【名作椅子のある日常】タイムレスな魅力のあるイタリアの椅子

座り心地のよさ、デザインの秀逸さ、技術力の高さなどから名作と呼ばれ、愛され続ける椅子には、人の暮らしさえ変えてしまうパワーがある。今回は、横堀設計事務所・インテリアデザイナー コマタトモコさんお気に入りの“名作椅子”をご紹介。

名作椅子とは残る力のある椅子。いつか自分でもそんなデザインを

横堀設計事務所・インテリアデザイナー コマタトモコさん

コマタトモコさん

イタリアの名匠、アルド・ロッシに師事した経験のあるコマタさんにとって、イタリアの家具は特別な存在だ。「古典をベースにしながらモダンデザインへと昇華しているところが魅力」と語る。自然光が降り注ぐ、隅々まで美しい自宅兼事務所で愛用する椅子もイタリアの名作が多い。

「友人が引っ越しをするときに譲り受けた椅子、テアトロは師匠アルド・ロッシのデザイン。運命を感じました。こんなふうに名作と呼ばれるものは継承していける、引き継ぐべき椅子だと思います。タイムレスで、年月がたつほどに価値が高まり、残っていく。残る力のある椅子ですよね」

 自身も「人と場の物語と歴史」を大切に、住空間だけでなく家具もデザインするコマタさん。「デザイナーとは『時間をつなぐ』仕事だと思っていて。歴史をかえりみて、未来を見つめ、今何をすべきかをいつも考えています。名作椅子に触れ、目にするたびに、私自身も少なからずそれに近づける仕事をしていたいと思いを新たにします」

ラ マリー /フィリップ・スタルク
【名作椅子のある日常】タイムレスな魅力のあるイタリアの椅子_1_3

ラ マリー/フィリップ・スタルク

世界初のポリカーボネート一体成型の透明な椅子。「ミニマルなデザインでスタッキングもでき、軽く、手に入れやすい価格で購入」。以前の事務所ではそのまま使用していたが、現在はインテリアに合わせてデザインしたカバーをかけて使用。奥にはトビア・スカルパのMISSも

スーパーレジェーラ /ジオ・ポンティ

スーパーレジェーラ/ジオ・ポンティ

「イタリアの名匠、ジオ・ポンティも好きで、いつか手に入れたかった」という名作椅子、スーパーレジェーラ。縁あって2年ほど前、尊敬する先輩の建築家が別荘で使用していたものを4脚まとめて譲り受けた

テアトロ /アルド・ロッシ&ルカ・メダ

テアトロ/アルド・ロッシ&ルカ・メダ

’80年代初めにジェノヴァの歌劇場のためにデザインされた椅子。「ほかにウォルナット素材や、赤やストライプの張り地などもあったようです」。上には同じく敬愛するエットーレ・ソットサスのアートを飾った

コマタトモコさん

コマタトモコさん

アルド・ロッシ建築事務所勤務を経て’95年横堀建築設計事務所に参加。建築と内装、両方を重視する唯一無二の住宅設計・インテリアデザインに定評が。’15年オリジナル家具ブランド「CASABUKU」を創設。
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