心のモヤモヤの解消して「今を悔いなく生きる」ために知っておきたい2つのこと

まじめで責任感が強いのが、エクラ世代の女性の特徴。でもそれゆえに悩み悲しんだときのため、覚えておきたいことをホスピスドクターの小澤先生に教えてもらいました。

その1.“自分の「人生の価値」に気づくことができれば不安は減っていく”

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 世間は華々しい活躍をした人ばかりに注目しがちなもの。でも、他人からの評価と、本人が自分の人生に満足しているかは、まったく関係がありません。
 自身や人生に、“価値がある”と自分で思えること。それこそが、人生を輝かせるうえで大事なことなのです。
 自分自身の価値を見失ってしまったときや、生きがいをもてないと感じたときは、大切な写真アルバムを一枚ずつめくるように、過去の輝いた瞬間をていねいに思い出してみてください。両親や祖父母、友人、恋人、パートナーや子供……。身近な人から愛された、と感じた瞬間。仕事や勉強、趣味などで、喜びを感じた瞬間。自然の美しさに気づいたり、素敵な本や映画に感動した瞬間など、たくさんあるはずです。そのときの幸せな気持ちを思い出して、ゆっくりと味わってみましょう。自分の人生のすばらしさに気がつけるはず。過去の自分が今の自分を救ってくれ、心の支えとなります。

  

 エクラ読者に今の悩みを聞いたところ、「若いころには感じなかった不安や焦り、人生の虚しさを感じる」という声が多く寄せられた。
「生きているだけで意味がある、とよくいわれますよね。頭では理解しているのですが、今の自分に満足できないのです。いつ自分に満足できるのでしょうか」(M.Sさん・49歳)。「人生、悔いが残らないようにもうひと花咲かせたいという思いがあります。でも、忙しさにかまけて月日が飛ぶように過ぎていくばかり。これでいいのか。後悔しない人生の意味を見つけたいと思っています」(A.Iさん・53歳)。
 そうした心境に陥ったときにも、"過去をていねいに振り返ってみる" という小澤先生のアドバイスはヒントになりそうだ。

  

その2.“例えば子供のこと。信頼して、ゆだねる。それができれば不安は減る”

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 人生は永遠ではない、と気づきはじめる50代。自分たちがいなくなったあとのお子さんが心配、というかたは多い。“社会人としてちゃんとやっていけるのか”“結婚して家庭を築けるか”など、親としての心配もさまざま。でも、自分の価値観で子供を見て、“将来、こうあらねばならない”という思いが強いほど、親の不安は大きくなり、苦しくなるのです。そして子供も苦しめてしまいます。
 ここで大事に考えたいのは子供自身の幸せです。親が問題を解決してあげられなくなったとき、どうであればお子さんが幸せに生きていけるのか、今こそ思いをめぐらせてみましょう。ただ結婚すれば、どこでも大きな会社に入れば、というものではないですよね。どういう生活ならこの子は幸せか。親の価値観とは大きく異なるかもしれない。けれど、ひとりの人間として自身で道を選び、その足でしっかり歩いていけるなら、それ以上に親が安心できることはないはずです。それには、お子さんに信頼を寄せ、本人の将来をゆだねることしかないのです。それができたら、親の不安は減ります。
 お子さんのことにかぎらず、“ゆだねること。手放すこと”。これは人間にはとてもむずかしい宿題なのですが、不安を減らし、悔いを残さず生きるために大事な心のあり方かと思います。
   
 読者アンケートで、「今、心にあって、心配でたまらないことは?」の問いに目立った答えが「親の自分たちが逝ったあとの子供のこと」。ひとりっ子も多く、昔と違い親戚や近所付き合いも少ない、今の時代らしい気がかりだ。
 ほかに、「地域のボランティアを中途半端なかたちでやめたら、まわりに迷惑をかけそう」「親の家業を自分の代で途切れさせてはいけないと思っている」などの声も。責任感の強いエクラ世代は、「自分がやらなければ、問題を解決しなければ」という思いが強く、それができないと、自責の念につながることすらある。
「自分の手に余ることは、ほかの人にゆだねる。人にかぎらず、自然や運命にゆだねるという考え方もあります」と小澤先生。

   

教えてくれたのは…

めぐみ在宅クリニック院長
小澤竹俊先生
’63年東京都生まれ。’87年東京慈恵会医科大学卒業。’91年山形大学大学院医学研究科医学専攻博士過程修了。救命救急センター、農村医療に従事、’94年より横浜甦生病院内科・ホスピス病棟に勤め、病棟長に。’06年めぐみ在宅クリニックを開院。医療従事者や介護人の人材育成のために、’15年に一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会を設立。

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