-
【エクラ1月号特別付録】山本容子さん2024年カレンダー「Country Life」
2024年1月号付録は、創刊以来、毎年人気を博している山本容子さんの銅版画作品カレンダー。2024年は、山本容子さんが今までに制作した本の装丁から13作品を厳選。エクラ1月号は2023年12月1日発売、どうぞお買い逃しなく!
【山本容子さん・インタビュー前編】 「カントリーライフ」から生まれる視点
那須の自然が与えてくれたもうひとつ別の視点
山本容子さんは那須の自然に触れるとすぐ、ある想いを抱いたという。
「この自然を所有することなんて、できないな、と。感覚としては、一時的にお預かりするような。このすばらしい場所を大事にして、この森をみんなで守ろう、みんなで楽しもう、そして後世につなぎたいと思ったんです。不思議ね、森には、人にそう思わせる力があるのね」
ここをセカンドハウスにして間もなく、コロナ禍に突入。東京を離れ、那須にとどまる時間が増えていった。
「こんなに長い時間、自然と向き合うのは私、初めてだったかもしれません。じーっとぼーっと、仕事もしないでベランダに座って、本を読んだり音楽を聞いたりしながら森を見ていたら、いろいろなことに気がつくわけです。毎日、日は昇り日は沈み、しょっちゅう風が吹いて、日々が過ぎていく。季節とともに緑の葉が色を変え、葉が落ちて枯れ枝ばかりになり、そこに雪が降る。やがて芽生えて新緑となり、こんもりと葉が繁る。あたりまえなんですけどね。そういうことに気がついた私は、以前の私とは確実に何かが違うの」
刻々と移りゆく自然の表情から、画家の目が感じ取ったものは。
「光です! 光が描きたくなったの。実は今、以前中断していた『鏡の国のアリス』シリーズに再び取りかかっているんですけど、できあがった画面がね、真っ黄色なんです。いろいろなものに透明感のある光が当たることで、別なものに見えてくる。今、新作を描きながら、発表するのがとても楽しみなんです」
森の中で暮らしていると、優しくなれるの。命が愛おしくなってくる
そしてもうひとつ、田舎暮らしの中で強く実感するのは、自然という命の集合体の中で、共感し共鳴している自分の命。そしていつもそばに寄り添ってくれる、愛犬ルカの命も。
「ルカは、盲導犬になるはずが足に障害があってなれなかった、元保護犬です。私が育ててあげなければいけないのだけど、そこから学ぶことがあまりにも多くて、私のほうが育てられているのかな(笑)」
育て、育てられて。命は、たくさんのことを教えてくれる。
「カントリーライフを実践していると、なぜか動物たちの命が自分とつながって見えてくるの。それは、私だけのことじゃなくてね。
この夏、エクラでも取材していただいた、京丹後の『プラテーロ』コンサートのとき、ひとりの女性がいらして。そのかたはお父さまがヒメネスの『プラテーロとわたし』が大好きで、尾道でロバを飼いはじめて、〈ロバ牧場〉まで作ってしまったんですって! 今もたくさんのかたがロバに会いに来るそうなの。
もうひとり私の友だちで、以前東京の外苑前でレストランをやっていた大塚敬子さん。以前から馬が好きで、馬と一緒に暮らすために、北海道・富良野に移住して、そこでまたレストラン『ル・ゴロワ フラノ』をやっているんです。でもその中の一頭の馬、あかりちゃんが、ちょっと前から具合が悪くて。その薬代のためにも、もう少しレストラン経営をがんばりますって。小さな命とともに歩んでいくために、私もアーティストとして何かできないかと、考えているところです。なんとか力になりたい、と思っているんですけど」
犬のルカ、牧場のロバたち、そして馬のあかりちゃん。愛すべき、無垢で小さな命たち。
「もしかしたらカントリーライフというのは、人を思いやるとか、弱いものに手をさしのべるとか、自分を愛するのと同じように他者を愛するとか、そういうエピソードの積み重なりで、できているのかしらね」
愛する対象は、動物だけでなく。
「無機質なガラス玉でもいいの。何か自分の想いをこめられる、愛情を注ぎたくなるものがあると、人生は変わるんです。もっといきいきするし、明日も生きていこう、という気持ちになる。カントリーライフって、そういう自分の奥に眠っている本質みたいなものを、ヴィヴィッドにしてくれる。そんな気がするの」
那須のアトリエ、居間の真ん中には、薪ストーブが。山の冷たい空気の中、じんわりほっこり、身も心も温めてくれる
アトリエの裏手から室内へ、ストーブ用の薪を運ぶのも、山暮らしのお楽しみ。「いつのまにか力がついて、エクササイズ替わりになっているのかも(笑)」
北海道、富良野にあるフレンチ・レストラン『ル・ゴロワ フラノ』のシェフ大塚健一さん、敬子さん夫妻の愛馬たちのお見舞いに。馬房で治療を受けているあかりちゃん(中央)と、山本さんの愛犬から名前をもらったという馬のルーカス(左)。
愛犬ルカ。東京でも那須でも、山本さんのそばで幸せに過ごしている元保護犬。温厚で従順で、ちょっとマイペース。
日常を切り取った山本さんによるスケッチ画が、2024年カレンダーのそこここに登場。お楽しみに!
2024年カレンダー「 Country Life」
これまで携わった装画の中から「カントリーライフ」をテーマに13点(表紙を含む)を厳選。本を包み込む作品それぞれは、文章からインスパイアされた山本容子さんの独特の世界。あちらこちらに、愛犬ルカのデッサンも登場する。
カレンダー掲載の銅版画をエクラプレミアム通販で購入できます!
1988年~ 2009年までの山本容子さんの装丁の仕事の中から、「カントリーライフ」をテーマに選んだ2024年のエクラ・カレンダー。掲載された作品のうち、12点の銅版画をエクラプレミアム通販で数量限定で販売します。暮らしに彩りを添えてくれる美しい作品をぜひお手もとに。
(作品上から)『妊娠カレンダー』¥245,850・『ザ・シンギング THE SINGING』¥124,850・『おしゃべりな時間』¥157,850/エクラプレミアム通販 すべてソフトグランド・エッチング、手彩色
『country life』¥135,850
ご注文専用電話0120・501249(9時〜20時)
サイズ詳細は、webページ(https://store.hpplus.jp/eclat/)もしくはお電話( 0570・008010)にてご確認お願いいたします。
山本 容子
-
【山本容子さん・インタビュー後編】山本容子を形づくる「装丁」という仕事
2024年のエクラ・カレンダーは、銅版画家・山本容子さんがこれまで携わった装画の中から「カントリーライフ」をテーマに13点を厳選。インタビュー前後編の後編では、山本さんが携わった“これまでの仕事”について振り返ってもらった。
What's New
-
猫沢エミさん・小林孝延さんが見つめた、喪失と悲しみの向こう側。「愛した証拠」を抱えて、それでも生きていく
年齢を重ねて経験していく、大切な存在との永遠の別れ。死とは何か、そして生とは――。'25年11月に刊行された『真夜中のパリから夜明けの東京へ』は、パリと東京、1万キロの距離と時差を飛び越え交わした、大人の友人同士の往復書簡。率直な思いを綴り合ったミュージシャンで文筆家の猫沢エミさんと編集者の小林孝延さんが、晩秋の東京で再会した。
カルチャー
2025年12月16日
-
“女流”の時代を生きた、3人の女性作家を描く『三頭の蝶の道』【斎藤美奈子のオトナの文藝部】
山田詠美の『三頭の蝶の道』を紹介。実在の女性作家をモデルにフィクションも混じえて描いた小説は、読み応えたっぷり。山田詠美『もの想う時、ものを書く』、瀬戸内寂聴『笑って生ききる 寂聴流 悔いのない人生のコツ 増補版』とあわせて読みたい。
カルチャー
2025年12月16日
-
愛国主義、それは自分の国を愛すること、国粋主義、それは他国を憎むことである。ーLe patriotisme, c'est aimer son pays. Le nationalisme, c'est détester celui des autres.【フランスの美しい言葉 vol.46】
読むだけで心が軽くなったり、気分がアガったり、ハッとさせられたり。そんな美しいフランスの言葉を毎週月曜日にお届けします。ページ下の音声ボタンをクリックして、ぜひ一緒にフランス語を声に出してみて。
カルチャー
2025年12月15日
-
玄関やリビングに…お客さまを出迎える花の飾り方【花生師・岡本典子さんに教わる"花あしらい”】
年末年始に向けて、ゲストを迎える機会も増えてきたのでは? 今回は人気の花生師・岡本典子さんに、一年の節目にふさわしい花あしらいのコツを伝授していただきました。
カルチャー
2025年12月14日
-
誰もが知る歴史のイメージが変わる!?"あの戦乱”に新解釈【旬の「歴史エンタメ」】
その時代の魅力に現代のセンスが加わり、歴史を新鮮な視点で楽しむエンターテインメントが続々!「歴史エンタメ」が注目されている今、改めて見直したい映画2作品と歴史上の人物を新たな視点で描いた本をご紹介。
カルチャー
2025年12月13日
-
-
-
-
-
-
オフィス内でも温度調整しやすい便利なカーディガンは、カフスつきトップスと重ねてモード感をアップ!気温11℃|12/16(火)【50代の毎日コーデ】
カフスつきプルオーバーにカーディガンを重ね着。カーディガンのずらっと並ぶボタンと、白いロングカフスのディテールが掛け合わさることで、単品で着るよりもさらにモードなシャレ感が生まれる。
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
「幹細胞コスメ」大人の最適解とは?
シミ、シワ、たるみ、毛穴悩みに。大人肌のスキンケアの最適解
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
松井陽子の「エクラ ゴルフ部へようこそ!」
松井陽子さんが50代におすすめのゴルフウェアやゴルフの楽しみ方をご紹介。
-
年末年始の華やぎシーンは自信のある髪で!
人気ヘアマスク「Gyutto(ギュット)」で美映え髪に
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
クリスマスのお出かけスポットはここ!
映画「ハリー・ポッター」の世界に没入!大人も楽しめるアート体験
-
大人のきれいめデニムを探しているなら
イタリアの感性と日本の職人技の美しき融合、ジーフランコのデニム
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき秋の服
-
50代に人気上昇中!上品な華やかさ「冬のミディアムヘア」51選
冬の空気に似合うのは、品よく華やかで、ほんのり女らしさを感じるミディアムヘア。50代の女性に人気上昇中のスタイルは、髪悩みや顔まわりの悩みをカバーしながら、印象をぐっと明るく見せてくれるスタイル。
-
上品にあか抜ける「50代の黒タートル」冬の洗練スタイル8選
黒タートルは冬の定番アイテム。着こなし次第で品格を引き立て、あか抜けた印象をつくる最強の一枚。色合わせや素材感、アクセサリーの工夫次第で、ぐっと洗練されたスタイルに。
-
【憧れの国内高級ホテル・旅館】一度は泊まりたい!北海道から沖縄まで大人が満足する極上ステイ
50代女性が一度は泊まってみたい、と思う全国の高級旅館・高級ホテル・憧れのリゾートホテルを厳選してお届け。温泉やグルメやエステ、絶景など魅力満載の贅沢な国内旅行が楽しめる。夫婦や気心の知れた女友だち、…
-
【50代のブーツコーデ6選】この冬使える!ショートからロングまでどんなボトムスにもなじむ"万能な黒ブーツ”
寒い冬に欠かせないおしゃれアイテム「ブーツ」。単なる寒さ対策だけでなく、コーディネートのアクセントとしても大活躍!そこで今回はおしゃれなアラフィー読者モデル エクラ華組のブログから、冬のブーツコーデを…
-
【新作韓国ドラマ 2025年12月】「愛の不時着」監督の新作サスペンス、ジュノ(2PM)出演作品も!「Netflix」で観たい2作品
思いもよらない展開や手に汗握るスリリングなストーリー、そして俳優たちの圧倒的な演技力で、常に私たちを魅了する「韓国ドラマ」。今回は、いま話題の2作品をご紹介。年末年始の一気見もおすすめ! いずれも「Net…