【一人暮らしの親のケア】気がかりな突然のケガや病気に。おすすめの見守りアイテムで対策する

一人暮らしの親のケアは気になることばかり。最も気がかりな、突然のケガや病気の対応を、3人の専門家が指南。おすすめの見守りアイテムで安全を見守って。
専門家がアドバイス!
特定社会保険労務士 池田直子さん

特定社会保険労務士 池田直子さん

いけだ なおこ●あおぞらコンサルティング所長。仕事と介護の両立および企業向け介護支援セミナーを実施。『図解とイラストでよくわかる 離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』(KADOKAWA)監修。
介護作家・ブロガー 工藤広伸さん

介護作家・ブロガー 工藤広伸さん

くどう ひろのぶ●2度の介護離職を経験し、現在は、企業や自治体などでの講演や執筆活動をしつつ、母の遠距離在宅介護を続ける。著書に、『親が認知症!? 離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと』(翔泳社)ほか。
心理学博士 小野寺敦子さん

心理学博士 小野寺敦子さん

おのでら あつこ●’84年、東京都立大学大学院人文科学研究科心理学専攻博士課程修了。現在、目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授を務める。近著、『女50代のやっかいな人間関係』(河出書房新社)が話題に。

暮らしのケア編

《見守り》

安心・安全の確保には、ITとマンパワーを併用して

親の一人暮らしで、最も気がかりなのは、突然のケガや病気。

「倒れているのに、誰にも気づかれず、長時間放置されたままとなっては一大事です。それを防ぐのに最適なのが、見守りカメラ。ふだんの暮らしはもちろん、地震や洪水といった災害時でも、カメラを通じて親や家の様子が確認できますしね。カメラとビデオ通話機能が一体になったアイテムなら、なおよし。こちらから親に呼びかけることもできますから」(工藤さん)

設置は、寝室やリビングなど、親が長くいる場所やよく利用する場所に。まだまだ元気な親や、監視されているようでイヤという親の場合、玄関先のように、親の生活圏から比較的離れたところだけでもOK。玄関ドアやトイレなどに人感センサーをつけ、“動き”を確認することから始めるのも手。

「マンパワーも、ぜひ併用を。牛乳・お弁当の配達など、一日に1度は誰かが訪問するようにしておくと、安否確認ができるうえに、親もコミュニケーションの機会がもてます。私は、『何日か牛乳が置きっぱなし』など、異変があった際は連絡をくれるよう、お願いしていました。また、親の家を訪ねる際は、ご近所やかかりつけ医にもあいさつにいき、何かあれば知らせてくれるよう、頼んでおくと安心。民間や自治体の見守りサービスを利用するのも一案です」(池田さん)

火事のリスクは、IHコンロや、自動消火装置がついたガス台に換えることで軽減を。また、親が住む地域のハザードマップと最寄りの避難所などの情報は、親が目につく場所に置いておくとともに、子供も把握しておきたい。「親に、新しいアイテムやサービスの導入を提案する際は、言い方にも気をつけて。親にもプライドがあるので、子供に上から目線で指図されたら、気分を害し、反発するかもしれません。まずは感謝やほめ言葉を口にし、親を認めているという態度を示して。そのうえで提案すれば、親も聞く耳をもつだろうと思います」(小野寺さん)

暮らしのケア編

ますます進化!【おすすめの見守りアイテム】

全国一律の介護保険サービスと異なり、各自治体が地域の実情に合わせて、サービスの運営基準や料金を設定するのが「介護予防・日常生活支援総合事業」。なかでも、「介護予防・生活支援サービス事業」は、要支援1・2対象者だけでなく、要件を満たした65歳以上の人が利用可能で、自治体によっては、栄養改善や見守りを兼ねた配食サービス、見守りサービスなどを提供。掃除や調理などの訪問型生活支援サービスや通所型サービスが受けられる場合もある。

テレビのオンオフで確認、人感センサーにも『みるモニ』

みるモニ

ネット不要で、テレビと「みるモニ」をケーブルでつなぎ、スマホにアプリを入れるだけ。テレビのオンオフ状況や人感センサーで、親の日常生活を確認できる。室温から熱中症の危険を感知したり、緊急ボタンを押せばスマホに通知がくるなどのサービスも。¥2,860(レンタル月額料金)/エヌ・エム・エス

人の動きを感知して通知、会話量もアップ!『BOCCO emo』

BOCCO emo

スマホアプリに音声やメッセージを入れると、BOCCO emoがかわりにおしゃべりし、BOCCO emoに話しかけると、メッセージとしてスマホに送信。センサーが人の動きを感知しスマホに通知するほか、日常のあいさつに返答する機能も。Wi-Fiなしで使える、LTEモデル Powe red by ネコリコ¥2,970(レンタル月額料金)/ネコリコ Wi-Fiモデル¥52,800/ユカイ工学

呼びかけ機能つきスマートディスプレイ『Echo Showシリーズ』

Echo Showシリーズ

スマートスピーカーは、見守りにも応用可。Echo Showシリーズが設置された部屋の様子を、Alexaアプリを入れたデバイスで確認でき、ビデオ通話も可能。呼びかけ機能があるので、親が操作できなくてもビデオ通話できるのも魅力。5.5インチから15.6インチまで4サイズ展開。¥8,980~¥29,980/Amazon.co.jp

気軽に筋トレができ運動記録を通知『ル・プリエスクワットみまもり』

ル・プリエスクワットみまもり

座って上下するだけで、足腰を鍛えられる運動サポートアイテムに、見守り機能がプラス。運動状況を離れて暮らす家族に通知してくれる。監視されている感なく、習慣を通して見守れるので元気な親に◎。¥27,500/ミズノお客様相談センター

公的・民間のサービスも充実

●郵便局「みまもり訪問サービス」
郵便局社員が月1回約30分親の家を訪れ、会話を通じて生活状況を確認し、結果を家族にメールで報告。利用料は月額¥2,500。家族の要請に応じて警備会社が駆けつけるオプションも(プラス月額¥880。駆けつけた場合別料金)。

●セコム・ホームセキュリティ「親の見守りプラン」
急病時など、ペンダント型の救急ボタンを握るだけで24時間365日、セコムが自宅に駆けつけ、必要に応じて119番通報や家族にも連絡。防犯や火災、非常などの異常時も駆けつける。レンタル料金は月額¥4,840~。※工事料等は別

●自治体独自の高齢者見守りサービス
主に65歳以上の一人暮らしや高齢者のみ世帯を対象に、自宅を訪問する見守り活動を行う自治体が増加。話し相手になる、買い物や病院に付き添うなど、自治体によって内容や頻度、料金などが異なるので、まずはリサーチを。

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