手織りのキリム、完成しました

とても地道な作業でした(白目)
老眼を酷使しながら何とか仕上げることができました。
前回、見切り発車的にまだ織り始めたばかりの作品をブログに投稿してしまったのはまずったなぁとも思ったのですが(もしも完成しなかった時とか)、逆にそれが良いプレッシャーとなり、どうにかこうにか完成までこぎつけました。私の見栄が良い方向に作用した例と言えるでしょう。

はた織り、というとシャトルに巻いた緯糸(よこいと)をシャーッと経糸(たていと)の間に通して、筬でトントンと整える、というのがよく知られているイメージだと思うのですが、この『つづれ織り』に至っては、筬を使わずひたすら自分の爪や専用の櫛で緯糸を織り込んでいくという、なかなか根気のいる手法なのです。

それでも最初は調子よく織り始めていたのですよ。
デザイン画通りに柄が出てきてくれたりすると私の脳内でも快楽物質のようなもの(アドレナリン? ドーパミン? 知らないけど)が出てくるような、とにかく楽しくて仕方ないわけです。これぞ、手作りの醍醐味よねなんつって。
でもなんか段々、横巾が当初のサイズより太り始めてくるし、
織り方そのものは一度覚えたら難しいものではないのですが、やはり今回柄を織るということで、緯糸の通し方がやや複雑で、何度も間違えたり。

終わりが見え始めた頃、やっぱりこの横巾が気に入らないのよ!! と両端の紫とピンクの糸の大半をほどいて、また一段一段織りなおしてみたり(そこまでしておきながら、少しはマシになったかな、という程度の修正で終わりました……)
ちょっとずつメインのモチーフが出てきました
ちょっとずつメインのモチーフが出てきました
織り途中の柄を眺めるのも好きです
この織り途中の柄を眺めるのも好きです
キリム、完成
織り上がりました
織り機からおろした後も、経糸の処理など作業は続きます。
余った経糸は裏に入れ込みます
舞台裏
ていうか、あんたキリムキリム騒いでるけど、こんなのキリムじゃないやい!
そんな声が飛んできそうですが、『キリム風』ってことでここはひとつ。

いや、でも自分でも織りながら気づいたことがあるんですよ。
確かに今回のデザインは、伝統的なキリムモチーフをベースに考えました。
そして配色だけは、前回のブログにも書きましたが、キリムらしくないものを、これが今回の私のこだわりでした。

ちなみに、キリムに使われているモチーフって、ひとつひとつ意味があるんですね。
たとえば私の作品の中央にデーンと大きく織り込まれている文様、これは「目」を表現していて邪視除けの意味が込められているとか。
目を表すキリムの文様
目です
上下に配置したオレンジのうねうね柄は、「フック」と呼ばれる模様で、鍵をかけて邪悪なものを中に入れないという、これまた魔除けの意味が。
フックを表すキリムの文様
フック。あまり綺麗に織れなかったけど
また今回のデザインには入っていませんが、「髪飾り」「耳飾り」「花」など乙女なモチーフもあります。

話は戻りまして、織り途中の自分の作品を見てふと、思ったわけです。
このモチーフ全てに意味があるように、本来のキリムの配色それ自体にも何かしら意味があるのでは、と。
とすると今回私が取り入れたこの色では、キリムの文様が活きないのでは……と。

そもそも伝統的なキリムは、沢山の色を使ったカラフルさが特徴なんですけれど、
全体的に色味が渋かったり、そしてその色の組み合わせ方も、私の遺伝子にはおよそ組み込まれていなさそうなある意味斬新なセンスなんですよね。
だから「それっぽく」デザインしようにもまず発想が浮かばないし、だからと言ってハウツー本をまんま模倣するのもつまらないかなぁと思って、じゃあ私の主観で可愛い! と思う配色にしてしまえ、それもきっと面白いだろう! とまあそんな経緯で今回のデザインに行きついたわけです。

ですが完成に近づくにつれ、前述したように「何か違うかも……」と織機の前でしばし考え込んだりしていました。もちろん、その『違うもの』を目指したのだけれど、ちょっと狙いを外したかもしれない、と。

現代社会に生きる私は、ケースバイケースではあるものの、整然として均一なものに美しさを感じる節がありまして(織物の端っこがまっすぐ安定しないことを許せないのもその現れじゃないですかね)、それ自体は別に悪いことではないと思うのだけれど、キリム作りに関してはそれは或いは邪道なのかもしれないなぁ、と。

例えば糸を染める時、基本的にはひとつの作品に足りる分量の糸を用いて染色します。
同じ色を再現するのは至難の業ですから、一度に染めるわけですね。
染色に限らず、同色の糸をいくつか購入する場合も、ロット番号の同じものでそろえるように。

けれど昔のキリムづくりでは、糸が途中でなくなると新たに染め、それは元の糸とは微妙に違う色になってしまうのですが、その濃淡が深みを与え味となり結果的にそれが伝統的なキリムの特徴の一つになっているのですね(と、いうことを自分のキリム《風》作品に疑問を抱いた私は、ネットで調べて知りました。にわか知識でございます)。
と、そのような気づきを含めて、それでもこの作品を作ることができてよかったです。
そして何だかんだ書いたけど、これはこれで気に入ってます。
ちょっと残念なのは、横巾が結局安定せずに樽みたいな形になってしまったこと~。
やっぱり綺麗なスクエアが好きだし、こればかりは単に私の技術不足なので。

額に入れてみました
額に入れたら少しはマシに見えるでしょうか。
ヒタスラマダム

ヒタスラマダム

九州在住の主婦。夫、息子の3人家族です。趣味は手織り、そして数ヶ月前から始めたベリーダンス!年齢を重ねてますます好奇心に溢れ、何ならとっ散らかり気味な私の日常を楽しくお伝えしたいです。

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