン
愛されキャラのジェイ
最終的にデビューできるのは、現在残っている9人の精鋭たちの中の7人。
果たして誰が残るのか、日本人志願者はどうなるのか。息をするのも忘れるほどにのめり込んでしまうこと必至です。実は9月18日が韓国と同時生放送の最終回。審査員の評価と視聴者の投票によってデビューする7人がいよいよ決定。
あ、私は間に合わないわ、あら、もう終わっちゃてると思った人も大丈夫。この番組はすべてABEMAビデオにアーカイブされるので、いつでも好きなときにじっくりと筋書きのないドラマに没頭できるという次第。
何か楽しいことない?なんて思っているエクラ世代こそ、ぜひ。番組自体にのめり込む楽しさはもちろんのこと、番組終了後もデビューしたこのフレッシュなボーイズグループを追いかけるという、胸ときめくアジュマのための次なるステージが用意されているのです。めくるめく瞬間はつきることない……これこそ、サバイバルオーディションを視聴する大いなる醍醐味。ぜひ、一度でもいいので、味わってみてくださいませ。
その言葉、気になる! ドラマのハングル・ワンポイントレッスン
【앞으로도 진짜로 열심히 하겠습니다】(アプロド チンチャロ ヨルシミ ハゲッスムニダ)
「これからも本当に一生懸命がんばります」
今回はドラマではないので気になるハングルはお休み……と思っていたのですが、いいフレーズを見つけちゃいました。日本語訳を見てもおわかりのとおり、こちらは筋書きのないドラマのなかで全ての練習生たちが何度も何度も繰り返して使う言葉です。
最初の「앞으로도(アプロド)」の앞으로(アプロ)は「これから」「今後」「将来」という意味で、今後の目標や心構えなどを伝えるときによく出てくる表現。
これに続く「도(ド)」は日本語の助詞「〜も」にあたる表現で、主語や目的語などさまざまな名詞の後ろにつけて使われます(日本語と全く同じですよね〜)。例えば「私も」なら「나도(ナド)」、「今日も」だったら「오늘도(オヌルド)」となります。単語とひとつづきで発音されてしまうので、ドラマでこれが聞き分けられるようになると、あ、私も韓国語、少しは分かってきた?なんて悦な気分に浸れちゃったりして(なかなか聞き取れませんけどね……)。
次の「진짜로(チンチャロ)」は「本当に」という意味。
「열심히(ヨルシミ)」は、次に続く「がんばります」「やります」という意味になる「하겠습니다(ハゲッスムニダ)」を修飾する単語で「熱心に」「一生懸命」という意味。この「ハゲッスムニダ」ですが、通常、「〜します」というときは「합니다(ハムニダ)」というフレーズが使われますが、より強い意思を示す場合には、この「ハゲッスムニダ」が使われるようです。
そうなんです、練習生たちの強い意志と切実なる想いがこの単語には秘められているというわけで、実際、この言葉がたびたび登場するのは、生き残りか脱落かが決定した直後のまさに佳境となるシーン。毎回、毎回、胸締めつけられずには聞けないフレーズで、観ている私としては涙ながらに「나도 앞으로도 열심히 응원하겠습니다(ナド アプロド ヨルシミ ウンウォナゲッスムニダ)」「私もこれからも一生懸命応援するからね(T_T))」と語りかけずにはいられないわけなのです。イヤ、ホントに。
■『I-LAND』最終回、「ABEMA(アベマ)」にて放送! BTSとTXTの出演も決定!
9月18日(金)夜8時から日韓同時生放送。
いよいよ志願者の中から2020年にグローバルアイドルとしてデビューできる7人が決定する。最終回にはBTSとTXTの出演も発表され、ますます盛り上がること間違いなし!
また、最終回直前、夜7時からは『I-LAND最終回直前!K-POP特番〜SEVENTEEN独占パフォーマンス〜』も配信!グローバルボーイズグループSEVENTEENが登場し、新曲『24H』を披露する。企画内では『I-LAND』で繰り広げられたこれまでのミッションを振り返るほか、志願者の紹介、そして誰が最終メンバーに選ばれるかも予測。『I-LAND』最終回をより楽しめる内容になっている。
山崎敦子
旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。