義父母と一緒のお墓に入りたくない! 50代のリアルな悩みに専門家が回答【50代のお悩み・お墓について】

少子高齢化が進み、エクラ世代の幼少期とはがらりと変わってしまったお墓事情。この時代に生きるエクラ世代だからこその悩みに専門家が指南。まずは「義父母と一緒のお墓には入りたくない」という悩みにお答えします。
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教えてくれたのは…
第一生命経済研究所主席研究員 小谷みどりさん

奈良女子大学大学院修士課程修了後、’93年にライフデザイン研究所(現第一生命経済研究所)入所。生活設計論、死生学、葬送学が専門で、講演やメディアなど幅広く活動。著書に、『お墓どうしたら?事典』(滋慶出版/つちや書店)、『変わるお葬式、消えるお墓(新版)』(岩波書店)などがある。
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【お悩み】義父母と一緒のお墓に入りたくありません

A.どのお墓に、誰と入るかは、個人の自由。従うべき“決まり”はありません

「○○家之墓」は戦後に普及した比較的新しい形
アンケートで判明したのは、エクラ世代はまだ「婚家のお墓に入るもの」という意識が強いということ。もっとも、「義父母と一緒のお墓はイヤ」「知らない人ばかりが眠るお墓に入るのは寂しい」「実の親と一緒がいい」といった本音をもらす人もいる。お墓事情に精通する小谷みどりさんは、「そもそもお墓には、『妻と夫は同じお墓に』とか『嫁いだ娘は、実家のお墓に入れない』といった決まり事はありません」と。
「墓地によっては、『使用者から見て6親等以内の血族または3親等以内の姻族までしか納骨不可』といったルールはありますが、最近は、親しい友人や仲間と一緒にお墓に入る人もいますし、老人ホ
ームが入居者用の共同墓地を設けるケースも増えています。戦前から、社員を埋蔵する会社墓もありますしね」
 けれど、私たちがなじんできたのは、墓石に「○○家之墓」と刻まれたもの。先祖代々がそのお墓に納骨されるものというイメージがあるけれど。「そこに大きな誤解があります。複数の遺骨を一緒に納骨するには、火葬することが前提になりますが、火葬が全国平均で50%を超えたのは’35年。それまでは土葬が主流だったので、ひとりにつきひとのお墓が必要でした。つまり、『○○家之墓』という“家墓”の歴史は、それほど古くないということ。お墓に納骨され
ているのも、祖父母の代以降というのが一般的だと思います」 
なんと!60、70年前までは、婚家の墓に入るどころか、夫とも別というのが普通だったとは! それなら、婚家のお墓に入らなくても、後ろ指さされることもなさそうな気が……。
「親世代が、『長男がお墓を守るべき』とか、『嫁がうちのお墓に入るのは当然』と思い込んでいるのは、お墓に対する誤解があるためかもしれません。まずは、その誤解を解きほぐしたうえで、それぞれの考えや意向を話し合ってみては? 実際にお墓に納骨するのは、遺された家族や親族。何を希望しようと、亡くなってしまったら、自分ではどうにもできません。だからこそ、周囲に、自分の思いを理解してもらうことが大切です」
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