メゾンエルメスにて、アートとエコロジーの接点にふれる【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#58】
「つかの間の停泊者」展、と称する展覧会が、銀座メゾンエルメスフォーラムにて開催中です。「つかの間の停泊者」、それはいったい何なのでしょう? アーティストたちのトークセッションと内覧会に参加しました。
ウェブエクラ編集長 シオヤ
50代女性のための雑誌&ウェブメディア「エクラ」のウェブ担当編集長。155cmのアラフィー。ビューティ・小柄担当多め。鈍感肌。盛ってます。
銀座のメゾンエルメスの中にある「フォーラム」というギャラリースペースにいらしたことは、ありますか? 芸術や技術伝承、 環境問題、教育などにかかわる活動への支援を行うエルメス財団主催のギャラリーです。こちらで現在、アートとエコロジーの実践にフォーカスした「エコロジー:循環をめぐるダイアローグ」のグループ展 ダイアローグ2「つかの間の停泊者」という名の展示が行われています。
内覧会では、出展しているアーティストたちによるトークセッションが行われました。
フランスからニコラ・フロックさんとラファエル・ザルカさん、ニュージーランド出身のケイト・ニュービーさん、そしてパリと千葉を拠点に活動されている保良雄さん。
それぞれ写真、彫刻、陶芸……など、様々なアプローチで作品を発表されています。
お話を伺っていると、それぞれ扱う対象も水、土、木、氷……と様々で「エコロジー」という言葉のもと、その対象の幅広さ、大きさの途方もなさを思い知らされます。
保良さんが「異なる人種間で争いがあっても、誰もが同じ水を必要としている」とお話されていたのが印象に残ったのですが、途方もなく大きな地球環境の中の、小さな存在も、必要なものは同じところにいきつく……。いつになっても穏やかでない世の中ですが、そんなことを感じさせられました。
フランスからニコラ・フロックさんとラファエル・ザルカさん、ニュージーランド出身のケイト・ニュービーさん、そしてパリと千葉を拠点に活動されている保良雄さん。
それぞれ写真、彫刻、陶芸……など、様々なアプローチで作品を発表されています。
お話を伺っていると、それぞれ扱う対象も水、土、木、氷……と様々で「エコロジー」という言葉のもと、その対象の幅広さ、大きさの途方もなさを思い知らされます。
保良さんが「異なる人種間で争いがあっても、誰もが同じ水を必要としている」とお話されていたのが印象に残ったのですが、途方もなく大きな地球環境の中の、小さな存在も、必要なものは同じところにいきつく……。いつになっても穏やかでない世の中ですが、そんなことを感じさせられました。
会場の「フォーラム」は、8階・9階の2フロアで構成され、高い天井を活かし、大胆な展示がされているのも見どころの一つです。
写真家のニコラ・フロックさんによる、海の中を自然光で撮影したモノクロ写真の美しさに目を奪われました。それだけでも静かな迫力のある写真が、大きなプリントで掲示されていると、グンと力をもって迫ってきます。一連のモノクロ写真は”Invisible”というタイトルが付けられていますが、フランスのほか日本の海で撮影されたものも。
写真家のニコラ・フロックさんによる、海の中を自然光で撮影したモノクロ写真の美しさに目を奪われました。それだけでも静かな迫力のある写真が、大きなプリントで掲示されていると、グンと力をもって迫ってきます。一連のモノクロ写真は”Invisible”というタイトルが付けられていますが、フランスのほか日本の海で撮影されたものも。
同じくニコラ・フロックさんの美しいブルーのグラデーションが続く写真。「水の色、水柱」というタイトルで、海岸から外洋にむかって、水深5~30mの水中を撮影していったものなのだそう。自然のカラーパレットの色合いの深さに驚かされます。
さて、また一方にはたくさんの「何か」がぶら下がっています。ケイト・ニュービーさんが焼いた、たくさんのセラミックがロープにつながれ、ゆらゆらと動きながらかすかな音をたてています。銀座という大都会の真ん中で、こんなにも、風や、土や、荒野なのか海なのか、見えない自然の光景を感じるのは、本当に興味深い体験です。
近くに寄ってみました。一つ一つ、色も大きさも異なるセラミック。そしてその下に目をやると隆起する大地のような床面が広がっていて、どれもテキサスや日本の益子町で製作されたものなのだとか。
ラファエル・ザルカさんの木の組み立て彫刻は、会場内に複数展示され、どれもが見る場所や視点が変わるとその見える形が異なる、不思議な作品。「……なんだろう?」としばし立ち止まってしまいます。
保良雄さんの「Cosmos」という作品。美しい台の上にのったフラコンのようなガラスの中には、何か水のような氷のようなものが入っています。聞けばこれは氷河が溶け出した水、なのだそうです。水が氷河となり、溶け出す、その膨大な時間にも思いを馳せてしまいますし、いま現在あちこちで溶け出している氷の存在も思い出させられます。本当にこの膨大な時間を紡ぐ地球環境の中では、われわれ人間の存在なんて「つかの間の停泊者」であるわけですね。それは人間だけではないですが……。そんなことをぼんやりと思いながらも、壊れそうなガラスの入れ物に入った水は、ただ美しく、静かに波打っています。
ところで、ぐるっと会場を一周してみると、このスペースの貴重さを改めて感じます。先ほども書きましたが、銀座のど真ん中で静かにひとり、アートに触れられる空間。なんて贅沢なんでしょう! しかも予約も入場料も不要です。
以前拝読した竹宮惠子先生の「エルメスの道」の新版には、この銀座のメゾンエルメスが作られるまでのストーリーも登場して、とても興味深く一気読みしてしまいましたが(未読の方は、ぜひ読んでみてください)、伺うたびに素晴らしさを感じさせられるこの場所の、また新たな魅力に触れることができました。
以前拝読した竹宮惠子先生の「エルメスの道」の新版には、この銀座のメゾンエルメスが作られるまでのストーリーも登場して、とても興味深く一気読みしてしまいましたが(未読の方は、ぜひ読んでみてください)、伺うたびに素晴らしさを感じさせられるこの場所の、また新たな魅力に触れることができました。
<エコロジー:循環をめぐるダイアローグ 2 「つかの間の停泊者」展>
会期:2024年2月16日(金)~5月31日(金)
開館時間:11:00–19:00(入場は18:30まで)
休館日:不定休
※開館日時は予告なしに変更の可能性があります。
入場料:無料
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階
(中央区銀座5-4-1 TEL 03-3569-3300)
主催:エルメス財団
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
What's New
-
お茶に食材……50代、2泊3日台湾への旅で買ったもの【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#114】
東京から割合気軽に行ける海外となると、まず名前が上がる、台湾。先日久しぶりに行った台北で見つけた、ちょっと可愛くて楽しいお土産をご紹介します。
編集長コラム
2025年12月1日
-
2025年 クリスマスコフレ NEWS! Vol.2 限定アイテム編【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#113】
気づけば2025年もあと数か月。クリスマスシーズンの限定コスメをご紹介する第二回目です。ご検討はお早めに!
編集長コラム
2025年11月1日
-
2025年クリスマスコフレ NEWS! Vol.1 限定コフレ編 【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#112】
気づけば2025年もあと数か月。そろそろ発売になるクリスマスシーズンの限定コフレ・コスメをご紹介したいと思います。ご検討はお早めに!
編集長コラム
2025年10月24日
-
永遠のアイコン! ダイアン・キートンのおしゃれ人生 ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#111】
若い頃から現在まで、ずーっと現役おしゃれアイコンであり続けたダイアン・キートン。訃報を聞いて寂しさが募るばかりですが、その知的でスタイリッシュな生涯を振り返ってみたいと思います。
編集長コラム
2025年10月12日
-
立っても座っても、楽に美しく。MYサイズが必ず見つかる、癒しのすっきり見えパンツ発見!【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#110】
発売されてから8年間で、53万枚以上を売り上げている、大人気のパンツがあります。立ち姿はおなか周りすっきり、長時間座り続けても楽なうえ、サイズ展開豊富で誰でもピッタリのサイズが見つかるという、魔法のようなパンツをご紹介します。
編集長コラム
2025年10月9日
-
-
-
-
-
-
冬のダークカラーコーデから明るく華やかなライラックカラーのコートを使ったコーデまで【50代の1週間コーデ】
12/12(金)~12/18(木)までの「50代の毎日コーデ」をまとめてお届け。重くなりがちな冬コーデに軽やかさをプラス。通勤もお出かけも軽快に!
Magazine
Feature
-
大人のきれいめデニムを探しているなら
イタリアの感性と日本の職人技の美しき融合、ジーフランコのデニム
-
クリスマスのお出かけスポットはここ!
映画「ハリー・ポッター」の世界に没入!大人も楽しめるアート体験
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき秋の服
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
松井陽子の「エクラ ゴルフ部へようこそ!」
松井陽子さんが50代におすすめのゴルフウェアやゴルフの楽しみ方をご紹介。
-
「幹細胞コスメ」大人の最適解とは?
シミ、シワ、たるみ、毛穴悩みに。大人肌のスキンケアの最適解
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
年末年始の華やぎシーンは自信のある髪で!
人気ヘアマスク「Gyutto(ギュット)」で美映え髪に
Ranking
-
50代に人気上昇中!上品な華やかさ「冬のミディアムヘア」51選
冬の空気に似合うのは、品よく華やかで、ほんのり女らしさを感じるミディアムヘア。50代の女性に人気上昇中のスタイルは、髪悩みや顔まわりの悩みをカバーしながら、印象をぐっと明るく見せてくれるスタイル。
-
【50代「ユニクロ・GU」秋冬コーデ】あったかパンツやデニムで寒い冬をおしゃれに乗り切る!
豊富な品揃えで40代・50代のおしゃれ好きな女性からの人気も高いユニクロ・GU。本格的な冬の到来で、あったかアイテムの出番も増えてきました。そこで今回は「ユニクロ・GU」のアイテムを使った、おしゃれな40代・5…
-
”似合うね”と褒められる40代をおしゃれに見せる「冬のショートへア」27選
40代を迎えると、髪のボリュームが減ったり、パサつきやツヤ不足が気になったり、顔まわりの印象にも変化が…。そんな悩みが増える一方で、「今の自分に似合う髪型がわからない」と感じる方も多いはず。40代の髪悩み…
-
艶とふんわり感が若々しい「冬のロングヘア」24選
今どきロングヘアは、髪のツヤ感で若々しく見える!ボリューム不足も白髪悩みもカットやカラー、パーマで思いのままに解決できる。こなれた印象に見せる洗練ロングヘアスタイルをお届け。
-
【冬の主役になるエルメスのスカーフ6選】価値ある一枚が、装いをフレッシュに更新
ふわりとまとうだけで、重くなりがちな季節の装いをたちまち鮮やかに更新してくれる、唯一無二の存在感。アウターを手に入れるのと同じ、もしくは、それ以上の価値がある美しい一枚を主役に、心躍る冬を楽しもう。
Keywords