家の片づけや通院のすすめ、どういったらいい? 年老いた親を動かす「魔法の言葉」

よかれと思っていったことで、親が機嫌を損ねたり、心を閉ざしたり。それは、親にかける“言葉”が間違っているからかも!? アラフィー女性100名に「親にいいづらいこと」をアンケートして回答の多かった「家の片づけ」や「通院のすすめ」の話題を中心に、親の心を開く“魔法の言葉”を専門家がお教えします。

親を動かす「魔法の言葉」

ダメな言葉:家の片づけ

「昔はきれい好きだったのに。こんなにちらかっていたらみっともないから片づけて」

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ダメな言葉:通院のすすめ

「認知症かもしれないんだから、放っておいたら大変なことになるわよ」

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親がその気になるようなポジティブな言葉を選んで
「親にいいづらいこと」で、特に目立ったのが、家の片づけ&記憶力の低下。親の老いを実感するだけに、子供としては、「ナゼこんなことに!?」という残念な気持ちが先に立ち、厳しい言葉をぶつけがち。けれど、ダメ出ししても改善するわけではない。親にその気になってもらえるように、「片づけたほうが安全」「治療すれば大丈夫」と、前向きないい方をするのがカギ。特に「認知症」は、高齢者を不安にさせるので、「もの忘れ」のようなライトな言葉にいい換えを。

年老いた親とうまくいくコミュニケーション術

いいづらいことを口にしても、関係が悪化することなく、むしろ絆が深まる。そのポイントは、私たちが、“高齢になった親”を理解するか否か。まずは、高齢者ならではの心理や行動を学ぶことからスタート!

Q.親子のコミュニケーションで問題点や悩みはある?

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親子各100名、親世代の平均年齢78.0歳、子世代53.3歳が回答。子供が悩んでいる一方、親は問題視していない。このギャップこそがトラブルの要因!?

心得4カ条

1.主語は「自分」でなく「親」に

2.ダメ出しはせず、メリットを提示

3.どんな言葉も、笑顔で口にする

4.一度ではなく、何度も告げる覚悟で


親を追い詰めたり、不安にさせるような言葉は避けて

親への助言や提言を機に、関係が悪化。それは、「親子間に、老化に対する認識のギャップがあるため」と、高齢者の言動に詳しい榎本睦郎先生。

「老いては子に従えということわざがありますが、現代の高齢者は若々しく、元気ですからね。彼らの辞書に、その言葉はないのです(笑)。そもそも親にとって、いくつになっても子供は子供。わが子に上から目線で意見されたり、高圧的ないい方をされては、機嫌を損ねるのも当然かもしれません」

一方子供は、老いた親の変化にとまどい、いらだってしまいがち。結果、「昔はできたのに」と、親を責めたり、「こうすべき」と、従わせようとしたり。

「いずれも親への愛情ゆえの行為だとは思いますが、それがアダになる場合も。同じ土俵に立つのではなく、少し引いて、クールなスタンスで接したほうがうまくいきます。第一、年をとれば、できないことが増えるのはあたりまえ。子供はそれを認識し、おおらかな気持ちで親と対峙してほしいですね」

親の心に寄り添い、共感することも必須。言葉をかけるなら、「私が大変だから〜して」といった“自分軸”ではなく、「お母さんが楽になるから〜したら?」など、親を主体にすること。

「また、ダメ出ししても改善するわけではありません。それよりメリットを提示したほうが、親が受け入れてくれる可能性は高まります。『〜しないと大変なことになる』ではなく、『〜すれば大丈夫』のような前向きな言葉遣いを心がけることも大切です」

こうしたポイントを押さえつつ、身体機能の衰えを理解して対策を。

「高齢者は、目の前の人を敵か味方かに二分する傾向があります。なので、親に言葉をかけるときは、常に笑顔で。笑いかければ、親は、『この人は味方だ』と思い、心を開いてくれるだろうと思います。それから、年をとると、記憶力が衰えるため、いわれたことを覚えていないケースが多々あります。つまり、どんな“魔法の言葉”であっても、一度いえばOKではないということ。親が動いてくれるまで、根気よく、繰り返し伝えましょう」
教えてくれたのは…
日本老年医学会専門医 榎本睦郎先生
榎本内科クリニック院長。東京医科大学を卒業後、一貫して高齢者医療に従事。『笑って付き合う認知症』(新潮社)などの著書がある。

『老いた親へのイラッとする気持ちがスーッと消える本』榎本睦郎 永岡書店 ¥1,100
高齢者ならではの心理や行動を紐解きつつ、上手に付き合う秘訣を伝授。シチュエーション別のおすすめ言葉がけも参考に!

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