世界遺産ハロン湾を巡る1泊2日のクルーズ

リゾート写真家増島実の、本当にお薦めしたいホテル ベトナム編 12

凪いだ海に浮かぶ1600もの小さな島々は、水墨画の世界
ハノイから約160㎞、ハロン湾にはライムストーンの島々が個性的な姿でそそり立っている。朝霧の中では墨絵のように渋かった風景が、陽の光を浴びて色づき、青い空、紺碧の海、粗い岩肌、過酷な環境の中で育っている木々の緑へと染め分けられていく。そして宵闇が迫るころ、クルーズ船はシルエットとなり、やがて島々と共に漆黒の闇に溶け込み、船室の照明だけが光の点となって水面にボーッと浮かびあがる。海が表情を変えていくのを眺めているだけで素敵な時間が流れる。

ハロン湾ジャスミン号の1泊クルーズ

クルーズ船の旅は人気上昇中なので、エクラ世代の女性にも興味を持っている方が多いと思う。もし、時間がかかり過ぎるとか、価格が高いとか、船の中で退屈するのではないかといった理由で未体験なら、ぜひハロン湾クルーズをお勧めしたい。船は凪いだ湾内をゆっくりと進み、ほとんど動いていることにも気づかないくらい。揺れも感じないので、船酔いの心配はまずない。1泊2日と、2泊3日が選択できる。中には半日クルーズもあるが、せっかくハロン湾まで来て乗船するのだから、もったいない気がする。スタンダートの客室なら、1泊3食付き・1室2名の利用で2人で5万円程度と、リーズナブルだ。
ハノイからは乗り合いのマイクロバスで4時間近くかかるが、滞在中のホテルからの送迎もついている。ただし、個人的に車を手配したい場合は、別料金がかかるので要注意。また、季節によっては天候が悪くて突然クルーズがキャンセルされる場合もある。比較的天候が安定しているのは、2月~4月の上旬の乾季。もちろん旅行会社を通じて日本から申し込むこともできるし、日本からのツアー自体に「ハロン湾クルーズ」が含まれているものもある。いくつかの船が就航しているが、ネットの情報などを見て船を選ぶことも可能。
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ハロン湾には、バイト―号、エメラルド号、パラダイス号など、それぞれ特徴のある船が就航している。いずれも設備は整っているが、外観は懐かしい木造のジャンク船の雰囲気を残している。早朝、ドローンから撮影した映像
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ハロン湾には、昔ながらの漁で生計を立てている人々がいる。現在はここに定住しているわけではなく、日中だけ、漁や売買の拠点にしているようだ
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    クルーズ船からボートに乗り換え、洞窟や漁村の見学に向かう。海や島々をもっと間近に感じられる

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    デッキで語らいながら夜の海を楽しむゲストたち。ハロン湾は、湖のように凪いでいる時が多く、揺れるのが苦手な人も船酔いの心配はない

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    客室前の廊下にもベトナムの工芸品のスタンドが並べられていて、エスニックなムードが漂う

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    客室は船の中なのでやはり狭いが、フローリングの床に木の壁とクラシックなカントリースタイル

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やはりヨーロッパからのゲストが多く、クルーズに慣れている印象。ドレスコードは特にないが、せっかくのディナータイムは、ちょっとおしゃれしたい
予想に反して……というと失礼かもしれないが、シャスミン号に関する限り、料理はベトナム風も洋食もとても美味しかった。優秀なシェフがいるに違いない
ベトナム風生春巻き。遠洋のクルーズと違い毎日新鮮な材料が積み込まれるためか、野菜も魚介もレベルが高い。生春巻きを作るクッキング教室にも参加できる
日本からハロン湾クルーズを申し込める旅行会社は多数あり、
条件も異なるため、ここでは取材時に実際に利用した会社を紹介。
エーペックスインターナショナル株式会社
東京都新宿区新宿2-15-22 S2ビル6階
TEL 03-5363-4480 

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