もめるケースの3分の1は1000万円以下!【今から考える相続のこと】

2018年7月1日
エクラ世代だからこそ気になるトピックのひとつが、「親からの相続」。「たいした財産がないから、もめようがない」「仲がいいから大丈夫」。実は、そういう家族こそ争族の危険性が大。なぜそうなってしまうのか、上級相続診断士の一橋香織さんが“争族のキモ”をレクチャー!

親と子の世代間ギャップが争族を招く原因のひとつ

家族が遺産をめぐって争う“争族”。ドラマや小説では、資産家を舞台に描かれているけれど、現実はそうでもないらしい。平成27年度に裁判所に持ち込まれた遺産関連のトラブルは、約8割が遺産額5000万円以下。しかも、1000万円以下の事件が3分の1以上とか。

「資産家の場合、専門家のもとで対策をとっていることが多いので、意外ともめません。むしろ、トラブルが起こりやすいのは、『争族とは無縁』と思い込んで、なんの準備もしていない普通の家庭。なぜなら、争族は、金額ではなく、気持ちの問題が大きいからです」と、一橋香織さんは指摘する。気持ちの問題を引き起こす原因のひとつが、親子間の認識のずれだそう。

「昭和23年に民法が改正されるまで、日本は家制度が根づいていました。家督を継ぐ人に全財産を相続させるかわりに、その人は家を守り、金銭面も含めて親族全員の面倒を見る。それについて、ほかの子供たちが口をはさむことはありませんでした。エクラ世代の親の中には、そうした価値観がすり込まれている人が少なくないだろうと思います。片やエクラ世代は、『子供は皆平等』という認識のもとで育ち、親であっても、必要とあれば意見します。その親子間のギャップが、相続トラブルの原因になっていることも、多々あります」

子供たち全員が等しく相続できると思っていたのに、親は、家の名を継ぎ、お墓を守ることになる長男に多く遺そうとしていた。昔なら家族みんなが納得したであろう事例も、現代では、「不平等」と異を唱えられ、争族に発展しかねないというわけだ。

相続は最後のきょうだいゲンカともいわれています

また、相続財産=親の愛情のバロメータととらえられがちなのも、争族を引き起こす要因に。親が特定の子供に多く財産を遺せば、ほかの子供は、親の愛情を疑い、優遇されたきょうだいをねたんでしまうのも当然かも。

「特に、親がどちらも亡くなって起こる二次相続は、きょうだい間でもめるケースが多いですね。親という歯止めがなくなって、それぞれいいたいことを口にしてしまうからかもしれません。なかには、『私はお姉ちゃんのお古ばかり着させられていた』などと、幼少期の不満までぶつけあう場合もあります。相続は最後のきょうだいゲンカ。相続の世界では、そんなこともいわれているくらいです」

しかも、それぞれ家庭をもってしまうと疎遠になりがち。子供のころのように、ケンカしても翌日には仲直りというわけには、なかなかいかない。また、きょうだいの価値観に大きな隔たりが生じている場合も珍しくない。つまり、「きっとこう考えているはず」は、通用しないということ。

「きょうだいにかぎらず親子でもですが、争族を避けるには、コミュニケーションが不可欠。相続について、それぞれがどう考え、何を希望し、その裏にどんな思いを抱いているのか、知っておくことが大切です」

教えてくれたのは・・・

上級相続診断士 一橋香織さん

笑顔相続サロン代表。アフィリエイティッドファイナンシャルプランナー、終活カウンセラー上級、家族信託コーディネーター。これまで2000件もの相続問題を解決し、著書も多数。     




『家族に迷惑をかけたくなければ相続の準備は今すぐしなさい』

一橋香織 PHP 研究所 ¥1,000







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