【滋賀・京都】祈りの晩鐘が有名な三井寺へ 母と娘の2泊3日温泉旅

石山寺で紫式部の足跡をたどった後は、旅のもう一つの目的、貴重な寺宝に出合える「三井寺」へ。
京阪石山坂本線 三井寺駅
石山寺の次は、三井寺へ。
時間にせかされることなく、自分たちのペースで巡ります。

石山寺の門前から10分おきに来る京阪バスで
JR石山駅を経由して、京阪石山坂本線の「三井寺駅」へ。

三井寺はここから平坦な道を徒歩5分。
高齢の母にも優しいお寺なのです。
琵琶湖疎水
三井寺へ向かう道の途中にあるのが琵琶湖疎水。
京都人に見下された滋賀県民が言い放つ
「琵琶湖の水、止めたろか!」っていう
あの殺し文句は
ここのことなんです。

「何のこと?」と疑問に思われる方は
映画『飛んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』をぜひご覧ください(笑)。

琵琶湖疎水に一番興味を示したのが姉でした。
通り過ぎようとする私たちを、引き留めて
「ここはちゃんと見とき!」と慌てて呼び止める姉。
琵琶湖疎水
琵琶湖疎水は琵琶湖の水を京都まで送るために作られた水路で
京都市悲願の一大プロジェクトだったそう。

琵琶湖疏水から送られてきた水は
水車動力や舟運、防火、灌漑、発電、水道などに利用され
京都市民の暮らしを支えてきた歴史があります。

よく見ると、水を止めるゲートもありますね(笑)。

琵琶湖疏水船の乗船場もあり
春は桜、秋は紅葉を楽しめるそうです。
琵琶湖疎水の水門
姉がいなければ、
近代の歴史を知る貴重な遺構を
危うく、通り過ぎるところでした。

紫式部の父が出家した寺

三井寺の総門
三井寺の総門
西国四十四番霊場
総本山三井寺は「祈りの鐘」がとても有名です。

「光る君へ」つながりでは
紫式部の父、藤原為時(大河ドラマでは岸谷五朗さんが演じていました)が
晩年、出家した寺としても知られます。

石山寺で源氏物語の執筆に没頭する
娘を想って、穏やかに暮らしていたのかもしれませんね。
広い敷地の三井寺
駅から三井寺まではすぐだったものの
こちらのお寺、とても敷地が広い!
総門からすぐの受付の横には
恐ろしいほど急勾配の階段が……。

折角来たけれど、これは無理だなと諦めかけたところ
この階段は「観音堂」に続くもので
「本堂」や「三井の晩鐘」へは平坦な道で行けると
受付の方に伺い、ほっと胸をなで下ろしました。
三井寺の金堂
北政所によって再建された三井寺の金堂
三井寺の創建は、なんと飛鳥時代!
天智、天武、持統天皇の産湯に用いた泉が湧く伽羅井屋とか
もう歴史の教科書に出てくる名前が凄すぎて
頭が付いていきません。

平安時代には藤原道長をはじめ、多くの貴族の信仰を集め
徳川家康や毛利輝元などの戦国武将からも大切にされたそう。

豊臣秀吉の妻である北政所によって再建された金堂など
歴史好きにはたまらない場所だと思います。
ユネスコ「世界の記憶」に登録された三井寺の金堂
三井寺は、ユネスコの「世界の記憶」にも登録されています。
一切経蔵
毛利輝元によって、山口県の国清寺から移築・寄贈された一切経蔵
三井寺に残る句碑

近江八景「三井の晩鐘」

三井の晩鐘
近江八景「三井の晩鐘」で知られる巨大な梵鐘。
その美しい音色から日本三名鐘にも数えられています。

ちなみに、隣の売店で800円支払うと1回つくことができます。
特別御朱印ももらえます。
会社員らしきグループの方が、ちょうど鐘をついていて
貴重な音色を聞くことができて、ラッキーでした。
三井寺の金堂と晩鐘
三井寺の金堂と晩鐘
三井寺は、たくさんの国宝や重要文化財に出合えるお寺でもあります。
金堂の中には、平安時代の大日如来坐像や千手観音像、不動明王坐像などの
寺宝を多数、自由に見ることができます。

私たちも仏像に詳しいわけではないものの
国宝を目の前にすると、その圧倒的なパワーに自然と足がとまります。

それも、こんなに貴重な寺宝が間近に見られるのは
なかなかない機会です。

三井寺を訪れた際は、ぜひ金堂の中に行ってみることをお勧めします。

三井寺の御朱印
三井寺でも御朱印をいただきました。

弁慶の引摺り鐘

弁慶の引きずり鐘
源義経の家来である武蔵坊弁慶が、三井寺から奪って、
比叡山へと引き摺り上げたという
有名な説話が残る鐘も見ることができます。

一般に「弁慶の引摺り鐘」と呼ばれるこの鐘。
三井寺初代の梵鐘で、奈良時代の作とされています。

先ほどの三井の晩鐘は2代目の鐘のようです。
徳川家康によって寄進された三重塔
徳川家康によって寄進された三重塔。室町初期の建築だそうです。
三井寺の三重塔と道場
三井寺の境内は、歴史の宝庫!

本堂を拝観後、母が休憩しているうちに
姉と交代で境内を散策させてもらいました。
庭園も美しい
庭園も美しい
金堂に向かう階段
三井寺をゆっくり巡り、ホテルに帰ろうとなったころ
太陽が少し見えてきました!
仁王門へと向かう階段を下りて
ふと空を見上げると、視線の先には
龍が天を昇るような形の雲が出没!?

お気に入りの、素敵な写真が撮れました♪
三井寺の仁王門
三井寺の仁王門
観光客でごったがえす京都に比べ、
滋賀・大津のお寺は比較的すいています。

滋賀というと、少し遠いイメージですが
京都駅からはわずか電車で約20分程度。
それほど遠くはありません。

インバウンド客もいらっしゃいましたが
京都とは比較にならないほど、まだまだ少なかったです。

素晴らしい寺院の存在が、まだそれほど知られていない今こそ
足を延ばしてみてはいかがでしょうか?

それにしても、1日よく歩きました。
86歳の母の健脚には驚きましたが
夜に疲れが出ないよう、温泉にゆっくり浸かって
近江牛のディナーを楽しんでもらいます。

2泊3日の旅にしたのも、
母にゆっくり観光を楽しんでほしかったからなんです。

3日目は、京都の東寺を訪れる予定です。
それでは、また次のブログ(7月4日アップ予定)でお会いしましょう。
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東京都在住。ライター兼ディレクター。夫と社会人の息子の3人家族です。旅、食、インテリア、コーヒー、映画、神社巡りに興味津々!自分の楽しみや新しい挑戦、日々の気づきなどを楽しく発信していきたいです。

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