富岡 小さい頃は、どんなお子さんだったんですか?
若宮 いろいろやってみる子でした。まーちゃんがやると言ったら、誰にも止められない (笑)。小学生のころは戦争中でしたから、ろくに教育を受けていないんです。私はそんな中で、ニワトリがすごく気になってね。卵を抱いて21日目には雛が生まれる。どうしてだろう?って、毎日ニワトリを見張って、卵の殻が割れてピヨピヨひよこが出てきたときは感動しました。
富岡 あー、わかります! 興味を持つと、とことんのめり込むんですね。
若宮 高校を卒業してからは、銀行に就職しました。私はお札を数えたりそろばんはじくのが本当に苦手で、初めのうちは肩身が狭かったんですけど、そのうち世の中が変わりまして、登用試験なんかも受けまして、ぼちぼちと。40何年ずっと、定年まで勤め上げました。
富岡 そこから20年余。定年になってから先も、人生って長いですよね。どうしようって不安になるくらい。
若宮 いえいえ、60を過ぎるとね、人生っておもしろくなるの。会社勤めしている間は、知らず知らずのうちに頭の中が、いろんなものに縛られているのね。会社の規律とか社会常識とか人間関係とか。でもそれがだんだん、プツプツプツってとれていく。とっちゃっていいんです、もう。刑法上の悪いことでもしない限りは、何をしたっていい。だから前よりも自由にものが考えられるようになりました。
富岡 なんだか私も、先が楽しみになってきました(笑)。健康のためになさっていることはありますか?
若宮 毎日やることがいっぱいあって、自分の健康を考えている暇がないんです(笑)。週に2回はウチでパソコン教室を開いていますし、ネットのオフ会もありますし、児童養護施設
のサポーターなんかもしていますし。
富岡 素晴らしい! どうすればそんなふうに若々しく年齢を重ねることができるのでしょう?
若宮 あら、これからおもしろくなる60代、もっと楽しい70代、めちゃめちゃ素晴らしい80
代が待っているんですよ。やりたいこと、なんでもできるじゃないですか。私は今、時間があると電子ピアノを練習していますけど、始めたのは75歳のときでした。
富岡 みんなが諦めてしまうようなことを次々と!(笑) 私も何か新しいこと、始めたくなりました!