“卒母”(お母さんを卒業する)にまつわる悩みはさまざま。eclat 4月号では、卒母経験のある専門家がアドバイス。“卒母”の必須条件である「子供を信頼し、自尊心を育んできたかどうかの確認」を第一に、自分が「母親以外の役割を持てるかどうかも確認を。
あなたはスムーズに子離れできる? “卒母”check!
□「 うちの○○ちゃんが~」のように子供を主語にするのではなく、自分を主語にした会話ができる
□ 夫と会話をするとき、目を3 秒以上みつめられる
□ ○○さんの奥さん、○○ちゃんのママではなく、名前で呼んでくれる友人がいる
□ 子供に"お願い事" ができる
□ 子供のいいところを、10 個以上いえる
□ 仕事やボランティア、夢中になれる趣味や勉強がある
卒母できるかいなかのカギになるのは、社会とのかかわりや夫婦のあり方。子供関連ではない自分の世界や交友関係をもつと同時に、子供抜きでも過ごせる夫婦関係を築けているかをチェックして。また、子供が自分に自信をもっていることも、卒母の必須条件。「子供にお願い事ができる」「子供のいいところを10個以上いえる」で、子供を信頼し、自尊心を育んできたかどうかの確認を。
Q.卒母にベストなタイミングっていつですか?
A.子供が家を出るときでは遅すぎます
子供や母親のタイプ、親子関係、環境などケースバイケースで、「この時期」と断言するのはむずかしいですね。ただ、子供が家を出るタイミングでは、遅すぎます。「子供が大学生になったら」「就職したら」「成人したら」といった転機を待つのではなく、長い時間をかけ、徐々に母親を卒業していくものだと、私は考えています。子供がある程度成長してきたら、口を出したり、世話を焼いたりするのはやめて、自分のことを優先する。母ではなく、個人として社会とかかわるなど、少しずつ母親以外の割合を増やしていくことをおすすめします。
Q.スムーズに卒母するために今からしておきたいことは?
A.母という立場以外でかかわる人を増やすと同時に、夫婦関係を見直しましょう
卒母するためには、個人として社会とかかわり、子供とは別の世界をもつことが不可欠です。趣味を見つける、仕事やボランティアを始めるなど、なんでもかまいません。そうやって母親以外の役割をもてば、"母親である自分" にしがみつかなくてもよくなります。目安は、子供の話題ではなく、「私」を主語にした会話ができるかどうか。母親という立場以外の人とも、話ができるようになっておきましょう。
また、そうした社会とのかかわりと同じくらい重要なのが、夫婦のかかわり。長らく「お父さん」「お母さん」としてしかお互いを見ていなかったような場合は、夫婦としての時間をもつことを心がけてください。
Q.卒母したあとの夫婦だけの時間が不安です
A.夫をよく観察し、興味をもち、「ありがとう」と意識的に感謝の言葉を
卒母できない理由のナンバー1は、実はこれかもしれません。ふたりだけになったときに不安=そこになんらかの問題があるから。それを解決する第一歩として、まずは夫を観察し、興味をもつことから始めてみては? その過程で、「子供以外の話題を話してこなかった」「目を見て話すことがなかった」など、問題に気づく場合もあるだろうと思います。夫に、意識的に「ありがとう」をいうのもおすすめ。「私は感謝してもらったことがないのに」といった不満や怒りを抱くかもしれませんが、どちらかが始めないと、関係に変化をもたらすことはできませんよ。
Q.子供がいつまでも親をあてにしそう…
A.子供を甘えさせない"強さ" をもつ&子供の自尊心を育むことを心がけて
親子にかぎらず近しい関係においては、原因は双方にあるもの。子供がいつまでも親をあてにするとしたら、親の言動にも問題があるはずです。「甘えて困る」と愚痴りながらも手を貸したり、「経済的に頼られて困る」といいつつ援助したりしていませんか? 親には、子供の要求をきっぱり拒否する強さが求められるのだと心得てください。
また、自立のカギとなるのは、本人がどれだけ自分に自信をもっているか。「ダメな子ね」「何もできないんだから」と否定されてきたとしたら、その子は自信などもてず、いつまでも子供という役割にしがみついてしまいます。子供を信頼する。それも、卒母には必要です。
Q.夫が子供ベッタリで、卒父できない気がします
A.妻から好かれていないと感じる度合いだけ、子供を甘やかしている可能性も
夫が子供を甘やかす理由を考えてみましょう。子供に好かれたい=自分は嫌われている、と感じているからかもしれませんし、妻の自分に対する愛情不足を感じ、その虚しさを埋めるためかもしれません。なかには、夫自身が幼いころ甘やかしてもらえず、自分がしてもらいたかったことを現在子供に行っているケースも。いずれにしても、満たされない想いを抱えているのだと思います。対応策は、子供を甘やかすことで得ている"いい気分" を、ほかのことで得られるようにサポートすること。妻が夫に優しく接するのも効果的です。心が満たされれば、「子供のために甘やかすのはやめよう」と考えるようになるかもしれませんよ。
Q.友だち親子のような関係なので、卒母できるか心配です
A.友だち親子は、心理学的には"癒着" の関係。子供の自立をはばむ危険性もあります
「友だち親子」というと聞こえはいいかもしれませんが、心理学的には"癒着"。自分とほかの人の境目がなくなってしまっている状態をさします。これは、卒母をむずかしくするだけでなく、子供の自立をはばんでしまう危険性が大。親子の癒着がひどいと、子供が恋愛しづらくなったり、パートナーを得にくくなってしまうかもしれません。
癒着を断ち切るのに有効なのは、子供以外に一緒に時間を過ごす人をつくり、子供と別に過ごす時間を長くとること。親子は友だちではありません。「○○ちゃんのママ」ではなく、あなたの名前で呼んでくれるような、"自分の友だち" をつくってください。
教えてくれたのは…
心理カウンセラー
大門昌代さん
’05年からカウンセラーとしての活動をスタート。大阪や東京、名古屋にて、家族関係や対人関係、ビジネス関連といった幅広いジャンルで、講演会や個別カウンセリングなどを行っている。カウンセリングサービス http://www.counselingservice.jp/