相変わらず美しかったソフィーマルソー。ちょっとネタバレ有り。

やっと観れたソフィー・マルソーの『すべてうまくいきますように』。尊厳死を望む父親に翻弄される娘を、生々しく且つキュートに演じたソフィー。やっぱり揺るぎなく美しかった。
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私の母も89歳を迎え、母の日常も、持ち前の気丈さだけではうまくいかない事も増えてきて、東京と福岡を行き来、同居してくれている姉と話し合う機会も増えてきました。

そんな中、私には本当に久しぶりの感あるソフィー・マルソーの主演映画。テーマが尊厳死と言う事もあり、私の母がそれを望む事はまずなさそうだし、まだまだ長生きしてくれそうだけど、年々出来ない事が増えていく母への家族としての『心の使い方』の参考にもなるかもと、ミニシアターでの上映最終日に駆け込みました。

まずちょっと嬉しかったのは、上映館だった東京菊川の『ストレンジャー』というミニシアターの素敵さ。かわいいブルーを基調にしたデザインが印象的なカフェで上映前に軽く食事。恐らくミントが香るチキンサンドも丁寧に考案されたのだろうなと思える美味。コーヒーも苦すぎず、香りもフルーティーで私好みでした。
映画館の椅子が綺麗なブルーでフッカフカで、角度も絶妙で腰も痛くならず快適でした。

20代の頃は仕事が終わってから、よく同僚と一緒にあるいは一人で、銀座や渋谷のレイトショーに通いました。東京のミニシアターが少しずつ減っていって、今や配信で映画を観る時代。私もその流れに乗ってはいます...。でも、こうやって映画を観るためだけに足を運ぶ場所があり、暗闇に身を潜めてどっぷり映画の世界に入り込める文化は消えてほしくないですね。
『ストレンジャー』と言う館名から、なんとなく同時代の匂いを感じますが、クラウドファンディングで設立されたミニシアターなのだそう。こんな風に上質な映画を丁寧に扱う映画館はとっても有難いし、貴重です。通って応援していきたいと思いました。



アジアンニュアンスのハーブが香るチキンサンド。美味。
映画は、パリを舞台にした、ひとつの家族のお話。自由奔放で頑固で、娘たちにも幼少期から子供扱いせず、容赦なく接する。美しいものを至上とする父親が、脳卒中で倒れ、体の自由を奪われた事により、尊厳死を希望し、娘たちに介助を申し入れる…。
印象的だったのは、ソフィー演じるマニュが、仲良しの父親の友人に、尊厳死を希望する父親への葛藤を吐露し、「(今までずーっとホントに最低な父だが)大好きな人だ。友達だったら良かった」みたいな事を言う。するとその父親の友人は「だったら友人のように考えて接すれば良いわ」と答えるシーン。分かるわぁ…マニュ。その友人のアドバイスはそのまま私へのアドバイスとなりました。それぞれ状況は違うけど、私みたいに眼からウロコの人、多かったかもしれません。
相変わらず美しかったソフィーマルソー。ちょっとネタバレ有り。_1_3
ソフィーのファッションや住んでいるアパルトメントの家具など、コバルトブルーと、青味がかった赤が、要所で効果的に使われていて、映像的にも美しい映画。10代、20代のように映画を貪るように観ていたころから、遠く年月が経ち、恥ずかしながらフランソワ・オゾンの他の作品を観ていませんが、きっと美しいのでしょう。改めてゆっくり鑑賞したいです。
10代の頃、『ラ・ブーム』のソフィーのファッションを真似して、ヘインズの白Tにケミカルジーンズ、エスパドリーユを履いて(もしくはオックスフォードの白のスニーカーね)ボーイフレンドと映画デートしていました。

フランスの女優さんと言うか女性は、本当に歳の重ね方が上手というか、理想です。力が抜けていて、無理がないけど、手は抜いていない。
今も間違いなく美しかった、大好きなソフィー•マルソー。
菊川ミニシアター『ストレンジャー』インスタグラム
祥子

祥子

東京都在住。薬膳師。夫と二人暮らし。金魚のチビ助達も一緒。趣味はマラソン。自称『走る薬膳師』。ゴルフをたまに。旅行。鹿児島の自然農法農家さんの支援はライフワーク。

Instagram:shoko_suaylife

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