カルティエの時計づくりのサヴォアフェールに触れて【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#39】

10/1 までと会期の残りも少なくなってきましたが、東京・原宿にてカルティエの時計のイベントが開催中。そこで行われたプレス向けのイベントにて、ウォッチメイキングの一端に触れてきました!
ウェブエクラ編集長 シオヤ

ウェブエクラ編集長 シオヤ

50代女性のための雑誌&ウェブメディア「エクラ」のウェブ担当編集長。155cmのアラフィー。ビューティ・小柄担当多め。鈍感肌。盛ってます。
カルティエのイベント「TIME UNLIMITED – カルティエ ウォッチ 時を超える」の会場外観
カルティエの時計の興味深いイベント「TIME UNLIMITED – カルティエ ウォッチ 時を超える」が開催中の折、スイスのカルティエ マニュファクチュールから職人の方々が来日し、プレス向けの講座が開かれました。

カルティエ ウォッチ“マスタークラス”は、その時計作りの一端を体験できる貴重な機会とのことで、わくわくしながら参加させていただいた様子をご紹介させてください。

エルメスのイベント「TIME UNLIMITED – カルティエ ウォッチ 時を超える」のエルメスマスタークラス
2種類あるクラスのうち、シオヤが参加したのは「エナメル クラス」。カルティエの象徴でもあるパンテールをベースに、エナメリング技術を体験することができるというもの。
エナメル技術が施されたパンテールの時計
会場には、まさにそのエナメル技術が施されたパンテールのウォッチが飾られていました。ダイヤモンドとともに輝く、ブルーの鮮やかな発色がまぶしいエナメルは、そもそもは紀元前3千年代に誕生し、長い歴史をもつ素材なのだそう。ガラス質のエナメルの装飾技法はカルティエの誇るヘリテージであり、頻繁に使われている欠かせない技法であるとのこと。今日はそのような素晴らしい技術を体験させていただけるだなんて、緊張します……!
エナメルマスタークラスの様子
  • エナメルマスタークラスで使用する道具

  • エナメルマスタークラスで使用する道具

この日は、スイスから来日された職人の皆さんが先生となって教えてくださいました。
会場には、さまざまな興味深い道具が並んでいます。テーブルの上には小さなボウルに入った4色のエナメルに、極細の筆、ルーペ、水、磨き布に砥石……。どんな風に使うのでしょう? 未知の体験だけに気持ちがアガります! そうこうしている間に、参加者はご用意いただいた白衣を着用します。胸元にはCartierの名の刺繍が。袖を通すだけで、なんだか自分もカルティエの時計作りの末端を担わせていただけるような気分になります(笑)。光栄です!
パンテールが彫られたダイアル
こちらはパンテールが彫られたダイアルです。今回体験させていただくのは、エナメルの技法の中でも「シャンルベ」という、凹凸のある図柄の中にエナメルを流して描いていく技法です。ダイアルの凹んだ部分に、筆でエナメルを置いていくとのこと。細かそう……。ルーペが用意されている理由がわかります。
  • エナメルマスタークラスで用意された000号の極細筆

  • エナメルマスタークラスで用意された4色のエナメル

右が用意された、4色のエナメル。細かく砕かれた色鮮やかなガラス質の画材が水の中に沈殿している、といったイメージです。左は000号の極細筆。実はここ数年、細密画を習っているシオヤ、このサイズの筆は複数持っていてなじみがあります。わりと目がいいほうとはいえ、アラフィー世代にはこういう細かい作業は、常に緊張が伴うんですよね……(笑)。
  • すり鉢に入っているエナメルの元

  • エナメルを違う二つの素地の上に置いて焼いたもの

エナメルのもと、も見せていただきました。左の写真のすり鉢の中に入っているのが、エナメル。それを細かく細かく砕いていくのだそう。右は同じエナメルを、違う二つの素地の上に置いて焼いたものとのこと。ベースが違うと、同じ色のエナメルでも随分発色が違うのが分かります。
筆でエナメルをダイアルの上に置いていく様子
さて、早速ですが筆でエナメルをダイアルの上に置いていきます。まず一番濃いサファイアブルーのエナメルを、パンテールの頭部に置いてみました。「難しい……!」。極細筆には慣れているはずのシオヤ、画材の違いでこんなに難しく感じるものなのか……と、動揺します。エナメルの入っている容器を軽く傾けて、筆でややたっぷりめに取っていくのがコツなのですが……。枠からはみ出してしまいそうで、たっぷり置く、のを躊躇してしまいます。
4色のエナメルをダイアルに置いた様子
途中、筆を洗いながら4色のエナメルをダイアルに置いたところです。よく見るとちょっとした隙間があったりして、チェックのためにもルーペが欠かせません。エナメルは焼くと縮むそうなので、本当はもっとたっぷり置いたほうがよさそうなのですが……はみ出さないように枠内に置くだけで精一杯!という有様。筆をおいてひと息つきながら、このまま焼いていただくことにしました。
  • エナメルが焼かれたダイアル

  • エナメルが焼かれたダイアル

あっという間にエナメルが焼かれたダイアルが出てきました。この後、砥石と研磨台を使って磨いていきます。右の写真のダイアルがセットされた研磨台を、左の写真のように砥石にセットしてガリガリとしばし動かして磨いていくと……完成です!
木製のケースに入ったダイアル
とても素敵な木製のケースに入れて仕上げていただきました! 「やっぱりもう少したっぷりエナメルを置いた方がよかったかな……」と自分なりの反省点はありつつ、名前と写真が入った立派な終了証までいただき、クラスは終了。

当たり前のことですが、こうして体験してみると「職人さんたちの技術の素晴らしさ」が文字通り身に沁みて分かります。美をうみだす手、歴史と鍛錬を重ねた技術、そしてその継承の尊いこと……。ため息と満足感とが相まって、高揚した気持ちのままクラスを後にしました。
  • 「TIME UNLIMITED – カルティエ ウォッチ 時を超える」のイベントの様子

  • 「TIME UNLIMITED – カルティエ ウォッチ 時を超える」のイベントの様子

  • 「TIME UNLIMITED – カルティエ ウォッチ 時を超える」のイベントの様子

さてカルティエのイベント「TIME UNLIMITED – カルティエ ウォッチ 時を超える」は10/1(日)まで開催中です。 カルティエの様々な時計の歴史やそこに込められた技術などを、たどっていくことができます。
シオヤが社会人となって初めて買った高級時計、カルティエの「サントス」も展示されており(実はこの日も腕に着けていました)、なんだか自分の憧れの歴史をたどっているような気分にもなりました。あなたが今、愛用しているあの時計も展示されているかもしれません。会期は残り少ないですが、ぜひご覧になってみてください。
「TIME UNLIMITED - カルティエ ウォッチ 時を超える」

会期:2023年9月15日(金)~10月1日(日)

住所:東京都渋谷区神宮前6-35-6

最寄駅 - JR山手線「原宿」駅徒歩2分、東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前」駅直結

営業時間:12:00~20:00(最終入場 19:30) 

入場料:無料(予約制)

*ご入場にはカルティエLINE公式アカウントより事前予約が必要となりますので、ご予約のうえお越しください。

お問い合わせ:カルティエ カスタマー サービスセンター 0120-1847-00

▶︎公式サイトはこちら

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