“姑ストレス”は昔の話?50代の「嫁・姑事情」まとめ

最近、「嫁姑問題」を扱ったドラマや小説が話題になることは、めっきり減った。それに悩む人はいなくなったのだろうか。けれど、友人の中に嫁姑問題で長年悩んでいる人もいれば、姑が原因で離婚を踏み切ったという話も耳にする。いったい今、嫁と姑の関係はどうなっているのだろう?アンケートと専門家への取材で見えてきた“現代の嫁姑関係”とは?
教えてくれたのは…

人生相談のプロフェッショナル

「大原敬子の遊育会」代表 大原敬子さん

『テレフォン人生相談』(ニッポン放送)の回答者を長年務め、厳しくも愛のあるアドバイスにファン多数。『悩みがスッキリ消える 嫁姑が幸せになれる100の知恵』(PHP研究所)をはじめ、女性の生き方やコミュニケーションに関する著書も多数。

大人女子を応援するアラフィー世代代表

作家・エッセイスト 横森理香さん

『「健康」「美」「幸せ感」をレベルアップする 大人女子力検定』(ディスカバー・トゥエンティワン)、『コーネンキなんてこわくない』(集英社)など、エクラ世代のリアルをつづったエッセーが好評。web「OurAge」にて“更年期チャレンジ”も連載中。

嫁姑・夫婦関係の専門カウンセラー

恋人・夫婦仲相談所所長 三松真由美さん

バブル期直後に主婦の大規模ネットワークを構築。以来、主婦の悩みや不満をキャッチし、社会に発信する一方、会員数1万3000人を超える「恋人・夫婦仲相談所」を運営。著書に、『40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣』(扶桑社)などがある。

 

【1】姑への本音とリアルな関係性

結婚して十数年以上という人が多いアラフィー世代、嫁姑関係は新婚のころと同じ? それとも変わった? 現状を探るべく、アラフィー世代の女性たちに「嫁姑にまつわるアンケート」を実施! 結果はいかに!?

姑への本音と、リアルな関係性

嫁姑問題

Q.お姑さんの年齢は?

嫁姑問題

読者がアラフィーゆえか、姑の大半が70代。しかも、戦前生まれとなる76歳以上が64%も。家父長制の時代を知り、姑に仕えてきた世代だけに、嫁に求めるものが大きいのも当然!?

Q.お姑さんとは同居?別居?また、住まい方は?

嫁姑問題

70代以上の姑が大半にもかかわらず、舅も健在が44%なのは、平均寿命が世界トップクラスの日本ならでは?「 ほかの実子と同居」は、長男にかぎらず、次男や娘というケースも多かった。

なんと、同居は読者100人中3人のみ。2世帯住宅の人が数人いるものの、玄関もキッチンも別の完全独立型で、顔を合わせない日も多いからか、「別居」と回答していた。

Q.理想の姑像は?

“安藤和津さん。”(受付・54歳・姑88歳)

“朝ドラ『まんぷく』の松坂慶子さん。”(自営業・51歳・姑73歳)

“おしゃれで活動的。そのうえ、家庭的で家事にも長た けた女性。そんな姑と一緒に買い物に行ったり、料理を作ったり、お互いの夫の愚痴をいいあったりしたいです。”(専業主婦・52歳・姑74歳)

“自立していて、要所だけ押さえて、優しいけどサッパリとした姑。”(専業主婦・50歳・姑79歳)

“平野レミさんと、そのお嫁さんたち。一緒にお料理している姿が素敵です。”(フラワー講師・49歳・姑73歳)

“市原悦子さん。チャーミングで姑だったら楽しそう。”(フローリスト・54歳・姑79歳)

Q.お姑さんの家とあなたの家の距離は?

嫁姑問題

「遠距離」の場合、姑が地方で、回答者は首都圏在住という組み合わせが目立つ。夫が進学や就職で地方から出てきて、そのまま首都圏に定住という人が多いものと推測される。

Q.お姑さんとの連絡の頻度と連絡手段は?

嫁姑問題

姑が70代前半くらいだと、LINEやメールを活用しているようだけど、70代後半になると電話が主流に。なかには、「頻繁にLINEがきてウザい」(会社員・48歳・姑73歳)という声も。

嫁姑問題

「週1回以上」とマメに連絡をとっているのは、近隣在住の人が中心。「やりとりはほとんどない」ものの、姑との関係は「普通」と認識している人が多いのが印象的だった。

Q.お姑さんと会う回数は?

嫁姑問題

会う回数が半年に1回以下という人が40%もいるうえに、「姑と自分は会わない」人が21%も! これは、子供が成長し、「孫の顔を見せるため」という口実がなくなりつつあるエクラ世代ならではの現象といえそう。

Q.お姑さんのことで困っていることがある?

嫁姑問題
YESと回答した中に、姑と「仲がいい」と答えた人がいる一方、「姑とうまくいっていない」人で、「もう付き合ってないから」とNOと答えた人もちらほら。距離が近いからこそ、困った事態に遭遇する確率が高いということ?
嫁姑問題

姑にいわれた、あんな言葉、こんな言葉

うれしい言葉やキツい言葉は、結婚して何年たっても意外と忘れないもの。たったひと言がその後の関係性を左右する!?

感激!
娘になってくれてありがとう。(会社員・50歳・姑88歳)

(娘が難関校に合格したとき)あなたのがんばりのおかげね。(自営業・46歳・姑72歳)

食事につれていってくれたり旅行につれていってくれたり、本当にありがとう。お友だちに話したらそんな嫁はいないっていわれたの。(フリーランス・48歳・姑79歳)

(結婚式や住居を決めるとき)本人がどうしたいかが一番。どんなふうにやってもよい。(会社員・44歳・姑77歳)

ショック!

保育士さんか看護師さんと結婚してほしかった。(パート・54歳・姑 他界)

(上の子の受験に忙しかったとき)下の子のことも考えられない、母親失格。(講師・50歳・姑81歳)

あなたなんかと息子が結婚するなんて!(学生兼主婦・54歳・姑 他界)

(夫に向かって)早く別れて、ほかの人とやり直しなさい。(自営業・53歳・姑69歳)

Q.あなたはお姑さんと仲がいいですか?

嫁姑問題
「普通」という回答が半数以上だが、姑に不満を抱えている人や「自分と姑は会っていない」と距離をおいている人が多数。「普通」=「表面的にはもめていない」だけ?
・まあまあ仲がいい
夫とは幼なじみで、姑のことも昔から知っているため、結婚した当初から関係は良好。ちなみに、姑と私の母も顔見知りで、仲よしです。(公務員・46歳・姑72歳)

子供が生まれてから、頻繁に行き来するようになり、距離が縮まりました。(会社員・44歳・姑69歳)

・普通
最初に会ったときから、そんなに仲よくなれるとは思えませんでした。実母とは真逆のタイプだったので。基本的には、年1回、お正月しか会いません。(専業主婦・52歳・姑77歳)

控えめでおとなしいタイプの姑。まったく干渉してこないのでお互いのことをまだまだ知らないという感じ。もっといろいろいい合える仲になりたい!(会社員・45歳・姑75歳)

・まったくうまくいっていない
姑は義妹とべったりで、入る余地がない。(パート・48歳・姑80歳)

Q.ご主人はお姑さんと仲がいいですか?

嫁姑問題
「まあまあ」と「非常に」を合わせると、「仲がいい」が半数以上。それを、嫁である読者が、快く思わないか、微笑ましい・自分にとって好都合と思うかは、夫婦関係しだいといえそう。
・非常に仲がいい
夫は姑と月2回ほど電話で話しています。仲がよいのはいいのですが、私が疲れているのに無理に電話口に出そうとしたり、勝手に家に泊める約束をしたりするので、それが困ります。(専業主婦・45歳・姑75歳)

・まあまあ仲がいい
実の親子なのだから、仲がよくてあたりまえだし、夫が親孝行してくれたほうがラク。(会社員・48歳・姑76歳)

母親をないがしろにする男性は苦手なので、夫が姑を大切に思っていることは、とても好ましいです。(自営業・45歳・姑75歳)

・普通
夫は完全に私の味方ですが、義実家との関係を悪くしても自分たちに不利になるので、割りきって普通に接しています。賢明だと思います。(フラワーデザイナー・48歳・姑71歳)

・夫の年齢(56歳)くらいだと、たぶん皆さん母親との関係は濃厚すぎずあっさりすぎずで、こんなものかなと思っています。今の若い男の子は、母親と仲がいいことを人に話すのは恥ずかしくないそう(息子談)。(専業主婦・53歳・姑80歳)

Q.お姑さんとの関係が悪化したきっかけは?

私の父が危篤で入院しているのに、正月等、実家より自分たちのほうに来いといったり(これは夫が間に入ってどうにかしてくれれば、とも思いますが)、姑の父親が糖尿病で入院した際に見舞いに来いという配慮のなさ(しかも私の父はまだ入院中)……。思いやりのかけらもない自己中な人だと思って会わなくなりました。さらに子供の塾代等、私の実家がかなり出してくれているのにお礼のひと言もなく、人間的にどうなの?と決定的になりました。(専業主婦・47歳・姑68歳)


子供が生まれるまでは、ふたりで旅行に出かけるほど仲がよかったのですが、長男が小学1年生の夏休み明けの新学期の朝、うまく学校に行けないことがあったときから、急変。母親失格と姑からいわれたことがありました。1カ月くらいしてから普通にひとりで学校に行けるようになり、姑からはもとのように話をされますが、私の気持ちが変わってしまい、今は自分から話しかけるというより、何かいわれたことに対してだけの会話となりました。(会社員・48歳・姑72歳)


新婚のころは遠慮もあり、いい嫁をこなしていたけど、姑が病気で寝たきりになり、介護のことで夫、親戚ともめることが増えて、その矛先が姑との仲にも影響していってしまいました。近すぎると優しくできなくなっていきました。(講師・50歳・姑 他界)


2世帯住宅の計画を2年がかりで進め、ハウスメーカーさんと詳細なインテリアまで決め、最終契約となったころから、姑の様子が激変。突然、内装やお金のことでこだわって、いつもけんか腰でしか話をしてくれなくなった。家は白紙に戻し、今はまったく連絡をとりあっていません。(コンサルタント・45歳・姑79歳)

Q.お姑さんに贈り物や食事の招待などはしていますか?また、その際の予算は?

嫁姑問題
「誕生日」より、「母の日」重視なのは、嫁としての気遣いの表れ?「以前はしていたけれど今はしていない」人が10%ほどあり、大半が、「姑とうまくいっていない」人だった。
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「誕生日」や「母の日」といった毎年やってくる記念日は、予算1万円以下が圧倒的。「古希」や「喜寿」といった“ビッグイベント”には、2万円以上費やす人も珍しくなかった。

Q.お姑さんに感謝していることは?

姑は、嫁との理想の関係があったように思いますが、その考えが古いと気づいて変えてくれていると感じます。(専業主婦・43歳・姑74歳)


干渉や押しつけがまったくない。連絡もめったにくれないが、元気でいてくれ、そしてこちらのいたらない点に対しても、文句や小言がまったくない。主人のおばからは「子供はひとりだけなの?」といわれても、姑や舅からはいっさいそういうことはいわれたことがない。本当にありがたいです。(会社員・44歳・姑75歳)


孫に対して季節の行事などを通して料理やお菓子などをいただいたり、娘が成人式を迎えたときは、その費用をほぼ援助していただいたり、入学式にお祝いをいただいたり。いろいろと助けていただいてます。(専業主婦・48歳・姑73歳)


会うより電話が多いですが、私が忙しそうにしてると、私の体を気遣ってくださり、とてもうれしく思います。(専業主婦・50歳・姑79歳)


たったひとつ! 今のところ元気でいてくれるところ。(専業主婦・52歳・姑77歳)


保育士だったので、育児のアドバイスが的確で助かりました。(会社員・49歳・姑78歳)

嫁姑問題

姑のトホホなエピソード

嫁を長く続けていると、姑からの耳を疑うような発言や、目が点になる行動などに、たびたび遭遇するようで……。その“ほんの一部”をご紹介!
長女が初孫で、誕生後すぐの写真を贈ったら、長女と私の写真を大きく伸ばして、私を切り取って子供だけで写真立てに飾っていた。義理の兄にも「かあちゃんひどいな」といわれていたが、姑はシレッとしていた。(専業主婦・43歳・姑74歳)
結婚したばかりのころ、何かの話をしていたら、突然姑が「〇〇ちゃん(私のこと)、今、突っ込まなアカンとこでしょ!」と指摘され、ビックリしたのを覚えています。関東の女にはむずかしかったです。(専業主婦・51歳・姑77歳)
結婚したとき、親戚からの御祝儀を500万円くらいいただいたのですが、姑が全部自分の懐に入れました。いただいた親戚には、私の実家がお返しをしました。もう本当にひどい話がたくさんありすぎて、書ききれません(苦笑)。(自営業・53歳・姑69歳)
宅配便で食品や洋服などを送ったのですが、そのとき、舅、姑、義妹と個別に送ったつもりはなかったのに、「一番下の妹の分が入ってない」といわれ、目が点に!(専業主婦・53歳・姑80歳)
頻繁に長期入院をされたので、入院中は毎日行きましたが、一度もありがとうがなく、「あなた毎日大変ね」と他人事のようにいわれ続けました。(専業主婦・54歳・姑 他界)

 

【2】嫁姑問題のお悩みをプロが解決!①

姑との仲のよしあしに限らず、多くのアラフィー女性たちが姑の言動に悩み、不満や不安を抱いていることが判明。「精神面からお金まで、姑が夫に甘え、頼ってくる」という、あるアラフィー主婦のお悩みに、姑とガッツリ対峙した経験をもつ賢者たちが、ズバッと回答!

【case1】精神面からお金にいたるまで、姑が夫になにかと甘え、頼ってきます

台風で姑が暮らす家が被害にあったのですが、その修理代を夫に出してくれと。結婚して30年、お金の要求があったのは、これが3度目。最初は義妹の車の修理代(彼女は結婚しています)、2度目は甥の大学入学金。しかも、金額が毎回増え、今回はとうとう100万円! お金にかぎらず、なにかと夫を頼る姑&義妹。「甘えすぎでは?」と思うけれど、夫は、姑にも義妹にもデレデレで、断る気配はまるでなし。このままだと、私たちの今後の生活に支障が出るのではと不安に。(専業主婦・53歳・姑80歳)

嫁姑問題

専門家からのアドバイス

大原敬子さん「不満のタネは、“甘えられない自分”」

長年悩み相談を行っている大原さんは、開口一番、「悩みを聞くと、その人が心の底で何を求めているかがわかります。このかたの場合、キーワードは“甘え”」と。「甘えすぎ」と非難している=自分はそうしたいのにできないことの表れ。「だから、夫に上手に甘えている姑や義妹に腹立たしさを覚えるのでしょう。まずは、それを認め、甘えるにはどうしたらいいかを考えて。姑に、『どうしたら、お母さんみたいに甘え上手になれる?』と聞いてみるのも手。思いがけない嫁の行動に、姑があなたを見る目が変わるかもしれません。“息子の行動を黙って受け入れるよい嫁”を、無理に演じる必要なんてないんですよ。演じたところで、姑に好感をもたれるという保証はないのですから」。

横森理香さん「自分の感情より、丸く収まることを優先」

「たとえオッサンになったとしても、母親にとって息子は特別な存在だし、逆もまたしかり。なので、姑と夫の関係について苦々しく思っても、しかたがありません。ここは、自分の感情よりも、その場が丸く収まることを優先して。結果的に、それが自分の心の平穏につながりますから」。「夫が姑をケアしてくれるからラク」と考えれば、ふたりの仲を温かく見守れるかも。「ただし、お金だけは別。身内といえども、安易に援助してしまうと、次から次へと無心される危険性があるので要注意。あまりにひどければ、専門家に相談することも視野に入れて」。

 

【3】嫁姑問題のお悩みをプロが解決!②

【case2】遠方なのに、ヘルプを求めてくる姑。この先、その回数が増えそうで心配

姑から、インフルエンザにかかってもうろうとし、部屋で転倒したという電話が。でも、わが家は遠方。新幹線や飛行機でないと行けません。近くに住む義妹に連絡したかとたずねたところ、「(義妹はフルタイムで働いているので)気を遣わせたくないから、していない」と。「違うだろ〜〜〜!」と心の中で叫びつつ、話を聞き、救急車で病院に行ってもらいました。姑は、私を頼りにしていると思うと悪い気はしない一方、今後こういうことが増えてくるのだと思うと、ちょっと心配。(薬剤師・52歳・姑78歳)

嫁姑問題

専門家からのアドバイス

横森理香さん「夫から経費が出る旅行と思い、満喫して

姑からの“出動要請”に悩む声は、ほかにも多数。なかには、「タダで使えるヘルパーだと思われている」というコメントも!「年をとると、脳の働きも、身体能力も衰えてきて、動けなくなるもの。推測どおり、この先ますます頼られるようになるでしょうね。ここは、考え方を変えるのが一番。姑のために遠方まで出かけると思うと損した気になるけれど、夫から経費が出るひとり旅ととらえ、お世話ついでに、いろいろ楽しんじゃいましょう。観光したり、おいしいものを食べたり、少し足をのばして温泉につかったり。アラフィー世代は、ひとり旅の醍醐味がわかってくる年ごろ。きっと楽しいと思いますよ。母親の世話に行ってくれるのだから、夫も、感謝してお金を出してくれますしね(笑)」。

三松真由美さん姑が納得いく理由で断るように

「いやだなと思いながらも、手助けしつづければ、姑はあてにします。読者の姑世代の中には、『嫁は姑につくすもの』という価値観をもっている人も少なくないでしょうしね。“タダで使えるヘルパー”になるのが困るなら、『ここまでしかできません』と、きっちり線を引かなければ」。ただし、断る理由については慎重に考えて。「子供の行事が入っているとか、夫の用事があるなど、姑が『それならしかたがない』と、納得するような理由にすること。『私だって忙しいんです!』と、自分の都合を前面に出しては、関係が悪化するだけです」。

 

【4】嫁姑問題のお悩みをプロが解決!③

【case3】今は姑と距離をおいていられるけれど、介護となればそうはいかなそう…

結婚当初から遠距離なうえに、私が働いていることもあって、姑とはずっと疎遠。気が合うわけでもないし、姑にかわいがられていると感じたこともないので、距離を縮めようとしてきませんでした。向こうからもアプローチがないので、ここ数年は顔を合わせていませんし、電話で話すこともありません。正直、今の状況は気楽でベスト。とはいえ、夫はひとりっ子。姑が元気なうちはいいけれど、介護が必要になったら放っておくわけにはいかなそう。それを思うと憂うつです。(公務員・49歳・姑75歳)

嫁姑問題

専門家からのアドバイス

大原敬子さん「心配無用、ちゃんと対処できます

「姑の介護について考えているわけですよね? それなら大丈夫。自分が思うほど姑と仲が悪いわけでもないし、優しい人だと思いますよ」と、大原さん。姑を遠ざけているのに、関係が悪いわけではない?「例えば、おしゃべりがはずんでいる姑と嫁がいるとします。仲よさげに見えますが、実はお互い嫌っていることを隠すために会話を途切れないようにしている可能性もあります」。なるほど、思い当たる節はある。なのに私たちは、頻繁に顔を合わせている嫁姑は仲がよく、疎遠だとうまくいっていないと判断しがち。「そんなふうに物事を表面的にとらえることが、自分を不幸にしてしまうのかもしれませんよ」。

三松真由美さん介護費用を算出することこそ嫁の役目

「この人の気持ちはともかく、家族だけで自宅介護をするのは、ほぼ不可能。特に体は元気だけど認知症がすすんでしまったケースはそう。ひとりにしておくと何をするかわからないから、常に誰かが寄り添っていないといけません。家族だけで面倒を見る場合、仕事をやめ、プライベートな時間を削るなど、自分の生活を犠牲にすることになってしまいます。『いずれ介護を』と憂えるよりも、介護が必要になったとき、どんなサービスや施設があり、費用がいくらかかるのか試算するのが先決。そして、それを姑にしっかりと説明し、今のうちに費用を貯めるように促すことこそ、嫁の大切な役目だと思います」

 

【5】嫁姑問題のお悩みをプロが解決!④

【case4】姑に気を遣いすぎるのか、会うと、どっと疲れてしまいます

姑は徒歩圏内にひとり暮らし。週1回以上は連絡をとり、月1回以上は顔を合わせるなど、関係は良好だと思います。自立していて、私たちに迷惑をかけないようにという気遣いのある、優しい姑のことを私は尊敬しています。ただ、話すときは、一度頭で考えてから言葉にするように気をつけるなど、けっこう気を遣うのも事実。私のひと言でいやな思いをされたら……と思うと、不用意なことはいえません。そのせいか会うと、とても疲れてしまいます。気にしすぎでしょうか?(在宅ワーク・54歳・姑84歳)

嫁姑問題

専門家からのアドバイス

横森理香さん姑を気遣うより、自分を労ってあげて

「この人は、自分に自信がないんですね。きっと、ほかの人にも気を遣っているんじゃない? でもね、そもそも完璧な人間なんていません。毎日なにかしら失敗するし、『あちゃ~』と思うことをやらかします。そんなに気にしていては、自分が壊れちゃいますよ。それでなくても、アラフィー世代はホルモンバランスが変わる微妙な時期。もっと自分を労り、ハッピーになれることをしたほうがいい。失言して、姑に文句をいわれたって、ハイハイと聞きながら、頭の中では自分が好きなことを考えていればOK。姑には、頭の中まで見えないんだから(笑)。ただし、笑顔は心がけて。ニコニコしていると、たとえキツいことをいっていても、そうは思われませんから。それに、この年齢になると顔が下がってくるので、笑顔でないとつまらなそうに見え、それこそ姑の機嫌を損ねることに。笑えば頰の筋肉が鍛えられてリフトアップになるし、脳から幸せホルモンが出るので、ぜひ実践してください」

大原敬子さん「姑もあなたと同じ人間、大差ありません

「姑を尊敬しているから、気を遣ってしまう。その気持ちはわかります。だけど、どんなに立派に見える姑だって、あなたと同じ人間であり、女性。そんなに大きな違いはないはずです。そもそも、あなたの気遣いに合わせて、姑も無理をしている可能性だって考えられます。思いきって、素の自分をさらけ出してみてはいかがでしょう? もしかしたら、もっと良好な関係を築けるかもしれませんよ」

 

【6】嫁姑問題のお悩みをプロが解決!⑤

【case5】義妹の子供を自慢し、うちの子のことはほめてくれない姑の態度にムカッと

義妹のところには、うちの娘と同い年の女の子がいます。姑は、その子のことが大のお気に入り。リビングには彼女の写真がずらりと並び、娘の写真は隅のほうにひとつ飾られているだけ。ケータイの待ち受けも、もちろん彼女の写真です。会えば、必ずその子の自慢で、学校の成績からビジュアル、交友関係に性格まで、とにかくほめちぎります。私が娘の話題を持ち出しても、反応はイマイチで、いつのまにか彼女の話に逆戻りだし。これが20年近く続いていて、辟易しています。(ヨガ講師・49歳・姑73歳)

嫁姑問題

専門家からのアドバイス

横森理香さん笑い飛ばして、心身の健康をキープ

「義妹の娘をほめているようで、実は、嫁であるあなたを攻撃しているんでしょうね。しかも、その感情を抑えることができず、あからさまになってしまう。これは、この姑の性格によるものではなく、高齢者一般にいえること。脳が老化すると、感情を抑制できなくなり、思っていることが“だだ漏れ”しやすいそうですから。ここはもう、笑い飛ばすしかありません。『まいったな、またいわれちゃった~』って。もしくは、一緒になって、その子をほめちぎっちゃう」。つまり、負の感情を、笑いに変え、自分を楽しませるということ。「アラフィーにとって一番大事なのは、自身のハッピーの管理ですから」。

三松真由美さん「スルーを決め込むのが得策です」

「姑に『いわないでください』とお願いしてもむだだし、あなたに『気にするな』といってもむずかしいでしょう。だとすると、スルーするのが一番。さりげなく話題を変えたり、席を立つなどで、防御して」

大原敬子さん「姑の話をメモしまくってしまいましょう

「姑が話しだしたら、『お母さま語録をつくりたいので』と、すかさずメモを。書くことに集中すると、よけいなことを考えずにすみますし、姑にしても、記録されていると思えば言葉を選ぶようになるかも」

 

【7】嫁姑問題のお悩みをプロが解決!⑥

【case6】“長男の嫁”として、帰省のたびに馬車馬のように働かされます…

夫の実家は、もともと男尊女卑の色合いが濃い地域のうえに、地元では名家。姑も昔気質で、「親の面倒を見るのは長男夫婦」と思い込んでいるみたいで、私にも昔ながらの“長男の嫁”という役割を求めてきて、とにかくこき使われるのです。お正月や冠婚葬祭に帰省すると、家中の掃除に始まって、数十人分の食事の支度、親戚の接待と、座る暇もないくらい(泣)。しかも、今まで一度も「ありがとう」といってくれたことがなく。こんな状況がいつまで続くことやら……。(パート・46歳・姑75歳)

嫁姑問題

専門家からのアドバイス

大原敬子さん「自分を売り込むチャンスと、とらえて

「物事は考え方しだい。『こき使われている』のではなく、『自分を売り込む絶好のチャンス』だととらえては? 昔気質の姑なら、きっと財産も、長男に多く残してやろうと考えているはず。男性より女性のほうが長生きしますからね。その財産は、いずれあなたのものになる可能性が高いわけです」。タダで働かされていると思うと癪(しゃく)だけれど、この働きが、将来お金になって戻ってくると思えば……。「『ハイ、喜んで!』という気になるでしょう(笑)。それに、この状況は永遠に続くわけではありません。いつか終わりがくる期間限定。そんなふうに発想を変えれば、たいていの悩みは解消できる。私はそう思います」

三松真由美さん「問題は、姑ではなく夫です」

「問題は、この人の夫! 妻が使用人のように働かされているのに、親にひと言も意見しないなんて、妻を大切にしていない証拠。つまり、嫁姑の問題ではなく、夫婦の問題だと思います。日ごろから、夫婦間のコミュニケーションがとれていないような気がしますが……、違いますか?」。まずすべきは夫婦での話し合い。夫の実家で自分がどう扱われ、どんな気持ちでいるかを伝え、夫が理解してくれたら、彼の口から姑に意見してもらうように。「姑は、嫁からいわれると腹を立てますが、息子からなら、案外聞く耳をもってくれるもの。『この状況が改まるまで、帰省しない』と、荒療治に出るのも一案です」。

 

【8】“私たち、うまくいっています”エピソード

姑との関係に悩む女性が多いものの、中には「実母よりも仲よし」「本当は親子のような関係」という声も! そんな嫁姑の仲よしエピソードをご紹介します。

こんなにうらやましい関係も!私たち、うまくいっています!

姑との関係に悩んでいる人のほうが多いものの、回答者の中には「実母よりも仲よし」「本当の親子のような関係」という人も。仲よし嫁姑に共通するキーワードは、姑への「尊敬」と「感謝」!?

嫁姑問題

自立していて、賢く、優しい姑を女性として尊敬しています

新婚当初から、実の娘のようにかわいがってもらっています。10年前に義父が亡くなってからは、旅行や外食はいつも姑を誘っていますし、子供の行事にも参加してもらっていて、“一緒にいるのがあたりまえ”の存在に。早い時期から2世帯住宅で暮らしていますが、ほどよい距離感を保てているのは、姑が、「私は私、あなたはあなた」と自制してくれる、賢く、すばらしい女性だからこそ。ひとりの女性として、尊敬し、感謝しています。姑からも、「あなたでなければ、こういう関係にはなれなかったかもしれない」と、いっていただき……。なんでも、初めて私に会ったとき、まるで10年も前から知っていたような気がしたのだとか。100歳を目ざして、これからますます健康で、人生を楽しんでほしいと心から願っています。(自営業・50歳・姑78歳)

いつも快くサポートしてくれ、感謝の気持ちしかありません

結婚前に実の母を亡くした私は、とてもよい姑に出会えたと思います。娘が小さいころは、私が残業や出張のときに預かってくれ、今も料理を差し入れしてくれるなど、いつも快くサポートしてくれています。結婚して23年たちますが、言い争いをしたこともありませんし、自分が我慢をしていると思ったこともありません。もしかすると、姑が、いいたいことがあってもいわずにいてくれているのかもしれないけれど(笑)。本当に感謝しています。(会社員・51歳・姑77歳)

姑は、夫を産み育ててくれた、私にとって大切な存在

3年前、夫50歳(子供あり)、私45歳(子供なし)のときに再婚しました。姑は近所でひとり暮らしなので、週2回以上は手料理持参で行き来し、夫も含め3人でスポーツジムに行ったり、地域のイベントに参加したりと、関係は良好。遠方から嫁いできた私を、いろいろ気遣ってくれたことも、とても心強かったです。姑は、夫を産み育ててくれた大事な存在。今の私にできることを、ひとつずつやっていくつもりです。(パート・48歳・姑77歳)

 

【9】アドバイザーが回答!私たちは嫁姑問題をこう考えます

多くのアラフィー女性たちが悩む「嫁姑関係」について、アドバイザーがきっぱり回答! 豊富な人生経験の中でたどりついた“嫁姑関係がこじれることなく、自分の気持ちが平穏でいられる方法”を、人生相談のプロ・大原さんが伝授します。

嫁姑問題

自分を肯定することが嫁姑問題から解放されるカギに

「時代は変わっても、嫁姑問題は昔のまま。姑にとって、嫁は愛する息子を奪った女ですから、気に入らなくて当然です。だから、好かれようとせず、“まんまの自分”で接するのが一番! 姑がどう思うかは別として、あなたの気持ちは、きっと軽くなるはず。結婚して20年以上取り繕ってきた? 今からでも遅くありません。姑は、あなたの変わりように驚くでしょうが、じきに慣れます」 

素でいるには、自己肯定感が必須。

「自分の好きなところやよいところを10個以上あげられますか? もしも思い浮かばないなら、自分に自信がないということ。だけどね、どんな人にだって魅力はあるもの。私の早口を欠点だという人もいるけれど、祖母は、『頭の回転が速い証拠』と、ほめてくれました。結局、どうとらえるかということなんですよね」 

姑への不満も、え方しだいで別ものに。「原因は、姑にではなく、あなたの心の中にあるのかもしれません。自分が満たされていないから、矛先を、姑に向けている場合もあるんじゃないかしら」 

例えば、「姑が夫に頼りすぎ」と憤るのは、夫が自分に何もしてくれないことへの不満が、形を変えて表れただけ。そんなふうに自省すると、気持ちがざわつく“真の原因”が見えてくることもある。 

姑に対して負の感情が消えないときの即効性のある解決策として、大原さんが提案してくれたのが、体を動かすこと。「そうすると、マイナスの感情から一時離れられ、気持ちが浄化されます。おすすめは、テーブルの上の片づけ。短時間ですむのに、目に見えてきれいになるので、気分がスカッと晴れますよ」

【大原さん流 姑ともめない秘訣】

一、好かれようとせず、「これが私」という“まんま”を出す

一、姑への不満は、自分が抱えている悩みを映す鏡だと認識を

一、マイナスの感情がわいてきたら、テーブルの上を片づける

嫁姑問題

子供を喜ばせるつもりで接すれば、大事にはなりません

ヘルスケアにも精通している横森さんいわく、「姑世代だと、脳の老化が始まっている人も少なくないと思います。それが、私たち嫁をイラつかせる原因になっていることもあるでしょうね」と。「思い込みが激しくなったり、わがままになったり、感情的になったり。身内には甘えがあるから、そうしたいやな面を抑えることなく、ぶつけてくるんですよね。つまり、姑が特別いやな人なわけでも、あなたが姑に嫌われているわけでもなく、老化現象のひとつということ」 

だとしたら、打つ手はない!?

「年をとると子供に返るといいますよね。だから、子供を喜ばせるつもりで接すれば、大きなトラブルにはならないんじゃないかな。大切に思っているという態度を示し、ほめるときは盛大にほめ、何かにつけ贈り物をする。逆に、姑が何か送ってくれたら、すぐさまお礼の電話をかけ、自分ではなく、子供や夫を電話口に出すとかね(笑)。そうやって、姑が喜ぶツボをきちんと押さえることが大切」 

横森さん自身、記念日をリマインド登録するサービスを利用し、事あるごとに姑にお菓子やサプリを送付しているとか。「姑を喜ばせることに抵抗がある人もいるでしょうが、すべて、自分の幸せにつながること。プレゼントがうれしければ、子供におこづかいをはずんでくれるかもしれないし、健康が維持できれば、介護のリスクが減るんだもの。そうやって、自分のためと考えれば、実行できそうでしょ。 

でも、一番の秘訣は、自分自身がハッピーでいること。心身が健康なら、姑とのトラブルも気にならなくなるはず!」

【横森さん流 姑ともめない秘訣】

一、困った振る舞いは、老化現象によるものと心得る

一、ほめるときは盛大に、プレゼントは大盤振る舞いを

一、自分自身がハッピーでいられる時間を確保する

嫁姑問題

嫁姑の関係悪化の要因は、舅の姑への愛情不足

「嫁姑がうまくいくかどうかは、姑と舅の関係が大きく影響します。長年、舅からないがしろにされている姑は、その虚しさや寂しさから息子に執着し、結果、嫁につらくあたってしまう。そうしたケースを、これまで私は多数見てきました。逆にいえば、舅と姑の仲がよければ、嫁姑のトラブルは起こりづらいということ」 

そう指摘するのは、夫婦関係に詳しい三松さん。舅と姑が共通の趣味を楽しんだり、仲よく出かけるなど、満ち足りた時間を過ごしていれば、息子とその嫁に構っている暇はないというわけだ。「なので、姑をもっとケアし、ふたりの時間をもつように、舅を促しましょう。映画のチケットを渡して、『おふたりでどうぞ』とすすめるだけでもOKです」 

それを繰り返せば、ふたりで出かけるのが習慣になり、仲が深まる可能性が大。 

すでに舅が他界しているなら、姑が楽しく過ごせる場を積極的に提供して。

「高齢になると、自ら新しいことに挑戦しようと思わなくなります。だからこそ、嫁の出番。姑が気に入りそうな習い事やサークルを紹介したり、時には一緒にイベントに参加したり。そこで、新しい友人やボーイフレンドでもできれば、姑の気持ちもやわらぐというもの。いずれにしても、姑が幸せでいることが、嫁の幸せにつながるのだと思います」 

モメる原因で目立つ価値観の相違については、「あきらめるのも大切」と。

「姑は長年その価値観をもち続けてきたのだから、今さら変わりません。それを認め、自分とは違う価値観だと受け入れることも、もめないためのポイントです」

【三松さん流 姑ともめない秘訣】

一、姑をもっとケアするように、舅を仕向ける

一、姑が楽しく過ごせる機会を、積極的に提供

一、「しかたがない」と、あきらめることも必要

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