「皆さんがそろって口にしたのが、妻への感謝。会社というよりどころをなくした男にとって、頼れるのは妻だけ。ゆえに、ひとりで出かけようとする妻に、『どこに行くんだ』『いつ帰るんだ』『オレも行く!』と、すがってしまうのです。なので、夫が定年した途端、『自由が欲しいの』とは切り出さず、うまくコトを運んでいただければ」
髙橋さんは、「定年は、夫と妻との格差を露呈させる」とも。
「エクラ世代だと、家のことは妻がメインでというケースが多いかと思います。イレギュラーなことも起こりますから、日常生活を維持するのは大変なこと。たいていの男は、定年後、初めてそれに気づきます。そして悟るのです、『生きるという土俵では、妻はプロで、自分はアマだ』と。そのくらい力量が違うのですから、妻が夫をハンドリングするのは簡単。夫の定年に思うことはいろいろおありでしょうが、上手にリードし、良好な夫婦関係を続けていただけると、我々男としては大変ありがたいのです」(髙橋さん)