「石本藤雄展ーマリメッコの花から陶の実へー」を巡る道後温泉の旅②

ヘルシンキのマリメッコで活躍ののち、アラビアで作陶を続けている石本藤雄氏。彼の故郷、愛媛県松山で12月16日まで行われる企画展「石本藤雄展ーマリメッコの花から陶の実へー」のプレビューに伺った。松山旅行も兼ねて、ぜひ訪れてほしいこの企画展は、来年には京都・細見美術館、東京・スパイラルでも開催予定だ。
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ギャラリー&茶房「MUSTAKIVI」のカフェ。ついつい長居してしまう
 企画展から足を伸ばして行きたいスポットも少なくない、魅力あふれる松山。なかでも、昨年オープンした石本藤雄氏がプロデュースするギャラリー&茶房「MUSTAKIVI(ムスタキビ)」は必見だ。松山城の麓に位置する、ファンには嬉しい存在。お土産探しも楽しく、石本氏デザインの日常の器TOBEYAKIシリーズはシンプルで、美しい色のグラデーションと形は料理を選ばない。ほかにも、西日本最高峰・石鎚山脈の麓にある新宮町、久万高原町などは茶どころとして知られるそうで、その茶をカフェでも楽しめるほか、カラフルな石本デザインのパッケージで販売もしている。また、地下一階のギャラリーでは、石本藤雄展とのコラボレーション展示をしていて、一部販売も。

「実家があるという感じ」と、この空間に馴染んでいる石本氏が、自身の名前と「石繋がり」という、松山城の石の城壁を眺めながらカフェで一息つくのも良い。MUSTAKIVIのギャラリーには、花畑のように「壁の花」シリーズが展示されているが、もともとフィンランドの芸術村の催しのために15点ほど作ったのがその始まりなのだと聞いた。ひとつあるだけでもそこに花が咲いたようだ、と人気が高く、のちに果実のモチーフも加わった。
 企画展のオープニングに合わせてここでもトークイベントがあり、フィギュアスケートの羽生結弦選手と坂本花織選手を「アートの域」と応援しているというこぼれ話も楽しかった。
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    MUSTAKIVIの展示

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    緑は織部の緑をイメージして

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    大きな窓から松山城の石垣が

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    MUSTAKIVIの展示から

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    茶玻瑠のダイニング

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    茶玻瑠に飾られた石本氏所有の伊予絣

 また、石本作品は、道後温泉の温泉宿「茶玻璃」のロビーなどでも展示されている。石本氏がプロデュースを手掛けたエグゼクティブフロアの客室では作品が全体にあしらわれているので、滞在して石本ワールドに浸るのもいい。展覧会期間は予約制で、見学も可能だ。

 言わずと知れた日本最古の湯とされる道後温泉は、来年からいよいよ改修工事が始まる。営業しながらの工事で、完成には7年を要する見込みだ。ぜひ「石本藤雄展」と合わせてこの宝物のような温泉にも寄って欲しい。温泉保養士の私としては、地元の温泉マニアに教えてもらった、道後温泉から車で10分ほどの、アルカリ性硫黄泉、奥道後温泉の立ち寄り湯もお勧めしたい。
 道後温泉で「道後オンセナート2018」を巡り、「ふなや」で鯛そうめんに舌鼓、「10FACTORY」で柑橘類の発送をオーダーしてもいいし、砥部焼のセレクトも楽しい「BRIDGE」や「歩音(アルネ)」をのぞいてみるのもいい。
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    道後温泉本館は日本の宝もの

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    道後温泉本館2階、3階は改装中休業となるそう

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    今も炭火で沸かしている道後温泉本館のお茶

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    各宿で貸し出している、鹿児島睦氏デザインのオンセナートの浴衣

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    ふなやの鯛煮麺は、天然鯛と久万山素麺

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    BRIDGEという雑貨店にも砥部焼のセレクトがある

開催時期:10月27日(土)~12月16日(日)
会場1/愛媛県美術館
愛媛県松山市堀之内
TEL 089-932-0010
9時40分~18時(入館は17時30分まで) www.ehime-art.jp
休館日: 月曜日 ※11/5(月)、12/5(月)は閉館し、翌日火曜休館
観覧料:一般1200円・高大生700円・小中生300円(前売り券は各200円引き)

会場2/ 砥部町文化会館
愛媛県伊予郡砥部町宮内1410
TEL089-962-7000
9時~18時
休館日:10月31日(水)、11月30日(金)
入場無料

<同時開催>
茶玻瑠(ちゃはる):愛媛県松山市道後湯月町4-4 TEL 089-945-1321

MUSTAKIVI(ムスタキビ):愛媛県松山市大街道3-2-27TEL 089-993-7469

【京都展】
2019年春開催予定
細見美術館:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 TEL 075-752-5555

【東京展】
2019年夏開催予定
スパイラル: 東京都港区南青山5-6-23 TEL 03-3498-1171

道後オンセナート2018

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