見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビ⑧「ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-」

本誌の美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ。今回は、前回紹介した話題の韓国ドラマ「愛の不時着」をも凌ぐ(⁉️)見応えと、エクラ世代女優であるキム・ヘスの魅力にどっぷりハマれる法廷ドラマの傑作です。
ハイエナのキム・ヘス

ヒロインの女優は今年50歳のエイジレスビューティー代表格!

 美容の記事に携わっていると、いつもぶつかる難問があります。それは“エイジレス”という問題。目指すのは「年齢にとらわれない美しさ」とでも言うのでしょうが(気にした時点ですでにとらわれている感ありありですが)、う〜む、これがなかなか難しい。見た目だけが若く見えればいいというわけでもなく……。

 美容の観点から言えば、その大きなカギとなるのは“肌”の印象ですが、もちろんエクラ世代が10代や20代の肌に戻ることは不可能。でも、皮膚科学や化粧品科学がめざましく進歩した今、最新のコスメや美容医療を賢く味方につければ、誰でも年齢を感じさせない肌を手に入れることは全然不可能なことではなくなっているのです(エクラ本誌の美容記事をぜひ、参考にしてくださいね!)。美しい肌はエイジレスビューティのポイントのひとつですが、でも、本当に私たち世代が求めているものって、それだけではないのでは……と常日頃もんもんとしていたところ、このドラマに格好のロールモデルを見つけちゃいました。
ハイエナのキム・ヘス
 金のためなら手段を選ばず“勝ち”を取りにいく“ハイエナ”女弁護士が今回のドラマのヒロインです。

 演じるのはキム・ヘス。韓流好きなら知らない人はいないほどの韓国を代表する大女優さんで、今年の9月で50歳を迎える1970年生まれ。そう、紛れもなくエクラ世代ど真ん中。韓国の裏社会を描いたサスペンス映画「コインロッカーの女」(拙い鑑賞数ではありますが、私の韓国映画ベスト1)や日本でもリメイクされたヒット作「シグナル」などで見せる変幻自在の演技力には舌を巻くほどですが、それにしてもハイエナ弁護士とは物騒キワマリない感じだけど、なぜに彼女がロールモデル? 

 その前にまずは物語を見てみましょう。これがかなりの傑作。私的には前回紹介した大ヒット作「愛の不時着」超えのお気に入り。
ハイエナのチュ・ジフン

超エリート×雑草魂。そのスリリングな攻防戦が痛快

 韓国トップクラスの大手法律事務所「ソン&キム」の弁護士ユン・ヒジェ(チュ・ジフン)は最年少でパートナー弁護士となった超エリート。ソウル大学を首席で卒業し、家系も元大法院長の祖父、部長判事の父、同じく判事の兄という法曹界のサラブレッド。世間で話題の民情首席ホワイトスキャンダル(汚職事件)を無罪判決に持ち込むなど飛ぶ鳥を落とす勢いのヒジェですが、昼夜を問わず仕事に励む、かなりな努力家タイプでも。

 そんな彼の唯一の憩いの時間は、仕事を終えて向かう午前5時半のコインランドリーでのひととき。国内トップクラスの財閥企業「イシュム」の代表の離婚訴訟を任されたヒジェは、ある時そのコインランドリーでひとり読書をする女(キム・ヘス)と出会います。この時間になぜ? と、興味を向けると、読んでいる本から何から何まで自分好み。運命の女性に巡り会えたとばかりに彼女の虜となるヒジェは、生まれて初めての“本気”の恋愛を成就させます。そんななか、離婚訴訟の裁判が開廷。ところが、そこに現れたのは、なんと“かの人”。運命の彼女はあろうことか訴訟相手の弁護士チョン・グムジャだったのです……。
ハイエナのキム・ヘス
見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビ⑧「ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-」_1_5
 知性と情報を駆使するエリート弁護士ヒジェと、相手の弱みを武器に畳みかけるハイエナ弁護士グムジャの、訴訟を巡って展開されるバトルがこのドラマ最大の見どころで、やるかやられるかの生き残りをかけたスリリングな攻防戦は、それだけでも見ていて痛快。さらに、ヒジェとグムジャの簡単にはすまされない男と女の複雑なる想いが絶妙に絡み合って、単なる法廷ドラマに終わらない見ごたえ深い作品に仕上がっているところがさすが。
ハイエナのキム・ヘスとチュ・ジフン
 キム・ヘス演じるグムジャに対するサラブレッドなエリート弁護士ヒジェを演じるのは、映画「神と共に」やドラマ「キングダム」(朝鮮王朝を舞台に圧倒的なスケールで描かれるゾンビサスペンス。謎の感染症によって次々と増幅するゾンビに立ち向かう孤高の世子役を熱演。これも超オススメなので、時間があるかたはぜひ!)など、今ノリにノッているチュ・ジフン。

 日本でも大ヒットした、あの「宮(クン)~Love in Palace~」(韓国に王室制度が残っていたらという設定で描かれるラブロマンス。2006年韓国放送)のツンデレ王子も彼の当たり役なのでご存知のかたも多いとは思いますが、今回演じるヒジェは、エリート然としていながらハイエナ弁護士グムジャに手玉に取られまくるちょっと間抜けなところがなんともキュートで、幾度となくしてやられてしまうのにも関わらず、憎きグムジャを愛さずにはいられない“微妙な男心”を抜群のセンスで表現していて、これまでにない魅力もたっぷりと見せてくれています。
ハイエナのチュ・ジフン
 そして、なんといってもロールモデルにしたいキム・ヘスです。彼女が演じるハイエナ弁護士グムジャは、温室育ちのヒジェとは対称的な踏まれても踏まれてもたくましく前に向かう強靭な雑草育ち。人に疎まれる後始末的な仕事も請負い、手段を選ばずひたすら勝訴を勝ち取るために貪欲に突き進む強引な辣腕さが売り。でも、その生い立ちはというと、人に言えない過去を抱え、それが彼女の弱点であり、かつ貪欲さのルーツとなっている……というような役どころです。

ファッションの着こなしやコーデを見るだけでも楽しい!

 身長187cmのチュ・ジフンを相手にしているせいか、かなり小柄な印象のキム・ヘスですが、実は公式サイズによると170cmという高身長。ロングコートやジャケットを肩がけし、大きめのサングラスから、立ちはだかる巨大なビルをじっと見つめ上げるシーンのカッコよさと切なさときたら! 
  • ハイエナのキム・ヘス
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 女性にはあまり興味を抱かない私ですが、思わず惚れ惚れ。グムジャが着こなすファッションセンスも抜群で、レッドやグリーンなどのトレーニングジャージのセットアップにジャケットを組み合わせたり、ビッグカラーのシャツにパンタロンスーツを合わせたりと、私たち世代では下手するとダサ見えになりかねない今シーズンのコレクションコーデをその役のキャラクターとして個性的にカッコよく着こなしていて、それを見るだけでもときめくし、大人ファッションの参考にも。

 長め携帯ストラップを斜めがけするスタイルもグムジャのトレードマーク的に使われているのですが、これがまたシャレていて、「若い子にはかわいいけど大人にはちょっと痛い……?」と思い込んでいた私の偏見もばっさり。大人には大人の似合わせ方があると改めて勉強になった次第です。
ハイエナのチュ・ジフン
 相手役のチュ・ジフンは実年齢38歳!(ドラマではグムジャが4歳年上という設定ですが……)。11歳の年の差を感じさせないのはもちろん、恋愛対象としての違和感もゼロ。というか、年齢ってマジで関係ないんじゃない?って思わせるキム・ヘスの説得力が半端なく。しかも、それが単に若見えだからというのではなく、実際、50歳間近と聞いても素直に納得できる年齢ならではの懐の深さみたいなものを持ち合わせているところがスゴイ。

 ドラマのグムジャにしてみても、とことん腹が据わっているのに、どこかに繊細な危うさを秘めているし、そして、カッコよくてキュート。う〜ん、このロールモデル、かなり難易度高めです。懐の深さや腹の据わり方がありながらかわいいって、一朝一夕には真似できないし、つまりは人間力の違いってこと? でも、目標ができるというのはよきこと(たとえ到達するのが不可能でもです)。ライフワークとして死ぬまでには習得できるように頑張りたいと決意する今日このごろではありますが、達成にはかなりな年月が必要かと思われますので、まずは、すぐさま見た目に結果が出てくれる肌磨きでもせっせと励むことにいたしましょうか。
ハイエナのキム・ヘス

その言葉、気になる! ドラマのハングル・ワンポイントレッスン

【마음 말이야 , 마음】(マウム マリヤ、マウム)「気持ちだよ、気持ち」

 ドラマ序盤、最初の離婚訴訟対決でグムジャにしてやられたヒジェは、今度こそはなんとしてもグムジャに勝利しなければと躍起になります。まあ、かわいさ余って憎さ100万倍というところですね。そんな最中、ヒジェとグムジャは反目しあっているにも関わらず、行きがかり上、一緒に居酒屋に行くハメに。そして、相当量のお酒を飲んでからの会話の中に出てくるのが今回のハングルです。

「酔ったついでに聞きたいんだけど……」とヒジェ。
「何よ? 好きだったかって? それが大事?」とグムジャ。
「大事なら?」とさらに聞き返すヒジェに、グムジャが答えたのは
「당신이 섹시하긴 하지(タンシニ セクシハギナジ)/あなた、セクシーだわ」

 う〜む、ごまかし入ってますねぇ、このセリフ。これに対してのヒジェの言葉が件のハングル。

「아니, 그런 거 말고(アニ , クロンゴ マルゴ)/違うよ、そんなんじゃない
 마음 말이야 , 마음(マウム マリヤ , マウム)/気持ちだよ、気持ち」

 う、う、う、憎いけど愛さずにはいられない切ないヒジェの想いが表れるいいセリフです。

 마음(マウム)は「心」や「気持ち」という意味を表す名詞ですが、韓流ドラマではたびたび登場する言葉で、例えば「내 마음이다(ネ マウミダ)」「私の心だ」なんていうのもよく出てきそう。イケメンに大きな花束とともにこんなセリフをもらえたら言うことなしです。
  • ハイエナのチュ・ジフン
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 これと同じような言葉で가슴(カスム)というハングルも。こちらは「胸」という意味の名詞ですが、身体の部位としての胸という意味とともに「心」という感情を表す時にも使われ、例えば「가슴이 아파요(カスミ アッパヨ)」「胸が痛い」だったら、肋骨を折って胸が痛いという時にも使われますが、「마음이 아파요(マウミ アッパヨ)」と同様の意味で胸が締め付けられるように痛い時にも使われます。この「가슴(カスム)」もドラマにちょくちょく登場する言葉なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 ちなみに中間の「말이야(マリヤ)」はその前の“気持ち”を強調する言葉。グムジャが「セクシー」という言葉ではぐらかしたのに対して、「そんなんじゃなくて、気持ち“だよ”、気持ち」とその時の心を本当に確認したかったヒジェの切なる想いがこの言葉にも表れていますね。

 さて、では、このセリフに対して、グムジャはなんと答えたのでしょう。それは、見てのお楽しみ。
ハイエナのキム・ヘス

■Netflixオリジナルシリーズ『ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-』独占配信中

https://www.netflix.com/title/81177545

山崎敦子

山崎敦子

旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。

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