<日常生活編>運転免許を返上してほしい。リハビリパンツを使ってもらうには?【親を動かす「魔法の言葉」】

「運転免許を返上してほしい」「ひとり暮らしは心配だから同居してほしい」など、子供が抱える親への日常生活のあれこれの希望を、専門家がピックアップしてアドバイス。先生いわく、高齢者ならではの心情を知って言葉をかければ、成功する可能性は大!
補聴器を利用してくれない
「補聴器は、ハウリングや小さな雑音を拾ってしまうことがあるなど、不快な思いをする場合もあります。まずは、子供がそれを理解すること。そのうえで、『使いこなせるようになるまで時間がかかるかもしれないけれど、お父さんとのおしゃべりを楽しみたいから』などと、前向きな理由で提案してはいかがでしょう」。特に、かわいい孫にいわれたら、すんなり受け入れてくれる確率はアップ!
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運転免許を返上して欲しい
「交通の便がいい都会と、車が必須の地方とでは状況は違うので、むずかしい問題ですね。ただ、免許証を自主返納すれば、公共交通機関の利用券をくれるなど、特典を用意している自治体もあります。そうしたメリットを調べ、親に教えてあげては?」。免許証を身分証明書がわりにしている親には、自主返納した人に交付される運転経歴証明書があり、公的な本人確認書類になることを伝えるのも有効。
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リハビリパンツを使って欲しい
リハビリパンツを拒む理由は、自尊心や恥ずかしさから。「それを解きほぐすべく、『使うのがあたりまえ』『私もそうするつもり』と、明るく持ちかけて。使えば便利さが実感できるからか、その後は自発的に利用する高齢者は多いですよ」。尿漏れや頻尿は、年をとれば誰にでも起こりうるもの。「また、漏らしたの!?」「洗濯が大変だからオムツをして!」と、親を追い込むことはしないように。
同居して欲しい
「親は気がすすまないのに、子供の都合で呼び寄せるのは考えもの。『心配だから同居を』とか、『近所に引っ越しを』というのは、子供主体の発想です。それに、ひとり暮らしだと家事を行うことになるので、脳の老化予防になります。なので、ここは子供が考え方を変えて。時々様子を見にいくなどサポートしたり、ヘルパーの助けを借りるなどして、親のひとり暮らしを応援してほしいですね」
教えてくれたのは…
日本老年医学会専門医 榎本睦郎先生
榎本内科クリニック院長。東京医科大学を卒業後、一貫して高齢者医療に従事。『笑って付き合う認知症』(新潮社)などの著書がある。

『老いた親へのイラッとする気持ちがスーッと消える本』榎本睦郎 永岡書店 ¥1,100
高齢者ならではの心理や行動を紐解きつつ、上手に付き合う秘訣を伝授。シチュエーション別のおすすめ言葉がけも参考に!

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