-
【中谷美紀「日記をつける」ということ〈前編〉】ミハイル・バリシニコフと共演した舞台『猟銃』の裏側を語る
昨年、ニューヨークのオフ・ブロードウェイで舞台に立った中谷美紀さん。稽古初日から千穐楽までの59日間の日記を、一冊の本にまとめた。共演したミハイル・バリシニコフのこと、ニューヨークで出会った人たち、そして中谷さん自身のことが、日記には克明に記されている。
【中谷美紀「日記をつける」ということ〈中編〉】誰かが書いた日記は、おもしろい

“何げなく書いたことがいつのまにか、本当になるんです”
母親の日記を燃やさずに読んでしまったことから
『猟銃』という物語は、彩子という女性の日記を、娘の薔子が読んでしまうところから、大きく展開する。
「燃やしてほしい、と母から託された日記を、読んでしまう。でも、そういわれて渡されたら、読んでしまいますよね」
誰かが書いた日記は、おもしろい。ふだんの暮らしや秘めた想い、心を支配する何かを書いてあるからこそ日記は、第三者である読み手の心を惹きつける。
中谷さんが文章を書くようになったきっかけも、ひとりのミュージシャンの日記だった。ブライアン・イーノの『A YEAR』(’98年 パルコ出版/絶版)という本だ。
「日常の雑記を記してあるだけなのに、とてもおもしろい本でした。一番衝撃的だったのは、音楽家であるにもかかわらず、CDは5枚しか持っていないと書いてあって、それが忘れられなくて(笑)。尊敬する音楽家の彼がどんなことを思って生きているのか、知りたくて読みはじめたのですが、意外と普通の人だというのがまたおもしろくて。それを読んで、ああ、日記っていいなと思ったんです」
たまたまそのころ、『永遠の仔』というドラマに主演していた中谷さん。天童荒太氏の原作本を出していた幻冬舎の見城社長に、こんなことをいったとか。
「『ブライアン・イーノみたいに、いつか、日記を出版してみたいです』って。思えばあれがきっかけで、何かを書くことを思いたったのかもしれません」
以来、『インド旅行記』(’06年)、『自虐の詩日記』(’07年)などなど、多くの日記エッセーを発表してきた。日記を書く習慣はない、といいながら、「もともと、書くのが好きなんですね。何かに挑戦するときは、何かを書きとめておきたくなってしまって」。
最近も『オーストリア滞在記』(’21年)、『文はやりたし』(’23年)と、文章を発表する機会が続いている。
「とはいえ、素人ですので。締め切りは守れないし、文字数やページ数も守れない(笑)。でも正直でありたいという気持ちがあるので、思いのたけをなるべくそのまま、書くようにしています」
ちなみに、日記文学を志すならこれを読むべし、とすすめられたのが、永井荷風の『断腸亭日乗』。
「でも、冒頭の3ページで挫折しました(笑)。とはいえ、もちろん『アンネの日記』は読みましたし、マザーテレサの手紙を収録している『来て、わたしの光になりなさい!』という本も、今、かなり興味があります。沢村貞子さんの献立日記も、読み応えがありますよね!」
(インタビュー後編へ続く)

舞台『猟銃』NY公演がWOWOWで放送・配信!
’23年3月、俳優・中谷美紀&伝説のバレエ・ダンサー、ミハイル・バリシニコフ、奇跡のコラボレーションで行われた舞台『猟銃』NY公演が、スペシャルドキュメンタリー映像つきでWOWOWにて6月8日16時~放送・配信。制作の過程と、すべてが爆発する本番の舞台映像は圧巻。
※次回の放送・配信は7/20(土)18時~

『オフ・ブロードウェイ奮闘記』
中谷美紀
幻冬舎文庫 ¥869
怒って泣いて笑った、怒濤のオフ・ブロードウェイでの毎日。役をとことん追求し、『猟銃』に身も心も捧げる日々の記録は、舞台を支えるもうひとつの物語。新しい自分を求めて奮闘する40代の中谷さんの姿に、勇気がわいてくる。

中谷美紀
-
【中谷美紀「日記をつける」ということ〈後編〉】想いを言葉にする重要性とは?
昨年、ニューヨークのオフ・ブロードウェイで舞台『猟銃』を演じた中谷美紀さん。稽古初日から千穐楽までの59日間の日記を、一冊の本にまとめた。インタビュー後編では、文字にすることの重要性を教えてくれた。
-
50代のドレスアップスタイルに華やぎを!女優・中谷美紀さん「ブラック×ジュエリー」まとめ
いつものブラックスタイルにプラスするだけで、洗練されたドレスアップスタイルへと導いてくれる、それがジュエリーのパワー。圧倒的な存在感で私たちを魅了する女優・中谷美紀さんが、ディオールのブラック×ジュエリーで、等身大のドレスアップを披露!
What's New
-
襟の開きが絶妙でほどよく抜けた印象に!夏ゴルフの帰りは「ポロニット」「スキッパーニット」【松井陽子の「エクラ ゴルフ部へようこそ!」vol.7】
ゴルフの行き帰り、皆さんはどんな装いですか。「正解に困る・・・」という声を多く聞いたので、今回は私のとある日のアフターゴルフの装いをご紹介します。
カルチャー
2025年7月3日
-
【市川團十郎インタビュー】市川團十郎47歳。今、絶対見ておくべき理由
團十郎の舞台が今、すごいことになっている。「5月の弁慶を見て自然に涙が出た」「今このときに向かってすべてを調整してきたと思わせる素晴らしい完成度」。歌舞伎座の内外ではもちろん、SNSでも最近こんな感想によく出会う。市川團十郎、47歳。キレッキレの鋭い印象はいつのまにか「頼もしさ」に、そして見たものを燃やし尽くすかのような勢いある目力にはいつしか温かさが宿っている。今や目じりのしわまでが優しげだ。かと思えば舞台から放たれるオーラは常に別格。にらまれたらそれだけでもうエネルギーがわいてくる。私たちにはマチュアな進化を遂げつつある團十郎さんの歌舞伎が必要だ!歌舞伎界の真ん中を生きる團十郎さんが、歌舞伎への思いを真摯に語ってくれた。
カルチャー
2025年7月1日
-
【雨宮塔子 大人を刺激するパリの今】洗練された甘さを味わえるアフタヌーンティーへ
雨宮塔子さんによる連載「大人を刺激するパリの今」。14回目のテーマは「洗練された甘さ」。仕事仲間に推薦されたアフタヌーンティーのお店をご紹介!
カルチャー
2025年6月30日
-
おいしく食べて飲んで元気に!健康や食がテーマのおすすめ本4選
何をするにも元気な体があってこそ。そのためには体づくりやきちんとした食生活が大事。そこで今回は、「食や健康」がテーマのおすすめ本をご紹介。毎月お届けしている連載「今月のおすすめ本」でこれまで紹介してきた本の中から、4冊をお届けします。
カルチャー
2025年6月30日
-
雨と晴天の話をするーParler de la pluie et du beau temps.【フランスの美しい言葉 vol.22】
読むだけで心が軽くなったり、気分がアガったり、ハッとさせられたり。そんな美しいフランスの言葉を毎週月曜日にお届けします。ページ下の音声ボタンをクリックして、ぜひ一緒にフランス語を声に出してみて。
カルチャー
2025年6月30日
Magazine
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
50代が真似したいデニムスタイル
進化系“デニム・エレガント”でセンスアップ!
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
大人を魅了!ピエール アルディの名品バッグ
名品「アルファ」バッグは上品カラーのエクラ別注品も見逃せない
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
大人のくすみ&しぼみ肌に必要なケアとは?
化粧水の代わりに毎日使える「化粧水フェイスマスク」で保湿!
-
50代におすすめの初夏アイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき旬の服
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
【50代に人気のヘアスタイル・髪型カタログ】おばさんにならない!ショート・ボブ・ミディアム・ロング別ヘアスタイル
白髪や髪のうねり、薄毛、パサつきなど40代、50代の気になる髪悩みを解消するおすすめヘアスタイルを提案。ショート、ボブ、ミディアム、ロング別ヘアスタイルから知っておきたい最新ヘアケア事情まで、おばさんぽ…
-
涼やかでおしゃれ!50代が若々しく見える「夏のショートヘア」50選
気になる白髪もボリューム不足もアラフィー世代に似合うカットやカラー、パーマで立体感を出して、今どきのこなれ感と若々しさを手に入れて。
-
夏のおしゃれが楽しくなる!上品に映える50代の「ノースリーブ」6選
夏に着用したい「ノースリーブ」ですが、二の腕のムッチリやタプタプが気になってトライできないと感じる50代女性も多いもの。そこで、今回は二の腕が太く見えないノースリーブとおすすめコーディネートをご紹介♪
-
7月は何を買う?50代に似合う服が見つかる!最新ファッションコーデ・アイテムカタログ
50代女性におすすめの最新ファッションアイテムや話題の美容アイテム、毎日が楽しくなる生活雑貨など、今買うべきアイテムを厳選してご紹介。トレンドを上手に取り入れ、自分らしく上品なスタイルを叶えるファッシ…
-
【50代のワンピースコーデ5選】シンプルになりすぎない!レイヤード&小物使いでこなれ感アップ
涼しくて着映え力抜群のワンピースは夏のおしゃれに欠かせないアイテム。一枚で着ても重ね着をしても素敵に決まる。今回は、そんなワンピースを使った40代・50代読者モデル・華組&チームJマダムコーディネートをご…