富岡佳子が会いに行く 女性学の第一人者 上野千鶴子さん

2017年9月12日
50代は、人生の転換期。eclat10月号では、富岡佳子さんが女性学の第一人者の上野千鶴子さんに“50代の在り方”について伺いました。

Q.「若いね」とはいわれても本当に若くはなく、かといって落ち着いてもいない。50代はどうあるべきですか?(富岡さん)

A.50代は女性の人生の転換期。体力も気力も十分な今のうちに、人生の優先順位をきっちり考え、生き方を見直して(上野さん)

■50代は転身したり起業する、最後のチャンス

 以前から上野千鶴子さんの大ファンという富岡さん。とはいえ、厳しいかたなのでは? と、緊張しながらオフィスの扉をたたいてみた・・・。

富岡 あの、先生はご著書で、世の中の構造とか男女の関係性を、すごくわかりやすく説明してくださいますよね。先生から私たちエクラ世代は、どう見えているんでしょう?
上野 50歳前後ですよね? 時代背景としてはポスト均等法世代。女が働くことが、ようやくあたりまえと認められた世代です。80年代バブルは経験しました? その最後のほうかしら。
富岡 ギリギリです。バブル最盛期は知りませんけど、破綻した後の就職氷河期は知らずにすみました。
上野 年齢でいうと50代は、女の体の節目です。私も経験しましたけど、更年期で体が変わるから、ちょっと動揺する。家族という観点からいうと、50代は黄金期。子育てが終わって介護はまだ始まらない。夫はまだ働いているから不在がちで、最高です(笑)。経済的にもピークだし、人生で一番自由度が高い時期ですよね。
富岡 確かにそうかもしれません。でも同時に、なにか宙ぶらりんというか。「若いね」と言われても、本当に若いわけではないし。それでいて本来50代に求められるような落ち着きや貫禄は身についていないし。私はこれで、このままでいいのかしら? って。
上野 確かに、変わるなら今、というタイミングかもしれません。50 代は実は、何か新しい局面に転身したり起業したりする、最後のチャンスなんです。企業の中にとどまっていても、限界が見える頃ですから、そろそろ頭打ち。50代ならまだ、起業のための体力も気力も、欲もありますから。
富岡 それはすごく感じます。定年と言われる60歳までの残り時間が、どんどん減っていく(笑)。ここで変わっていかないとその先が、と、最近考えるようになりました。
上野 例えば学校に戻るとか資格を取るとか、早期退職して起業するとか。40代のうちから準備する人はたくさんいますよ。私は主婦5人が100万円ずつ出して作った会社のサポートをしたことがあるんです。平均年齢52歳。子育てをして地域の活動や環境保護活動もして親の介護もして、彼女たちはいわば超キャリア、有能なんですよ。途中から年収500 万に届くほど順調で、20年後に解散しました。それ以前は彼女たち、食べ歩きとか趣味の会とかいろいろやっていたけど、仕事のほうがずっと面白かったんですって(笑)。

切れ味鋭い著書は、まさに「上野語録」

 誰にとっても身近な上野さんの文章は、朝日新聞土曜版の人生相談コーナー(月1回担当)ではないだろうか。実は富岡さんも楽しみにしているひとり。読み手を引き込む文体は、すでに’80年代初めの『セクシィ・ギャルの大研究』で登場しており、「上野語録」本もあるほど。現在は『おひとりさまの最期』など老後のあり方を考察する著作も多い。

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