永遠のアイコン! ダイアン・キートンのおしゃれ人生  ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#111】

若い頃から現在まで、ずーっと現役おしゃれアイコンであり続けたダイアン・キートン。訃報を聞いて寂しさが募るばかりですが、その知的でスタイリッシュな生涯を振り返ってみたいと思います。
ウェブエクラ編集長 シオヤ

ウェブエクラ編集長 シオヤ

50代女性のための雑誌&ウェブメディア「エクラ」のウェブ担当編集長。155cmのアラフィー。ビューティ・小柄担当多め。鈍感肌。盛ってます。
先ほどニュースでダイアン・キートンが79歳で亡くなったと知り、なんとも言えない寂しさを感じながら、これまでの彼女の写真を眺めています。彼女のInstagramもフォローしていたのですが、最後の投稿が今年の4月。お元気そうでしたし、何より最近まで出演作があって「いくつになっても、おしゃれで素敵」な現役の俳優さんでしたから、驚きと悲しみと寂しさとがないまぜに……。ご冥福を祈りつつ、彼女のカッコよく、知的でエレガントなスタイルを一緒に振り返ってみませんか?

アニー・ホール

ダイアン・キートン アニー・ホール
ファッション・アイコンとしての地位を確固としたのが、31歳のときの映画『アニー・ホール』(1979)。この作品でアカデミー主演女優賞を受賞し、このスチールもあまりに有名ですし、何度も見た、という方も多いのではないでしょうか。アニー・ホールとはダイアン・キートンが演じた役名そのままなのですが(ホールは彼女の本名でもあるそう)、ネクタイにジレにチノパンツ、といったメンズテイストがあまりにカッコよく、また彼女の「いい女感」をマシマシにしていて、いつ見てもしびれます。主にラルフ ローレンの服と、彼女の私服がミックスされているそうですが、監督で長くパートナーでもあったウッディ・アレンは、ダイアン・キートンのファッションセンスに全幅の信頼を置いていて、着こなしへの彼女の意見がふんだんに取り入れられていたというのが功を奏し、映画衣装の歴史に残る成功例になったようです。

ゴッドファーザー

ダイアン・キートン ゴッドファーザーⅡ
時代はちょっと遡って、シオヤが大好きな映画「ゴッドファーザー」(1972~)のダイアン・キートンは、美しく、知的で、芯の強さと包容力を備えた女性、ケイを好演しています。コルレオーネ家の三男であるマイケル(アル・パチーノ)とは交際中も、結婚後も、迷いの絶えない人生を送ることを余儀なくされるのですが、その時どきのクラシックなワンピースやスーツスタイルなどがなんとも素敵で、細い眉にちょっと離れ目な印象的な顔立ちと相まって、忘れがたい美しさです。出演者男性ばかりの濃ゆーい映画の中で、ほぼ紅一点と言っていい存在感。めちゃくちゃカッコよかったアル・パチーノとはその後交際していたというのも納得です。
ダイアン・キートン ウォーレン・ベイティ
交際と言えば、ウォーレン・ベイティとも付き合っていた過去が。写真を探してみると、2人で1978年に撮られた写真を発見。このダイアン・キートンの、ジャケットとパンツの着方、挿し色の赤、タイの結び方に、ゆるくたわんだベルトまで……カッコよすぎ……!とうなります。絵になりすぎるカップル。ちなみにこれは、MOMAで行われたリチャード・アヴェドンの写真展のオープニングイベントに向かう時の写真だそうで、すべてがカッコよすぎです。

帽子がポイント

ダイアン・キートン 水玉のジャンプスーツ 白スニーカー
さて、ここからはエクラ世代になってから以降の彼女の着こなしを見ていきたいと思います。時代は下って1993年。この時彼女は47歳。帽子はダイアン・キートンのスタイルに欠かせないアイテムですが、ロングネックレスをあしらった水玉のジャンプスーツにクラッチを抱えて一見エレガント……ですが、そこに白のキャップと、白のスニーカーを合わせて、カジュアルにまとめているのが最高におしゃれです。

欠かせない太ベルト

ダイアン・キートン 白いスーツ
帽子と並ぶ、ダイアン・キートンのお気に入りアイテムが、太ベルト。ドレスの上から、ジャケットの上から、コートの上から……太いベルトでウエストマークしているスタイルは、彼女の定番といっていいほど。こちらは2014年、マイケル・ダグラスとの大人の恋愛映画『最高の人生のつくり方』のプレミアでのダイアン・キートン。このとき68歳ですが、その後の映画『ロンドン、人生はじめます』(2017)もしかり、60代、70代になっても恋愛を楽しむシングル女性を自然に演じていて、その姿に明るい未来を見た女性は世界中に多くいるのではないでしょうか?

サラサラヘア+黒チュールスカートで

ダイアン・キートン
ダイアン・キートンのおしゃれのヌケ感作りに、大きな役割を果たしているのが、実はこのヘアだと思います。ブロンド~プラチナのストレートヘアに、毛先のシャギーがきいている感じ。真似したいけど、これはなかなか難しいな~と見るたびに思うのですが、この質感は憧れます。
真似できそうなのは、この黒のチュールスカートの着こなし。エクラ読者なら持っている人も多そうな黒のチュールスカート(シオヤも持ってます)ですが、ウエストシェイプされたジャケットに、白のカフスをきかせて、しゃれたレッドカーペットスタイルに仕上げているのが、さすがです。隣にいるのは、ゴールディー・ホーン。
ダイアン・キートン サラ=ジェシカ・パーカー
セレブ同士のレッドカーペットスタイルだと、こんな写真も。2005年とのことで、隣のサラ・ジェシカ・パーカーのおしゃれもまだ、おとなしめ? それにしても黒のタキシードスタイル、ものすごくカッコいいですね……!

おしゃれすぎる70代

ダイアン・キートン 70代
こちらは2022年8月、LAにて。ダイアン・キートン76歳。このシャツ+キュロット+ジャケット+ハットの着こなしのおしゃれさったら……! ちなみにこちら、ハリウッドのチャイニーズ・シアターに彼女の手形・足形とサインが飾られることになり、その足形をとっているところ。だから裸足なんですね。
ダイアン・キートン トムブラウン
こちらは2023年、パリでのトム ブラウンのコレクションショーに出席したときのダイアン・キートン。ここでも彼女のスタイルに欠かせない、ネクタイに太ベルト。三つ揃いのスーツとすべて同生地でまとめられ、帽子とバッグはストロー素材。可愛い!

貫禄のアニー・ホール スタイル

ダイアン・キートン キアヌ・リーブス アカデミー賞
2020年のアカデミー賞授賞式で、キアヌ・リーブスとプレゼンターとして登壇したときも、帽子と太ベルト。こちらは黒と白のギンガムチェック柄のウールのジャケット+パンツに、インナーが黒のニット、さらに白と黒のチェックのコートを羽織って、上から太ベルト、というとってもおしゃれ上級者なレイヤードスタイルです。このアニー・ホール的なルックは、ラルフ ローレンでしょうか……? アカデミー賞といえばロングドレス着用率が高いわけですが、その中でさすがの大人の貫禄! ちなみにこの時プレゼンターの二人が読み上げた受賞作は、ポン・ジュノ監督の『パラサイト』でした。
  • ダイアン・キートン

  • ダイアン・キートン

こちらは、2019年に別の場所で撮られた写真。同じレザーコートを着ているのですが、合わせているアイテムが全然違うんですよね。どちらもワイドパンツを合わせていますが、一方はデニム、一方は黒のウールパンツ。帽子やベルト、靴のチョイスも違いますし、胸ポケットのチーフあしらいなども本当におしゃれで、ため息が出ます。
ダイアン・キートン
 ダイアン・キートンといえば、つい最近まで出演作がありましたし、数年前には日本のブランドのCMにも出演したりと、ずっとお元気な印象を持っておりました。先ほども触れましたがInstagramも更新されていましたし、この先もずっと、カッコいいおしゃれスタイルを見せてくれるもの……と、どこかで信じ切っていたので、突然の訃報は、とても悲しく寂しいです。でもずっと俳優として現役で、いつまでも素敵なおしゃれを楽しむ姿は、重ねて言いますが、希望の星でした。おそらく、これからも。感謝の気持ちとともに、ご冥福をお祈りいたします。
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