見逃せない!ジュノ(2PM)主演の最新時代劇韓ドラ『赤い袖先(原題)』【見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビvol.19 前半】

エクラの美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ。19回目の今回は、昨年末「MBC演技大賞」で8冠を受賞した話題のロマンス時代劇『赤い袖先(原題)』をご紹介!
ジュノとイ・セヨン
名君イ・サン役のジュノ(2PM)と、ソン・ドクイム(のちの側室、宜嬪成氏/ウィビンソンシ)役のイ・セヨン ©2021MBC

第22代王イ・サンと女官の狂おしく切ないラブストーリー

 すでに新年気分は遠い昔のこととなっているかとは思いますが、改めまして、2022年、明けましておめでとうございます。相変わらずのコロナ禍ではありますが、今年こそ、どうかどうか、楽しい一年となりますように。

 だとしたら、やっぱりエンタメが必要ですね。毎年楽しみにしているNHKの大河ドラマも期待の新ドラマが始まりましたが、今年は鎌倉幕府の2代目執権北条義時が主人公。義時といえば、源氏の血筋を絶やしたなど、これまではどちらかというとダークなイメージが強かった人物ではありますが、関東豪族・北条時政の二男であり、頼朝の側近であり、政子の弟であり、そして、鎌倉幕府の基盤をつくって君臨した執権。

 そんな歴史の事実をつなぎながら、脚本の三谷幸喜がどう脚色&肉付けをし、そして、主演の小栗旬がどんな人間・北条義時を生きるのか、時代劇好きの私としては、考えるだけでもワクワクしてしまうのですが、さて、みなさんはいかがでしょうか。
赤い袖先 ジュノ
©2021MBC
 そして、この作品。もちろん、こちらも史実が題材の時代劇です。
 
 朝鮮王朝時代、宮廷には王に仕える宮女(クンニョ=王や一族の身の回りのサポートをする女性)と呼ばれる女官が500〜600人いたとされています。宮女たちの制服となるチョゴリには、袖先(韓国語ではクットン)に赤く染められた布が施されているものが多いのですが、その袖先の赤は「王の女」であることを意味しているのだといわれています。

 タイトルの「赤い袖先」は、つまりは宮女の服の袖先のこと。5歳ぐらいで宮中に入り、結婚することはもちろん、他の男性と触れ合うことさえ禁じられ(王の女ですからね)、一生その身を宮廷に捧げるのが宮女の運命。なのに、宮中で死ぬことは許されず、働けなくなると出廷をよぎなくされるという……。

 このドラマは、その宮女であるソン・ドクイム(のちの後宮・宜嬪成氏=ウィビンソンシ)と、朝鮮王朝第22代王となる正祖(チョンジョ=本名はイ・サン)の切なく狂おしいラブストーリー。ロマンス大好物の時代ドラマ好きとしては、もうこれだけで身悶えせずにはいられないのですが、すぐにでも画面に飛びつきたくなるハヤる気持ちをまずは抑えて、まずはその歴史を紐解いてみましょう。もちろん、そのまま観ても十分に堪能できるのではありますが、歴史を知っておくと断然ドラマが深く、そして面白くなることうけあいなので。
赤い袖先 イ・セヨン
©2021MBC

名君でありながら、実は朝鮮王朝で最も苦難の人生を送った王⁉

 ということで、朝鮮王朝第22代正祖(在位は1776〜1800年)です。25歳で即位した正祖は、身分や派閥に関係なく優秀な人材を登用し、疲弊した国土回復のため商業を推奨、民に利益をもたらす実学(社会生活に実際に役立つ学問)を重視するなどなど、旧習にとらわれない改革政策(朝鮮ルネッサンスと呼ばれている)を次々と推し進めてきた名君としての誉れ高き人物。と聞くと、颯爽とした知的ヒーロー的イメージですが、実は朝鮮王朝のなかでも最も忍従を強いられた苦難の人生を送った王ともいわれているのです。
 というのも、正祖は、先王である第21代英祖の息子ではなく、孫。つまり、本来だったら、父である思棹(サド)世子が次の王位につくわけなのですが、思棹世子は英祖の怒りをかって、なんと米びつに閉じ込められ、その8日後に餓死するというなんとも悲惨な最期を遂げてしまうのです。

 その要因ともいわれるのが政権を巡る派閥争い。権力を掌握したい最大派閥の重臣たちは思棹世子の非行を英祖にたびたび密告。それを信じた英祖が激昂、真偽を確かめることもせずに米びつ事件に及んだという……(歴史ってマジで怖い)。思棹世子の精神的重圧も相当だったようで、最後は王宮を抜け出し乱行に及んだり、宮女を殺害したりなどの行為を繰り返していたようですが……。
赤い袖先 ジュノ
©2021MBC
 息子を死に追いやったことをいたく後悔していたという英祖は、正祖を8歳で王世孫(ワンセソン=次の王を約束された王子。息子だったら王世子)とし、英才教育で育て上げるのですが、重臣たちはもちろん、王后(米びつ事件にも絡んでいたといわれる)や伯母の王女など近親者も含めて、正祖のまわりは敵対する人物ばかりで心許す相手もいないという……。
 
 偉大な祖父の脅威(父のようにいつ怒りをかうかわからない……)と、常に政敵たちに命を狙われているという緊張張り詰める状況と。実際に、暗殺の危機を命からがら回避するという事件も一度きりではなかったとされています。

(後半に続く)
■CS放送局 KNTVにて『赤い袖先(原題)』日本初放送
【第1・2話先行放送】3月11日(金)後8:00~10:30 ※2話連続放送
※4月本放送スタート
山崎敦子

山崎敦子

旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。
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