まず申請したい「介護保険制度」の仕組みをおさらい【親が“認知症”になってしまったら⑥】

親の介護に直面した際、頼りになるのは「介護保険制度」。でも一体どんなものなのかいまいち分からないという人も多いよう。在宅介護エキスパートの渋澤和世さんに「介護保険制度」の仕組みを教えてもらいました。

教えてくれたのは…

在宅介護エキスパート 渋澤和世さん

在宅介護エキスパート 渋澤和世さん

しぶさわ かずよ●両親の介護を機に、社会福祉士など、福祉に役立つ資格を取得。その経験や知識を生かし、「在宅介護エキスパート協会」を立ち上げ、代表に就任。自治体の介護相談員や、認知症在宅介護講座講師なども務める。

認定を行うのは住民票のある市区町村

介護保険は、原則40歳以上の人が加入する社会保険制度。65歳以上は第1号被保険者となり、介護や支援が必要になった際、住民票のある市区町村の認定を受け、サービスを利用することになる(40歳以上65歳未満の第2号被保険者でも、一定条件下で利用が可能)。まずは、市区町村の役所で介護保険認定申請書をもらい、必要事項を記入。申請書を提出すると、認定調査が行われ、それをもとに、介護認定審査会で介護の必要性を審査・判定。原則、申請から30日以内に認定結果が通知がされる。

「認定は、調査員による訪問調査と、かかりつけ医(主治医)の意見書をベースに行われます。訪問調査時は、親への聞き取りや動作確認のほか、介護者への確認事項もありますので、主たる介護者は必ず同席を」

また、介護保険制度とともに活用したいのが、地域包括支援センター。市区町村から業務委託された社会福祉法人や医療法人などが運営しており、高齢者のための総合的な相談やサービスを実施している。

「本人だけでなく、家族からの相談も受けつけていて、しかも、電話でのやりとりも可能。遠方在住の家族も、利用しやすいと思います。ただし、母体が民間なので、公正中立性に疑問が残ることも。事前に知識をつけたうえで訪問するのが安心です」
介護保険を申請する

《地域包括支援センターで相談できること》

◆福祉サービスの紹介、介護保険制度の説明、介護保険申請の手伝い

認知症に関しての相談、福祉用具の紹介や使い方の助言

要支援1、2と認定された人、介護予防・日常生活支援事業の対象の人へのケアプラン作成

健康維持のアドバイス

など。

次の記事では介護保険認定調査の流れや、認定度に応じた支給限度額、ケアマネジャーの上手な選び方などを教えてもらいます。

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