【一人暮らしの親のケア】家事問題は、“親がどうしたいか”という視点で判断を

専門家が、一人暮らしの親のケアをする際に必要なことを伝授。家事は、“親がどうしたいか”という視点で判断をするのがおすすめ。
特定社会保険労務士 池田直子さん

特定社会保険労務士 池田直子さん

いけだ なおこ●あおぞらコンサルティング所長。仕事と介護の両立および企業向け介護支援セミナーを実施。『図解とイラストでよくわかる 離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』(KADOKAWA)監修。

暮らしのケア編

《家事》

“親がどうしたいか”という視点で判断を

配偶者と暮らしていたときは、きちんとした生活をしていたのに、ひとりになったとたん、食生活が乱れ、家の中が散らかりだす。そんな話もよく耳にする。子供としては、親がちゃんと栄養をとっているか、清潔な空間で過ごしているかが気になるところだが、池田さんいわく、「親は、それを望んでいないかもしれません」。

「親は、残りの人生、多少体に悪くても、好きなものを食べたいと思っているかもしれませんし、掃除や片づけにしても、一緒に暮らす相手がいたから、しかたなくやっていただけかもしれません。年齢とともに、親の好みやライフスタイルが変わった可能性もあります。昔の親のイメージは捨て、現在の親が望むものは何か、一度聞いてみてはいかがでしょう」(池田さん)

家事をやりたくてもできないという状況なら、民間や自治体の家事代行サービスや食事の宅配などを活用するのも一案。介護認定されていない高齢者向けサービスを提供している自治体も増えているので、チェックしたい。

暮らしのケア編

要介護認定を受けていなくても65歳以上なら利用可能【介護予防・日常生活支援総合事業】

全国一律の介護保険サービスと異なり、各自治体が地域の実情に合わせて、サービスの運営基準や料金を設定するのが「介護予防・日常生活支援総合事業」。なかでも、「介護予防・生活支援サービス事業」は、要支援1・2対象者だけでなく、要件を満たした65歳以上の人が利用可能で、自治体によっては、栄養改善や見守りを兼ねた配食サービス、見守りサービスなどを提供。掃除や調理などの訪問型生活支援サービスや通所型サービスが受けられる場合もある。

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