フランチャコルタ協会新会長に聞く “美しき泡”の奥深い魅力 【飲むんだったら、イケてるワイン/WEB特別篇】

イタリア最高峰のスパークリングワインとして知られるフランチャコルタ。日本でも、年々ファンが増えている。その魅力と楽しみ方を、フランチャコルタ協会新会長が語ってくれた。
フランチャコルタ
「フランチャコルタはとても繊細でエレガント。重層的というより、”引き算”の魅力に満ちたワインだと思います」とフランチャコルタ協会新会長シルヴァーノ・プレシャニーニ氏。複雑性を感じさせながらも軽やかで、”ブドウの本質”が顕著に表れていると明確に語る。細やかでやわらかな泡とフレッシュな酸味が、飲む人を瞬時に幸福にしてくれるのだという。  “軽やかなスパークリングワイン”ということもあって、かつてのイタリアでは、主にアペリティフとして飲まれることが多かった。それが今では、前菜からメインの肉料理、そしてデザートまで、フランチャコルタのタイプに合わせて楽しむ人が増えてきているという。

「フランチャコルタだけで通す”フランチャコルタ・ディナー”は、イタリアでも洗練された人々の間で確実に増えています」とプレシャニーニ氏。
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フランチャコルタとは、イタリア・ロンバルディア州東部、フランチャコルタ地方で造られるスパークリングワインのこと。主要品種は、白ブドウはピノ・ビアンコとシャルドネ、黒ブドウはピノ・ネロで、ピノ・ビアンコの使用は50パーセントまでと規定されている。また、収穫はすべて手摘み、瓶内二次発酵の期間はスタンダードな「フランチャコルタ」で最低でも18か月と、厳しい規定のもとで造られている。

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フランチャコルタの魅力は、なんといってもバラエティの豊かさ。爽やかで、もっともスタンダードなタイプの「フランチャコルタ」、白ブドウだけで造られ、気圧を少し低めに抑え、クリーミーでやわらかな酸の「フランチャコルタ・サテン」、作柄の良い年だけに造られる、いわば”ヴィンテージ”の「フランチャコルタ・ミレッジマート」、”ミレッジマート”の中でも最高品質で、5年以上熟成させた「フランチャコルタ・リゼルヴァ」。そして、華やかなロゼ色でスパイスのニュアンスを感じる「フランチャコルタ・ロゼ」など、シチュエーションや合わせる料理によって、バラエティに富んだ魅力を見せてくれる。
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フランチャコルタが誕生したのは1961年のこと。初めて市場に登場したのは1960年前半で、そのもの品質が素晴らしかったことから瞬く間に人気を博した。そして、1995年、フランチャコルタは、瓶内二次発酵の方式で造られるイタリアワインとして、初めてDOCG(統制保証原産地呼称)の認定を受けた。短期間で世界的に高い名声を築いたことから、“フランチャコルタの奇跡”とも称されるほど。1960年当時は11軒ほどだった生産者も今では116軒に増え、さらに発展を見せている。プレシャニーニ氏自身も品質のよさで定評ある「バローネ・ピッツィーニ」のオーナーの一人として早くからオーガニック栽培に取り組むなど、フランチャコルタを牽引してきた。
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ワインとしてのフランチャコルタは、さまざまな魅力にあふれているが、プレシャニーニ氏が知ってほしいのは、加えて“土地そのものの魅力”なのだという。フランチャコルタは北イタリアのコモ湖とガルダ湖の間にあるイゼオ湖の南に広がる風光明媚な土地。ここは夏の避暑地として人気があり、ワインツーリズムも盛んに行われている。

「ミラノから近いので、気軽に訪れることができます。カンティーナ(ワイナリー)も、予約をすればビジット可能なところも多い。なにより、郷土料理もおいしいので、一度訪れれば、たちまち魅了されてしまうでしょう」とプレシャニーニ氏は微笑む。

 確かに、フランチャコルタの味わいからは、湖上を渡る風のような爽やかさが伝わってくる。「いつかはフランチャコルタを訪れてみたい」――。そんな旅情もかきたててくれる。フランチャコルタは、ワインを愛する大人の女性として、知っておきたいワインであることは確かだ。
シルヴァーノ・プレシャニーニ氏。1967年フランチャコルタ生まれ。ミラノのレストラン「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ」にて、アシスタント・ソムリエとしてキャリアをスタート。その後、ニューヨークなどでキャリアを積み、1992年に「バローネ・ピッツィーニ」に参画、現在は取締役副社長を務める。2018年12月、フランチャコルタ協会会長に就任。
フランチャコルタ公式サイト
https://www.franciacorta.net/ja/

フランチャコルタ協会日本事務局のFecebook
https://www.facebook.com/franciacortajapan
取材・文/安齋喜美子

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