モヤモヤがすっきり!「50代ファッション&美容悩み」に藤原美智子さんと地曳いく子さんが回答

ファッション迷子になったり、白髪を隠すことに疲れたり、人と比べて落ち込んだり…何かと悩み多き50代。ビューティ・ライフスタイルデザイナー 藤原美智子さんとスタイリスト 地曳いく子さんの2人の先輩がそんな50代女性のお悩みに返答!
ビューティ・ライフスタイルデザイナー 藤原美智子さん

ビューティ・ライフスタイルデザイナー 藤原美智子さん

「案ずるより産むが易(やす)し。考えて立ち止まるより動いて経験する人生を!」
ふじわら みちこ●’22年春、42年間活躍したヘア&メイクアップアーティストの活動を終了し、食、健康、装い、暮らしなど美しい生き方を提案する仕事に専念。執筆や講演のほか、信州大学特任教授も務める。
スタイリスト 地曳いく子さん

スタイリスト 地曳いく子さん

「おしゃれも人生も一歩前に進みたいなら失敗を恐れないで」
じびき いくこ●スタイリスト歴約40年。イタくない大人のスタイリングを信条に、雑誌やテレビ、トークショーでも活躍。人生の迷いを笑いに変える『ババア上等! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室』(集英社文庫)も好評。

 

Q1.無理して若づくりしている人に見えてしまう

無理して若づくりしているように見えてしまうという人は、素材のよい洋服や、ツヤっぽい質感の肌や髪を意識して。

【お悩み】“無理して若づくりしている人”に見えてしまいます。

着たい服と年齢がかみ合いません。柄の服を着るとお年寄りに見えてしまうことも。どうしたらいいでしょう。(56歳・主婦)

Answer
藤原 わかります。確かに見た目も大きく変わる微妙なお年ごろですよね。悲しいけれど、肌や髪の質感が昔とは違ってくるので、好きな服や似合う服も変わってくるのよね。

地曳 まず今の自分の状態を客観的に知ることが必要ですよね。肌にも髪にもツヤやハリがない。そこにペラペラの服を合わせると、安っぽく見えちゃうんです。安くてもいい服はあるけれど、“安っぽい”のはだめ。

藤原 ファストファッションもプリント柄もいいんだけど、質感を吟味しないとね。高級じゃなくてもいいから素材のよいものを選びましょう。

地曳 肌や髪の質感も大事です。同じ服を着ても厚塗りマットな肌、パサついた髪ではイタい若づくりに見えやすいので、ツヤっぽく仕上げて。

「おしゃれを楽しむなら面倒くさいと思わずにトライ&エラーを」

「おしゃれを楽しむなら面倒くさいと思わずにトライ&エラーを」

Q2.田舎に住んでいておしゃれが楽しめない

田舎住まいという相談者におしゃれの楽しみ方を伝授! ネット通販や遠征を厭わず、おしゃれをしたい気持ちを大切に。

【お悩み】田舎に住んでいるので、おしゃれが楽しめません。

まわりにおしゃれな洋服屋がありません。ネットもチェックしますが、「素敵!」と思う服は高価で試着せずに買うのは不安。地方住まい(しかもド田舎)でもおしゃれを楽しむ方法が知りたいです。(50歳・自営業)

田舎に住んでいるので、おしゃれが楽しめません。

Answer
地曳 具体的なアドバイスはむずかしいのですが、失敗なくしておしゃれなし! トレンド感のあるブランドの、返品可能なネットショッピングをどんどん試してみたらどうかしら。

藤原 インスタなどのSNSで年齢や感覚が近そうな人のおしゃれを参考にしてみては? そして田舎でも1〜2時間足をのばせば地方都市があるはず。駅ビルも進化しているから、たまには服のために遠征してみても。

地曳 年に1、2回上京して、おしゃれスポットを訪ねたり街の人のファッションチェックをしたり。

藤原 刺激を受ければ、きっとセンスも磨かれると思います。

地曳 面倒くさいと思ったら、先には進めません。おしゃれをしたい気持ちがあるなら動きだしてみて!

Q3.白髪が目立ちにくい髪色は?

「長持ちするカラーを知りたい!」という髪のエイジング悩みに対して、この道の先輩である、ビューティ・ライフスタイルデザイナー 藤原美智子さんとスタイリスト 地曳いく子さんが一刀両断!

【お悩み】髪の生えぎわがはち巻き状に白髪になり困っています。

2週間に1度、染めにいっています。もう少し長持ちするカラーの入れ方や、白髪が目立ちにくい髪色を教えてほしいです。(48歳・自営業)

髪の生えぎわがはち巻き状に白髪になり困っています。

Answer
藤原 コントラストが強いほど白髪が目立ってしまうので、真っ黒に染めないことが大前提。明るいブラウン系なら、新たに生えてきた白髪もそこまで目立ちません。成熟世代の黒髪は重く暗く見えるし、デメリットが多いの。

地曳 肌のアラも目立つし。黒髪=若い、は昭和の考えですよ。

藤原 白髪の多いところに、金髪のハイライトを入れるのもアリ。私もいつかは金髪に挑戦してみたい。

地曳 サロンだけじゃなくセルフカラーも活用してみては? 私は2〜3カ月に1回、サロンに半日こもってハイライトを入れたりメンテナンスをするけど、それ以外は2週間に1回、自分で生えぎわだけブラシ一体型の「ブローネ」で染めています。

藤原 私もそう。2週間に1回、ちょっとの時間のホームカラー。今はとても便利な時代で、ダメージが少なく簡単にムラなく染められるセルフカラーがたくさんありますよ。

地曳 毎回サロンに行くのは手間も時間もお金もかかるしね。

藤原 最近は白髪を染めないグレイヘアも流行(はや)っているけど、あまりおすすめしないかな。グレイヘアで成功するのは、テクニックとセンスと見た目の美しさに自信がある人だけ。一般の人がそれをまねて、まだら白髪を放置すると老けて見えます。

地曳 40代、50代で手をかけないできれいに見えるなんて、何万人にひとりのレアものだから。普通の人がそれをやると、“手抜きの疲れた大人”になっちゃうんです。

藤原 大人のナチュラルはむずかしいのよ。

Q4.若々しい髪のツヤを出すコツは?

髪のツヤを出すコツについてアドバイス!たんぱく質をたくさんとることが大事。

【お悩み】2、3年前から髪のツヤがなくなってきました。

今はブローをしないとほぼツヤがありません。頭皮のマッサージは以前からやっています。それ以外に有効な対策はありますか?(50歳・主婦)

2、3年前から髪のツヤがなくなってきました。

Answer
地曳 ブローすればツヤが出るならいいじゃないですか。この先は、薄毛、白髪、乾燥がもっと深刻に。

藤原 頭皮マッサージは、ツヤというより血流を促して薄毛や細毛防止に役立つのでそのまま続けましょう。そしてツヤにはやっぱりオイルよね。

地曳 オイルの上手な塗り方を知らない人、意外に多いみたいです。

藤原 お風呂あがりのタオルドライした半乾きの髪に、手のひら全体に広げたオイルを、毛先中心になじませるんです。根元にボリュームを出したいから、地肌にはつけない。

地曳 肌も髪も、とにかく大人は保湿、保湿、保湿! 10日サボったらミイラになっちゃうの。あとダメージヘアのなめらかな手ざわりやツヤ出しには、シリコン配合のトリートメントやセラムがいい仕事をしますよ。

藤原 年齢を重ねても手をかければ結果が出るので、それを楽しんで。

地曳 栄養も大事。髪や爪の成分であるケラチンはたんぱく質だから、鶏肉や卵をたっぷりとりましょう。

Q5.不器用でもパパッとヘアアレンジができるコツは?

「ヘアアレンジに時間がかかってしまう」というお悩みにアドバイス。コツは「自分に合ったヘアスタイルを心がけること」。

【お悩み】朝、パパッとヘアアレンジができません。

忙しいのに不器用すぎてヘアアレンジに時間がかかってしまい、いつもストレスを感じます。(50歳・主婦)

Answer
藤原 このお悩み、よく聞くんですよ。そもそも、なぜいつもアレンジしなくちゃいけないのかしら?

地曳 女優でもないしね(笑)。50歳を過ぎたら、不得意なことはやらなくていいことにしましょうよ。

藤原 自分の髪質やクセを生かしたカットなら、普通にブローするだけでそれなりに見えるはず。


地曳 私もスタイリングやアレンジが苦手なので、ヘアサロンで「乾かしただけでなんとかなるスタイル」をオーダーしてますよ。

藤原 例えば私は半乾きの髪にオイルをなじませて、くるくるとお団子にまとめるの。これをほどくだけでクセを生かした自然なウェーブに。

地曳 髪質、クセ、性格を含め、自分を知ることが解決の近道です!

お団子にまとめてほどくだけで自然なウェービーヘアに

お団子にまとめてほどくだけで自然なウェービーヘアに

Q6.どうしたら美しく眉を仕上げられますか?

「眉を美しく整えるにはどうしたらいい?」というお悩みに対して指南。上手に描けないなら、前髪で隠してしまうのもひとつの手段。

【お悩み】どうやっても眉がうまく描けない。

どうすれば美しく仕上げられますか?(51歳・自営業)

Answer
藤原 その人の顔だちや個性によっても似合う眉は違うから、ひと言でアドバイスするのはむずかしいですね。

地曳 アートメイクという選択肢もあるけど、受ける側もある程度の知識が必要だし、センスのいい施術者に当たらないと悲惨なことに。おすすめは、一度眉サロンでプロに形を整えてもらうこと。どういう眉が似合うかを知り、ベースをつくってもらうと自分で再現しやすくなりますよ。

藤原 私が気になるのは、ボサボサ眉やへたな眉より、力が入りすぎた強い眉。顔が怖くなっちゃうの。

地曳 眉はいかに自然に見せるかがキモですからね。

藤原 上手に描けないなら、前髪で眉を隠すヘアスタイルにするのも手。

地曳 50代からは苦手なことをがんばらなくていい。賛成です!

モヤモヤがすっきり!「50代ファッション&美容悩み」に藤原美智子さんと地曳いく子さんが回答_1_8

Q7.50歳目前、達成感のない人生から一歩踏み出したい

「一歩を踏み出す勇気がほしい」というお悩みにアンサー。なにかを始めたからといって、必ずやり遂げなければならないことはなし!

【お悩み】50歳目前なのに何かをやり遂げた達成感がありません。

結婚することもなく、子供もおらず、仕事は毎日淡々とこなしてきました。せっかくの人生、自分のやりたいことをやりたいという気持ちはあるのですが、転職などをする勇気もなく、結局足踏みしてしまっています。一歩を踏み出す勇気がほしいです。(48歳・会社員)

Answer
地曳 生きて仕事をしているだけで十分立派! 勇気が出ないのは失敗を恐れているからじゃない?

藤原 失敗上等! やりたいことがあるなら、まずやってみる。軽く考えて、失敗しながら続けてもいいし、違うと思ったら次にいけばいい。ダメな自分を笑い飛ばすくらいのユーモアを身につければ最強ですよ。

地曳 やりはじめたらやり遂げないと、と思いがちだけど、そんなことありません。うまくいかなくてもやってみることが楽しい、と気づいてほしい。失敗する自分もかわいいと思うくらいのメンタルで突き進みましょう。

50歳目前なのに何かをやり遂げた達成感がありません。

Q8.憧れの2拠点生活。気をつけておくことは?

アラフィーに増えているデュアルライフ。完全移住も視野に入れて身につけておいたほうがいいこととは?

【お悩み】この年齢からでもデュアルライフは楽しめますか?

もし完全移住になった場合、身につけておいたほうがいいスキルやマインドはありますか?(48歳・主婦)

Answer
地曳
 美智子さんは、14年前から東京と伊豆の2拠点生活ですよね。病院に困りませんか?

藤原 知識、技術、設備が整っている病院は少ないし、遠いの……。

地曳 だから歯の治療などをすませて、万全な状態で行きたいですよね。

藤原 あとはやっぱり、人付き合いがむずかしい。どっぷりハマるとなかなか大変だから、がんばりすぎないこと。愛想よく、でも近すぎない、ほどほどの距離感が大事です。

地曳 行き倒れしそうなときには手を貸してもらいたいし。

藤原 そして、土地が広いので、庭の手入れが大変。50代は平気だったけど最近はしんどくて。夫の反対もあってサイズダウンができず、夏は管理会社に任せて人に貸すことに。

地曳 私もベランダの植物の水やりもつらくなり、今はバジルだけ(笑)。

藤原 わかる! 年齢や体力に合わせて環境を変えるくらいのしなやかなマインドが正解かもしれません。

人付き合いは、意外とむずかしい。適度な距離感を保って

人付き合いは、意外とむずかしい。適度な距離感を保って

Q9.50代、落ちぶれるのが怖い

将来のことを考えるのが怖いというアラフィー世代は多いはず。軽快さとユーモアセンスを忘れずに持って。

【お悩み】この先、落ちぶれるのが怖いです。

昔は仕事も家事もこなし、会社の上司や後輩、夫や子供にも頼られる存在だったのが、今はその面影もなく、お荷物になりそう……。(57歳・会社員)

Answer
地曳
 知識や常識をアップデートしないと落ちぶれますよね。苦手!と拒否しちゃったらその先には進めない。止まるというより後退しちゃうの。学ぶ姿勢は何歳になっても大事。

藤原 前にできたことができなくなる年齢だけど、それは誰もが通る道。できないことより、ネガティブな考え方のほうが問題かも。

地曳 昔できる人だったからよけいにそう思うのかもしれないけど、思考はシフトしていかないと!

藤原 車の運転と一緒で、意識している方向に引っぱられますからね。

地曳 自分でハンドル切ってるんですけどね。落ち込んで暗くなると、仲間も家族も付き合いづらくなるから、嘘でも楽しそうに笑ってみる。

藤原 軽さとユーモアも忘れずにね。

この先、落ちぶれるのが怖いです。

Q10.30歳目前のひとり娘が家を出ません

30代を迎える娘が家を出ないことに悩むアラフィー世代のお悩み。ビューティ・ライフスタイルデザイナー 藤原美智子さん、スタイリスト 地曳いく子さんの見解は?

【お悩み】ひとり娘がパラサイト中で心配です。

30歳目前の娘が結婚する気もなく、ずっと実家暮らしをしているのが気がかりです。(54歳・主婦)

Answer
藤原
 30歳はまだ若く、何をしてどう生きるか、可能性だらけ。独身だからと焦る年齢じゃないですよ。

地曳 あなたが30歳のときとは価値観も大きく変わっています。今は多様性の時代。恋人がいても結婚しない良好なパートナーシップもあるし、異性愛者じゃないかもしれません。恋愛や結婚に興味がない人だっています。十分に大人だし、健康で、仕事ややりたいことがあるなら、放っておけばいいんです。

藤原 家族といえども違う人格ですから。成人したら、子供に対してもそう思えるといいですね。自立を促すためにも、家賃や生活費は入れてもらいつつ、娘さんのことが気にならないくらい、ご自分の人生を楽しんでください。

地曳 自分は変えられるけど人は変えられません。意識を変えるだけで娘さんとの関係もよくなりますよ。

Q11.気心の知れたパートナーと出会うにはどうすればいい?

【お悩み】なかなか夢中になれる男性に出会えません。

独身です。気心の知れたパートナーと一緒に、残りの人生をゆっくり過ごしたいのですが……。(50歳・自営業)

Answer
藤原
 まずは気軽にお茶飲み友だちから始めてみては? 何回か食事をするうちに、いい人だな、楽しいな、と思える私のようなパターンもありますからね(笑)。

地曳 自分だって完璧じゃないしね。生理的に受けつけない相手じゃなければ、何度か会ってみることをおすすめします。あと、本の話ができる人、お酒を飲みたい人、温泉に行ける人など目的で相手を変えてもいいのでは? 私はそうしています。

藤原 大人の場合は、相手に多くを求めないことが鉄則です。そして自分をもっている女性がモテる。

地曳 すべてをゆだねてくる重い人は怖いと思われちゃいますからね。

藤原 50代は待っているだけじゃダメ。明るく楽しく自ら動きましょう。

地曳 店先の果実と同じ。黙っていても選ばれるのは見た目も新鮮な20代まで。ただ、マッチングアプリもあるし、好奇心と行動力があればチャンスはあります。あきらめないで!

Q12.仕事人間からシフトチェンジするタイミングは?

50代、生き方のシフトチェンジはどこでしたらいい?迷っているならその時じゃない、ただ初動はすぐに。

【お悩み】仕事人間のまま人生のいい時期が終わってしまうのでしょうか。

フルタイムの秘書です。このままいくと60歳の定年まで働けそうな勢いです。生き方のシフトチェンジは、どんなタイミングですればいいのでしょうか。(54歳・会社員)

Answer
地曳
 20代から続けてきたヘアメイクの活動を終了し、まさに人生のシフトチェンジをした美智子さん、何かきっかけがあったんですか?

藤原 飽きちゃったの(笑)。というか、やりつくした感ですね。これ以上続けても進歩はないなって思って。それって楽しくないじゃない? だから未練は1ミリもなくて、道具もアシスタントに全部あげちゃったの。

地曳 やりきるってそういうこと。私も今はスタイリスト業はサイドのおかずくらい。そのタイミングは向こうからやってくるんです。迷っているうちはその時じゃない。

藤原 アラフィーからの豊かな人生って仕事にかぎらないでしょう。例えば、新しいことに挑戦する。私がバレエを習いはじめたのは還暦から。あとがないから早く上手になりたくて集中し、昨日できなかったことができるようになる。この年齢でも成長できることに喜びを感じます。

地曳 人生後半戦に“いつか”はないですからね。私も、50歳を過ぎてからインディーズバンドを世界中追いかけたり、本を書いたり。この夏から、クロール教室にも通いはじめました。うまく泳げるようになりたくて夢中になる楽しさといったら。豊かに暮らすって、好きなことができるということじゃないですか。

藤原 定年まで仕事を続けながら、夢中になれることを見つけたり、得意なことをSNSで発信したり。時代、年代で豊かさの基準も変わるから、先のことを考えて不安になるより、今できることにフォーカスして。

アラフィー以降にいつかはありません。今すぐ動きだして

アラフィー以降にいつかはありません。今すぐ動きだして

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