大注目俳優アン・ボヒョンの演技力が光る!新感覚ラブコメ『ユミの細胞たち』【見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビvol.20】
エクラの美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ。20回目の今回は、アン・ボヒョン&キム・ゴウン主演で、韓国の大ヒットウェブ漫画を3Dアニメと実写で描いた話題作『ユミの細胞たち』をご紹介!

日常や恋愛を、頭の中の細胞たちの世界とリンクさせて描き出す
人間の身体は60兆個の細胞でできているといわれています(数は諸説あり)。と、書き出すとまるで美容の記事を書いている気分になりますが、もちろん今回も韓流ドラマのお話です。
それにしても、私たちをつくっている細胞って、本当に気の遠くなるような数ですよね。1個1個数えていたら何十万年かかっても数え終わらないそうな。でも、その膨大なひとつひとつが毎日、それぞれの役割を果たすべく一生懸命に働いているからこそ、今の自分があるわけでして。そう考えると、ギュッと抱きしめてあげたくなるほど愛おしくなってきませんか、自分の細胞たちが。
で、ちょっと質問。神社や教会などで、必死でお願いした祈りが叶った経験ってありませんか。私は何度かありますが、その願いが叶う要因の一端は実は細胞たちにあるのではないかと思ったりするのです。ひょっとしたら必死の祈りって、その思いを自分の細胞ひとつひとつに、しっかりと刻みつける行為でもあるような気がして。だから、それを受け取った細胞たちは、知らず知らずにその祈りの方向にベクトルを合わせて働いてくれるのではないかなと。
まあ、私の他愛のない妄想ではございますが、思い当たる節もなきにしもあらずで。でも、そう思って、毎晩、神棚や仏様にしっかり手を合わせたりするのですが、その妄想が湧き出して以来、なぜか、私の細胞たちは、一向にベクトルを合わせてくれないようでして……。
と、前置きがだいぶ長くなりましたが、このドラマ「ユミの細胞たち」です。そう、細胞。キム・ゴウン演じる会社員ユミの日常と恋愛を、頭の中の細胞たちの世界とリンクさせながら描き出している実写とアニメをミックスさせたなんともユニークなドラマ。

主人公のユミは食品会社に勤める会社員なのですが、その仕事をしたくて入社したわけでもなく、3年前に手痛い失恋をして以来、恋する気持ちもずっと萎えたまま、会社と家を往復するだけの退屈な毎日です。そんなある日、ユミは会社の同僚からゲーム開発者のク・ウン(アン・ボヒョン)を紹介されます。ドラマは、その出会いによって、ずっと昏睡状態だったユミの“愛細胞”が目覚め始めたことから、細胞の世界にも大きな変化が起こり、ユミの久しぶりの恋愛ストーリーが展開していくという塩梅。
アニメで描かれる細胞たちは、ジャンプスーツみたいな水色の衣装(それぞれ少しずつデザインが違う)を身にまとい、60兆個とまではいきませんが、それこそうじゃうじゃと登場し、その一人ひとり(もとい、1個1個)にそれぞれの役割とキャラクターがあって、それがどれも「いるいる私にもこの細胞」的なおかしくも愛おしいものばかり。
例えば、“腹ペコ細胞”は、お腹がすくとどんどん大きくなって細胞世界をドタドタと走りまわっちゃうし、白のパンツ丸出しにしている“下心細胞”は、お尻ふりふりしながら「ムフフ」と何かを企むと、他の細胞たちが慌てふためき、ユミもなんだかムズムズ……、みたいな。
なかでも、私が最も共感したのはユミの金銭感覚を管理する“ケチ細胞”。ある日のこと、ユミは会社の別部署から宣伝のコピーを書いてみないかと声をかけられるのですが、以前は作家になりたい夢もあったユミの“作家細胞”が、必死にコピーに取り組むものの、力及ばず。で、ユミがあきらめかけたところに「謝礼が出る」との連絡があり、ケチ細胞の出番となるわけです。「お金のために書け〜」と作家細胞の尻をたたきまくるケチ細胞。すると、なんということでしょう。あれほど、苦しんでも書けなかったコピーがあっという間に書けちゃうという。
なかでも、私が最も共感したのはユミの金銭感覚を管理する“ケチ細胞”。ある日のこと、ユミは会社の別部署から宣伝のコピーを書いてみないかと声をかけられるのですが、以前は作家になりたい夢もあったユミの“作家細胞”が、必死にコピーに取り組むものの、力及ばず。で、ユミがあきらめかけたところに「謝礼が出る」との連絡があり、ケチ細胞の出番となるわけです。「お金のために書け〜」と作家細胞の尻をたたきまくるケチ細胞。すると、なんということでしょう。あれほど、苦しんでも書けなかったコピーがあっという間に書けちゃうという。
わかるなあ、これ。私も自分で何か書こうかなと思ってパソコンの前に座るも一向に指が動くことはないのですが、お金をいただけるお仕事となると、もう、もりもり書いちゃうぞ、なんてね。やっぱり、ぶら下がるニンジンの力は絶大です。ケチ細胞、ありがとう。

若手ナンバー1のキム・ゴウン&アン・ボヒョンの演技も抜群!
さて、そんな愛すべき細胞たちですが、問題はユミとク・ウンの恋愛です。ほら、人の紹介でのファースト・デートって、なかなか微妙でしょ? 相手のことをお互いに全く知らないわけだから、あまり期待するのはよそうと思いながらも、実はめちゃくちゃ期待しちゃったりなんぞして。素敵な人ならいいな、いやいや、そんな素敵な人が来るわけないし。嫌いなタイプだったらどうしよう、でも、あの人の紹介だから大丈夫よね。でも、話がつまらなかったら、さっさと引き上げよう……、とかね。
それは、どうやらユミも同じようでして。待ち合わせの場所に現れたク・ウンは、なんとTシャツ&短パンにビーサン姿でおまけにもさい長髪&顎髭つき。しかも、なんだかヌボーっと立っている冴えなさ感ありありの体。そう、第一印象は、もちろんハズレです。としたら、どうします? 適当にお茶でも濁して、そそくさと帰ろう作戦ですよね。ユミの細胞たちの選択も同じ。作り笑顔でとりあえずのおあいそ作戦開始です。
一方、ク・ウンはといえば、これが、なんとユミに一目惚れ。何も期待してなかったク・ウンの思考がそこでSTOP、彼の細胞の世界は霧が立ち込めちゃって一歩も動けない状態に。で、とりあえずのお茶しているうちに、それを挽回せねばとしゃしゃり出てきたのがク・ウンのギャグ細胞。よせばいいのに、ダサすぎるダジャレの連発にユミの細胞たちのおあいそ作戦も限界に。ところが、今度は、帰ろうと決意するユミの腹ペコ細胞が暴れだし、とりあえずご飯を食べましょうか……、てな流れに……。
ドラマは、そんなどこにでもいるような平凡な男女の、どこにでもあるような平凡な出会いから始まる平凡な恋愛模様を、ユーモラスかつリアルに描き出していくというもの。というと、あれ、なんか地味?と思うかもしれません。そうなんです。確かにお話自体は殺人もなければ、ドロドロもなく、いたって普通。
ところがです。恋愛の過程で起こる数々のできごとに対して、どう感じ、どう思い、どう悩み、どう選択し、そしてどう行動していくかを、いろんな細胞の気持ちや行動とリンクさせながら、女側の事情、男側の事情を交えつつ、きめ細かく丁寧に映し出していくスタイルは、実はこれまでの恋愛ドラマにはあまりなく新鮮で。だからなのか、観ているうちに、共感を超えて、自分もその場でその恋愛を実際にしているような気持ちにまでなってしまうという。
ところがです。恋愛の過程で起こる数々のできごとに対して、どう感じ、どう思い、どう悩み、どう選択し、そしてどう行動していくかを、いろんな細胞の気持ちや行動とリンクさせながら、女側の事情、男側の事情を交えつつ、きめ細かく丁寧に映し出していくスタイルは、実はこれまでの恋愛ドラマにはあまりなく新鮮で。だからなのか、観ているうちに、共感を超えて、自分もその場でその恋愛を実際にしているような気持ちにまでなってしまうという。

主演のユミを演じるキム・ゴウンは若手ナンバー1と言われるほどの演技派。対するク・ウン役のアン・ボヒョンは、「梨泰院クラス」のヒール役や「マイネーム:偽りと復讐」の麻薬捜査官など、これまで全く違う役柄を演じてきた人気急上昇中の若手俳優。共感以上の一体感を呼ぶのも、このふたりのナチュラルかつリアルな演技力があってこそなのですが(とにかくひとつひとつの表情が絶妙)。
さて、そうして、迎えるシーズン1のラスト。ネタばれするので詳しく語れないのが、本当に残念です。私はといえば、どんなドラマチックな恋愛ドラマよりも、どんな衝撃的なサスペンスドラマよりも、この平凡な恋愛のほうがずっとずっと後を引くというか……。今は、ユミを、ク・ウンを、それぞれの細胞たちを、そして、ふたりのエピソードのひとつひとつを、ぎゅうっと抱きしめてあげたい……、みたいな。もし、観た方がいらっしゃったなら、チャミスルをくいくいとやりながら、一晩中でも語り明かしたい気分です。あー、シーズン2、早く始まらないかなぁ……。

■『ユミの細胞たち』Amazon Prime Videoにて見放題独占配信中

山崎敦子
旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。
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